東京アートビート2024年8月20日
会期は9月14日~11月17日。プエルトリコのヴェヒガンテ衣装や、ソロモン諸島のトビウオ漁用釣具、インドネシアの舞踏劇ワヤン・オランの衣装《ジャタユ》など、世界各地の人びとが創り出した不思議な生きものたちが集結する
国立アイヌ民族博物館で、第9回特別展示「驚異と怪異―想像界の生きものたち」が開催される。会期は9月14日~11月17日。
人類は、常識や慣習から逸脱した異なるものをどのように認識し、説明し、描いてきたのか。本展は、人魚や龍、河童など、想像界の生きものの多様性について祭具、衣装、絵画、彫刻、書籍を通して紹介し、人間の想像と創造の力の源泉を探る。奇妙で怪しい、不気味だけどかわいい、世界の霊獣・幻獣・怪獣が大集合する。
左から、ヴェヒガンテ衣装(プエルトリコ) 国立民族学博物館蔵、トビウオ漁用 釣具(ソロモン諸島) 国立民族学博物館蔵、動物形土製品[国指定重要文化財] 千歳市教育委員会蔵、舞踏劇ワヤン・オランの衣装《ジャタユ》(インドネシア) 国立民族学博物館蔵、張子人形《ショロショロ狐》(鳥取県) 国立民族学博物館蔵
本展のみどころは、プエルトリコのヴェヒガンテ衣装や、ソロモン諸島のトビウオ漁用釣具、インドネシアの舞踏劇ワヤン・オランの衣装《ジャタユ》など、暮らしの道具や衣装にみられる世界各地の人びとが創り出した不思議な生きものたちが集結すること。日本からも、国指定重要文化財である動物形土製品、鳥取県の張子人形《ショロショロ狐》などが展示される。水に潜み、天に羽ばたき、地を巡る、想像界の生きものの多様性を探求しよう。
また、北海道会場限定コンテンツとして、変幻自在の怪獣ビビちゃん、開拓使たちがつくりだした「北海道イメージ」の関連資料、現代のイラストレーターが描くアイヌの伝承に伝わるクリーチャー紹介など、北海道のオリジナル・コンテンツも展示される。
アイヌのなかでも、千島アイヌのみに伝わる怪物である「フジル」の木製仮面も展示。「フジル」はいつも仮面をつけていて、その下は「のっぺらぼう」と言われている。千島アイヌの伝承を採録した鳥居龍蔵のフィールドノートとともに展示される稀少な機会だ。
そのほか、博物誌や世界地図、現代アーティストたちの作品に探るアジア・中東・ヨーロッパの比較怪物学も紹介。未知なる世界の驚異や、常ならざる怪異はどのように描かれ、理解されてきたのか? 世界の霊獣・幻獣・怪獣に会いに行こう。
https://www.tokyoartbeat.com/articles/-/regnum-imaginarium-news-202408