先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

自然に感謝 サケ豊漁願う 豊平川でアシリチェプノミ

2009-09-15 | 日記
(北海道新聞09/14 13:37)
 川を遡上(そじょう)するサケを迎え、豊漁を祈るアイヌ民族の伝統儀式「アシリチェプノミ」が13日、札幌市中央区の豊平川河川敷で行われた。
 札幌アイヌ文化協会などの主催で、今年で28回目。市民ら約200人が見学した。
 儀式は、民族衣装をまとった約40人がいろりを囲み、アペフチカムイ(火の神)に祈った後、神を祭る「イナウ」と呼ばれる用具にお神酒を付けて祈り、祭壇にささげた。
 終了後には、アイヌ古式舞踊「ウポポ・リムセ」が披露された。見学していた札幌市中央区の主婦(55)は「こうして儀式が伝えられていくのは大事なこと」と話していた。(上田貴子)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/sapporo/188732.html

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神へ祈り 厳かに アイヌ民族豊漁願う 苫小牧

2009-09-15 | 日記
(北海道新聞09/14 13:47)
 遡上(そじょう)を始めた秋サケを出迎え、豊漁や漁の安全を祈願するアイヌ民族の伝統儀式「カムイチェップノミ」が13日、苫小牧市の錦多峰川河口で開かれた。(桑折しのぶ)
 道アイヌ協会苫小牧支部(沢田一憲支部長)が毎年この時期に開催しており、3回目。同支部と千歳支部から約40人が出席した。
 河口右岸の会場には、海の神や水の神をまつる祭壇が設けられ、秋サケ1匹が供えられた。伝統衣装を身に着けた参加者は、沢田支部長の祈りの声に合わせながら、米と麹(こうじ)で作った酒を神々にささげ、厳かに祈っていた。
 また、先祖を供養するため、「オハウ」と呼ばれるサケと野菜の伝統食や果物などを供える儀式「イチャルパ」も行われた。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki/188734.html

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アイヌ民族 千島・道東協が設立総会 

2009-09-15 | 日記
(北海道新聞09/14 08:50)
 【釧路】北千島に住んでいた千島アイヌや、中部千島、北方領土出身のアイヌ民族の活動母体となる新組織「千島・道東アイヌ協会」の設立総会が13日、釧路市内で開かれた。
 新組織は釧路、根室、網走管内のアイヌ民族も対象とし、本年度内の社団法人化を目指す。近く発足する初の全国組織に参加するほか、先住民族の立場で北方領土問題にも取り組む。道東のアイヌ民族の生活向上施策なども国に提案していく。
 設立総会には道アイヌ協会の網走、美幌、厚岸の各支部長を含む15人が出席。新組織の発起人代表で、同協会釧路支部長の秋辺得平氏を代表に選出した。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/188653.html

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千島・道東にアイヌ協会

2009-09-15 | 日記
(朝日新聞2009年09月14日)
■来年4月 全国組織に加盟の方針
 道東のアイヌ民族団体の一部や千島列島出身のアイヌの人たちが加盟する新組織「千島・道東アイヌ協会」が設立されることが、13日決まった。社団法人化を目指し、来年4月にも正式発足する。近く設立される予定のアイヌ民族の全国組織にも、代表を送り込む考えだ。
 設立を決めたこの日の総会には北海道アイヌ協会の釧路、網走、厚岸、美幌の各支部長を含む15人が参加。新協会には各支部の会員ら約120人が参加することになる。このうち釧路支部は12日の臨時総会で、今年度限りで解散することを決定、82人が新協会に入るという。
 新協会代表には北海道アイヌ協会副理事長で釧路支部長の秋辺得平氏(66)が就任する。秋辺代表によると、北海道アイヌ協会など既存組織がカバーしていない千島列島の出身者や、道東で未加入のアイヌの人々の組織化などを目的としている。
 釧路市内に事務局を構え、北海道アイヌ協会との二重加入も認めるといい、秋辺代表は「既存組織との連携を強め、民族議会設立を呼び掛けたい。鳩山新政権は、ともに話し合い、問題を共有できる人たちだと期待している」と話している。
 北方領土交渉にもアイヌ民族の立場で発言していくという。
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000000909140006

