中央フォーカス台湾 2018/07/27 19:27
アミ族出身のKolas Yotaka(グラス・ユタカ)氏
(台北 27日 中央社)今月中旬に行政院(内閣)報道官に就任した台湾原住民(先住民)アミ族出身のKolas Yotaka(グラス・ユタカ)氏が、自身の名前の表記に漢字名ではなく、ローマ字を使用するよう訴え、物議を醸している。Kolas氏は先住民がローマ字表記のみで戸籍登記できるよう、関連条例の改正を推進するなどし、先住民が尊重される社会づくりを目指している。
Kolas氏は10年以上にわたってローマ字表記にこだわってきた。理由は、ローマ字表記でないと自身の名前を正確に発音できないため。自身のアイデンティティーの尊重を求め、「わたしの名前に慣れてほしい」と呼び掛ける。
一方で、Kolas氏の訴えに対し、批判も噴出。翻訳家でコメンテーターの朱学恆氏はフェイスブックで「そもそもあなた(Kolas氏)の名前を覚える必要がないし、覚えられない。あなたの仕事は自身も信じられないたわ言を述べることだから」と皮肉った。
この批判についてKolas氏は中央社の取材に対し、「すでに慣れっこ」とあっさりと語る。都会で育った先住民にとっては違いや差別を感じるのは日常茶飯事で、すでに慣れてしまったという。
Kolas氏によると、アミ族には「姓」の概念がない。自分の名前に父親か母親の名前を付け足すのがアミ族の命名のルールであり、「Kolas」が自身の名前で、「Yotaka」は父親の名前。父親は日本統治時代に日本の教育を受け、日本名を付けるのを強制されたため、「Yotaka」という名前になったという。
Kolas氏は、戶籍登記の氏名について定めた「姓名条例」の改正を目指す。現行では、先住民は漢名、中国語訳名あるいは中国語訳名とローマ字の併記が可能だが、Kolas氏はローマ字表記のみでの氏名登記を可能にしたいと意気込む。
蔡英文政権は先住民の地位向上や問題解決に力を入れている。2016年に総統として初めて先住民に謝罪したのを皮切りに、昨年には先住民言語を国家の言語と位置づける「原住民族語言発展法」の施行、政府が台湾原住民族として認定する16の民族の言葉を使用する全国放送のFMラジオ局の開局などを推し進めた。
(顧セン、陳俊華、蘇龍麒/編集:名切千絵)
http://japan.cna.com.tw/news/apol/201807270008.aspx
アミ族出身のKolas Yotaka(グラス・ユタカ)氏
(台北 27日 中央社)今月中旬に行政院(内閣)報道官に就任した台湾原住民(先住民)アミ族出身のKolas Yotaka(グラス・ユタカ)氏が、自身の名前の表記に漢字名ではなく、ローマ字を使用するよう訴え、物議を醸している。Kolas氏は先住民がローマ字表記のみで戸籍登記できるよう、関連条例の改正を推進するなどし、先住民が尊重される社会づくりを目指している。
Kolas氏は10年以上にわたってローマ字表記にこだわってきた。理由は、ローマ字表記でないと自身の名前を正確に発音できないため。自身のアイデンティティーの尊重を求め、「わたしの名前に慣れてほしい」と呼び掛ける。
一方で、Kolas氏の訴えに対し、批判も噴出。翻訳家でコメンテーターの朱学恆氏はフェイスブックで「そもそもあなた(Kolas氏)の名前を覚える必要がないし、覚えられない。あなたの仕事は自身も信じられないたわ言を述べることだから」と皮肉った。
この批判についてKolas氏は中央社の取材に対し、「すでに慣れっこ」とあっさりと語る。都会で育った先住民にとっては違いや差別を感じるのは日常茶飯事で、すでに慣れてしまったという。
Kolas氏によると、アミ族には「姓」の概念がない。自分の名前に父親か母親の名前を付け足すのがアミ族の命名のルールであり、「Kolas」が自身の名前で、「Yotaka」は父親の名前。父親は日本統治時代に日本の教育を受け、日本名を付けるのを強制されたため、「Yotaka」という名前になったという。
Kolas氏は、戶籍登記の氏名について定めた「姓名条例」の改正を目指す。現行では、先住民は漢名、中国語訳名あるいは中国語訳名とローマ字の併記が可能だが、Kolas氏はローマ字表記のみでの氏名登記を可能にしたいと意気込む。
蔡英文政権は先住民の地位向上や問題解決に力を入れている。2016年に総統として初めて先住民に謝罪したのを皮切りに、昨年には先住民言語を国家の言語と位置づける「原住民族語言発展法」の施行、政府が台湾原住民族として認定する16の民族の言葉を使用する全国放送のFMラジオ局の開局などを推し進めた。
(顧セン、陳俊華、蘇龍麒/編集:名切千絵)
http://japan.cna.com.tw/news/apol/201807270008.aspx