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アイヌ文化振興・研究推進機構 新理事長

2009-09-15 | 日記
(朝日新聞2009年09月12日)
■新理事長に中村・前北大総長
 アイヌ民族の社会・文化を研究する財団法人「アイヌ文化振興・研究推進機構」(札幌市中央区)の理事長に、中村睦男・前北大総長が近く就任することが11日、分かった。同機構の谷本一之理事長は7月下旬に死去し、空席となっていた。中村氏は北大総長時代、「アイヌ民族などに関する研究教育を総合的に推進する体制づくり」を掲げ、アイヌ民族の研究拠点「北大アイヌ・先住民研究センター」の立ち上げを推進した。
 同機構は97年設立。この年に制定された「アイヌ文化振興法」に基づく事業を展開する法人として、当時の文部省などから指定を受けていた。
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000000909120004

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アイヌ民族紹介/北海道に「個人史館」

2009-09-15 | 日記
(朝日新聞2009年09月14日)
◇苦闘の姿「知って」
 北海道帯広市出身で川口市在住のアイヌ民族の女性らが、北海道の山(さん)麓(ろく)の森で、現代のアイヌの人たちの人生を紹介する「個人史館」づくりを進めている。5年後をめどに50人から聞き取りすることを目指し、民族の実態を収集していく構想だ。一帯はアイヌ語で「母なる森」を意味するハポネタイと名付けられ、初イベントとして19日から27日まで、都内在住の若手アイヌ民族による絵画展が開かれる。
◇十勝の森の中/まず若手画家絵画展
 個人史館を計画しているのは、川口市の恵原るみ子さん(57)と長女詩乃(うたえ)さん(32)ら。05年6月、北海道十勝支庁清水町中心部から約10キロの雑木林を見学。森の雰囲気、周囲を流れる渓流の音にひかれ、「自分の思いが実現できる」と気に入った。06年5月、約6万平方メートルを購入。ここに名付けたのと同じ名称の有志団体「ハポネタイ」のメンバー10人が準備を進めてきた。
 昨年10月、森に活動拠点となる住宅を建てた。最初の聞き取りは今年5月に始めた。1人目は初老のアイヌ民族の男性。ビデオを回しながら丸2日間、生い立ちから現在までの生活や苦労話、思い出を聞いた。今は2、3人目に取りかかっている。
 恵原さんは「一人ひとりに歴史がある。聞き取りしてこれを集めることで、単に本を読んだだけでは見えないアイヌの歴史が分かるはずではないか」と話す。
 きっかけは父母や祖父母への思いが根底にある。恵原さんは「アイヌ民族として生きづらかった生涯だったはずで、多分幸せではなかっただろう」と言う。民族を取り巻く暗い過去を明らかにするとともに、今を生きるアイヌ民族が誇りと自信をもって生きていけるようになれば、と思い立った。アイヌ民族の拠点になることも期待している。
 聞き取り作業は今後、道内のメンバーらにも協力してもらい、50人を目標に進めていく方針。ただ、アイヌ民族にはいまだに残る差別や偏見を恐れ、民族であることを隠している人もいる。そんな中で、「人生のすべてをさらけ出す」(恵原さん)ことになる聞き取りは容易ではない。
 19日からは、ハポネタイで初めてのイベントが始まる。アイヌ民族で都内在住の芳野省吾さん、小笠原小夜さんの絵画展「二人展」。詩乃さんが2人の作品を見て、持ちかけた。アイヌ文様やアイヌ民族にとってかかわりの深い動物がグラフィック画像で描かれた40作品が、ハポネタイのシラカバなどに飾られる予定だ。
http://mytown.asahi.com/saitama/news.php?k_id=11000000909140005

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道アイヌ協会釧路支部 本年度末で解散し新組織に移行

2009-09-15 | 日記
(北海道新聞09/13 07:06、09/13 07:29 更新)
 【釧路】道アイヌ協会釧路支部(秋辺得平支部長、82人)は12日、釧路市内で臨時総会を開き、本年度末で支部を解散し、13日に発足する新組織「千島・道東アイヌ協会」(仮称)へ移行する方針を決めた。来年1月をめどに再び臨時総会を開き、正式決定する。<北海道新聞9月13日朝刊掲載>
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/188498.html

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@報道部:アイヌ民族の「共生への思い」 /北海道

2009-09-15 | 日記
(毎日新聞 2009年9月13日 地方版)
 今年はアイヌ民族にとって歴史的な年だ。長い間、政策的に無視され、社会的に差別され、苦難を強いられてきたが、先住民族との認識の下に、国の政策を確実に推進するところまで来た。長い闘いと努力の末に迎えたこの年に、記者として北海道に赴任したことは幸運だ。
 北海道アイヌ協会千歳支部支部長の中村吉雄さん(59)の言葉が印象的だった。
 アイヌ民族は生活困窮家庭が多く、それが差別を助長している側面がある。中村さんから被差別体験を聞きながら、私は「(差別する)そういうバカな人たちはお金に弱いから、金持ちになったら見返せるのではないですか」と冗談交じりに言うと、中村さんはやんわりと否定した。「いや、アイヌは日本人の格差社会の底辺層と似ているから、その人たちを一緒に底上げしなくては。それが共生社会だから」と。
 学生時代にアパルトヘイト崩壊後の南アフリカに行った時、多くの黒人の人たちが話してくれたことを思い出した。「許します。でも決して忘れない」。心からの笑顔でそう言った南ア人の姿が、中村さんと重なった。そこにあるのは、許しと寛容、そして共生への思いだった。【中川紗矢子】
==============
 記者ブログはhttps://my-mai.mainichi.co.jp/mymai/modules/hokkaido43/
http://mainichi.jp/hokkaido/news/20090913ddlk01070048000c.html

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松浦武四郎:幕末の探検家、生家を維持・管理 あす「保存会」発足 /三重

2009-09-15 | 日記
(毎日新聞 2009年9月12日 地方版)
 ◇地元自治会ら43人参画
 幕末の探検家・松浦武四郎(1818-1888)の生家の維持管理に協力する「松浦武四郎誕生地保存会」が13日、発足する。地元の松阪市小野江北町と小野江南町の両自治会や松浦武四郎記念館友の会員ら計43人が参画。家屋の開け閉めや、草刈りなどを担い、生家など貴重な文化の保存と伝承に尽力する。
 生誕地は同市小野江町の旧伊勢街道沿いにある。1124平方メートルの敷地に木造母屋と同離れ、土蔵2棟、池のある庭(市指定史跡)を備える。
 母屋は1832(天保3)年、武四郎の父、圭介が購入した。武四郎は北海道へ旅立つ時、母屋の仏壇の前で亡き両親に決意を報告したとされる。離れは1867(慶応3)年までには完成していたことが分かっており、武四郎は完成祝いに襖絵(ふすまえ)を交流のあった画家や書家に描いてもらっている。庭にはアイヌ語研究の第一人者の金田一京助博士が植樹した桜の木もある。
 生誕地の今後については、学識経験者ら8人で構成した市教委の整備検討委員会で協議が進められている。「武四郎の生存時の館は保存し、母屋の一部2階部や台所は取り壊す方針」(市文化課)で、将来的には、誰もが気軽に学び語り合える交流の場として活用することも検討されている。
 保存会の結成はこうした将来構想を見据えたもの。13日朝から、松浦武四郎記念館で設立総会を開き、具体的な管理運営方法などを話し合う。【橋本明】
〔三重版〕
http://mainichi.jp/area/mie/news/20090912ddlk24040179000c.html

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アイヌ民族 千島・道東で新組織 道協会に戸惑い

2009-09-15 | 日記
(北海道新聞09/11 07:26)
 【釧路】道アイヌ協会釧路支部長の秋辺得平氏は10日、北方領土と千島列島出身者、道東のアイヌ民族でつくる新組織「千島・道東アイヌ協会」(仮称)を13日に発足させることを明らかにした。道アイヌ協会からは「組織分断につながりかねない」と戸惑いの声も上がっている。
 秋辺氏は、道アイヌ協会の副理事長。中部千島のウルップ島(得撫島)出身で新組織の設立発起人の一人。新組織は、これまで組織がなかった北千島に住んでいた千島アイヌ、中部千島、北方領土の出身者を対象にした受け皿の設立が目的。ただ、歴史的に関係が深い釧路、根室、網走地方のアイヌ民族にも対象を広げたという。
 今月中にも設立される初の全国組織「全国アイヌ民族ネットワーク会議」に加わるほか、先住民族として北方領土問題にも積極的にかかわっていく方針。道東地区のアイヌ民族の要望を国の施策に反映させていく考え。
 秋辺氏は「道アイヌ協会の分派活動ではない。樺太アイヌ協会と同様、二重加盟も可能だ」と話す。13日は、釧路市内で設立総会を開き、役員を選ぶ予定だ。
 道アイヌ協会幹部は「千島だけを対象にした組織であれば理解できるが、アイヌ協会会員を吸収するようになって協会の分裂につながるようなら困る」と話している。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/188058.html

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’09政権交代:アイヌ協会理事長「民族政策推進を」 /北海道

2009-09-15 | 日記
(毎日新聞 2009年9月10日 地方版)
北海道アイヌ協会の加藤忠理事長も9日、鳩山代表と面会した。加藤理事長は、政府の有識者懇談会が求めた、アイヌ民族に関する政策推進のための立法措置などを行うよう要請。鳩山氏は「しっかりやらないといけない」と応じたという。
http://mainichi.jp/hokkaido/news/20090910ddlk01010186000c.html

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イオル再生に2億円 アイヌ文化発信 白老・平取で整備

2009-09-15 | 日記
(北海道新聞09/09 08:44)
 道は、第3回定例道議会に提案する本年度一般会計補正予算案に、国が胆振管内白老町と日高管内平取町で整備を進めているアイヌ民族の伝統的生活空間「イオル」内で行う、アイヌ文化を発信するための事業に計2億円を計上した。
 白老町では、同町ポロトコタンの物産店街「民芸会館」を解体し、体験学習などの場となる伝承活動施設「イオルセンター(仮称)」を建設する。平取町では、アイヌ文化の情報発信施設「イオル文化センター(仮称)」を建設する。新施設の詳細については、両町が計画を策定する。いずれも補助金の上限は1億円。
 イオル再生は国の事業だが、国は新たな施設建設には消極的だった。しかし、地元では「アイヌ文化を伝承する新たな施設が必要だ」との要望が強く、道は国に率先して、単独事業として施設整備に踏み切った。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/187624.html

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若者のアイヌ文化発信 埼玉在住、恵原さん企画 十勝の森で絵画展

2009-09-15 | 日記
(北海道新聞09/09 06:54)
 埼玉県川口市に住むアイヌ民族の恵原るみ子さん(57)が19日から、十勝管内清水町の森の中で、北海道出身で東京在住のアイヌ民族の男女2人による絵画展を開く。恵原さんは「先祖の思いを受け継ぐ若いアイヌたちの絵を多くの道民に見てほしい」と話している。
 2人は、アイヌ文様を生かしたアクセサリーを製作している芳野省吾さん(29)と、フクロウなどをモチーフにしたイラストを描いている小笠原小夜さん(35)。
 アイヌ民族の文化を受け継ごうとする2人に恵原さんが話を持ちかけて実現した。
 恵原さんは3年前、「アイヌ文化の発信の場に」と、清水町の剣山のふもとの森林約6万平方メートルを購入。「ハポネタイ」(アイヌ語で「母なる森」の意味)と名付け、これまでにアイヌ民族の踊りなどを演じるようステージや、森づくりの拠点となる建物を造った。
 当日は森の一部に遊歩道を整備。シラカバの木に2人の絵画約40枚を掛け、歩きながら絵を楽しんでもらう。26日には帯広在住のアイヌ民族の仲間と共に、アイヌの歌や踊り、ムックリ演奏なども披露する。
 27日まで。入場は無料。問い合わせは恵原さんの携帯電話080・5020・1994へ。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/culture/187607.html

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サンデーらいぶらりぃ:小林 照幸・評『アイヌ民族、半生を語る』中村康利・著

2009-09-15 | 日記
(毎日新聞2009年9月8日)
◆先住民族と認められるまで
◇『アイヌ民族、半生を語る・貧困と不平等の解決を願って』中村康利・著(さっぽろ自由学校「遊」/税込1575円)
 昨年6月、国会はアイヌを先住民族と認めることを求める決議を採択した。政府は「アイヌは北海道の先住民族」との見解を初めて表明し、「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」を発足させ、この夏、「先住民族との認識を重じ、国民の理解を深める教育、アイヌの生活支援も含めた総合的取り組みを政府に求める」を趣旨とする報告書が提出された。これまで、アイヌ文化振興法など文化面の施策はあったが、民族の位置づけは曖昧だった。歴史的なことだが、政権選択選挙の報道の波の中で、どれほどの人々が先住民族と認める法律化の可能性を含めた同報告書の意義を理解したか、と考えてしまう。
 本書は、報告書の提出前に刊行された。アイヌ民族男女18人の生い立ちのインタビューをもとに、アイヌ民族を取り巻く社会環境の改善を考証する。愛知県生まれの著者は現在、北海道新聞の出版局に勤務。毎週土曜日には、ボランティアでアイヌの子供たちに学校の勉強を教えてもいる。格差社会が問われる遥か以前から、アイヌ民族は恒常的に安定した生活を得る困難さを強いられてきた。生活保護率、大学進学率の全国平均との比較もさることながら、就学、就職はじめ見合いや結婚など人生のさまざまな場面で、アイヌというだけで過酷な言葉や態度に直面してきた。これらを「アイヌ差別」と総称するが、やりきれないのはアイヌ民族によるアイヌ民族への差別も存在してきたことだ。著者は本書で、各分野でのアイヌ政策を現在の社会全体の貧困問題にも結び付けて考え、「総合的な民族対策」を提唱するに至る。時宜を得た一冊だろう。
<サンデー毎日 2009年9月20日号より>
【関連リンク】
サンデー毎日 http://www.mainichi.co.jp/publish/magazine.html#sunday

http://mainichi.jp/enta/book/review/news/20090908org00m040035000c.html

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ドキュメント・政権交代:地方にも「国家戦略局」 民主、陳情窓口に挑む

2009-09-15 | 日記
(毎日新聞 2009年9月7日 西部夕刊)
 ◇口利き一掃目指し一元化 各地県連が設置検討
 民主党政権の発足に合わせ、党の地方組織が地方版「国家戦略局」を設置しようという取り組みを始めた。地方発の政策提言力を強化するとともに、地元の課題を中央に陳情する窓口としての役割を担わせる。毎日新聞の取材に対し、北海道など四つの道・県連が「設置する」と回答、3県連が「検討したい」などと答えた。地元の利害を代表する有力国会議員をパイプ役にしてきた自民党政権下の国と地方。その関係を見直せるか。
 「設置する」と回答したのは、北海道のほか岡山、徳島、愛媛の各県連。兵庫、鳥取、熊本の各県連が「設置を検討したい」「必要性を検討したい」などと答えた。
 新政権で民主党が設置する国家戦略局は、国家ビジョンや予算編成の骨格を策定する首相直属の機関。政府と党で分かれていた自民党政権下の政策立案を一元化し、省庁縦割りの予算編成を政治主導に切り替える目的でつくられる。初代担当相には菅直人・党代表代行が内定している。民主の県連幹部らは国家戦略局による政策の方向付けが、地方にも大きな影響をもたらすとみている。
 北海道連は、地元国会議員や経済界、学識経験者らが参加する「北海道・国家戦略会議」(仮称)の設置を既に決めた。来月にも初会合を開き、自立した地域経済▽北方領土問題▽アイヌ民族との共生などをテーマに議論し、新政権に提言する。道連幹部は「オール北海道で、地元の将来を考える場をつくる」と語った。
 徳島県連も地方版国家戦略局を設ける。国政への陳情が県内産業界などから相次ぐとみており「窓口が複数あると、口利きなどの問題も出てくる。一元化が必要」と判断した。
 岡山県連も同様の組織を設置する予定。公共事業の見直しなど、民主党の政権構想に不安を感じている市町村や地元業界団体との協議の場とし、新政権への陳情窓口としての機能も持たせる。
 愛媛県連の「地域戦略会議・愛媛」(仮称)も、農協やトラック協会など各団体の代表から課題を吸い上げる方針。熊本県は今後、方向性を検討する。
 「設置予定はない」と回答した県連からも「政権交代で交流する団体が増えたり、自治体の首長と協議する機会も増える。何らかの受け皿が必要になる」(三重)の声が上がっている。
 一方、6小選挙区で民主が全勝した新潟県では、県と地元国会議員との関係が劇的に変わろうとしている。これまで県幹部は自民党の地元国会議員に省庁との橋渡しを依頼してきた。しかし、民主県連は今後、地元国会議員が直接、県幹部から陳情を受けるのではなく、県連が組織として受け付けることにした。県連幹部は「陳情が特定の議員に集中しかねないため」と説明する。
 長崎県も同様に4小選挙区で民主が全勝したが、新人議員らの政治活動基盤作りを優先させ、19日の県連幹事会以降に検討するという。
http://mainichi.jp/seibu/seikei/news/20090907ddg041010008000c.html

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