日本語おもしろ発見

日々の生活から

「ですので」はok・・・

2007-03-31 12:13:44 | おかしな日本語

接続詞的「なので」は気持ち悪いと思いません?・・・

 先日、もうすぐ終わってしまう「クイズミリオネア」(3月29日放送)で的場浩二が、何問目かで

 「蛇が舌を出し入れするのはなぜ?」

 という問題の答えがわからず、ライフラインのオーディエンスを使いました。

 すると、オーディエンスの最も多い答えはCの体温を調節する、でした。

 的場浩二は言いました

 「僕もそう思いました。ですで、Cにします!(は「の」の変化形)」

 答えはCではなくて「ざんねーん」だったのですが、・・・・

 その前の船越英一郎が応援メッセージで、接続詞的に「なので」を遣ったときは、げっ、気持ち悪いと思ったのですが、的場浩二が遣った「ですので」(「ですんで」)は特に何も感じませんでした。

 「です」は終止形も連体形も「です」なので、活用しているという意識も弱いのでしょう。しかし、「だ」とくっつく「ので」は「なので」ですから、活用した「な」の前で切り離して接続詞のように遣うのはやはり抵抗があります。

 「です」の終止形「です」、連体形「です」

 「だ」の終止形「だ」、連体形「な」

                  *「ので」は連体形につきます。

 まあ、しかし、「から」はニュアンスがきついので、「ので」を遣うほうが客観的で丁寧な表現になりますから、今後、「なので」が多用されるのは自然な流れとなるでしょう。日本語の特質と合っていますから・・・

  これから、順接の接続詞はどうなるんでしょう。

  だから、それで、それゆえ、したがって、そこで、すると、ゆえに・・・

  なので ←も100年後ぐらいには加わっているんですかね。

 どうでしょう? 

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「から」と「ので」の違い

2007-03-30 10:56:09 | 日本語豆知識

「から」と「ので」は何が違うのでしょう?

 なんだか、日本語の授業みたいですまだ授業は始まっていませんが・・・

 「から」と「ので」の違いでまず挙げられるのは、後ろの文に命令形や禁止形が来るときは、「から」を使うことでしょう。

e「はずかしい(から○/ので×)人の前で泣くな」

 やっぱり、「から」はニュアンスがきついんですね。次の文を比べるとよくわかります。

f「気分が悪い(から/ので)、休みます」

 「から」を使うと理由を強く言っている感じがします。だから、柔らかく丁寧な感じを出すために、「ので」を使うほうがいいのです。自分のことでも、客観的に伝えることができるんですね。日本語はそのような表現を好みます。

g「気分が悪いので、休ませていただきたいんですが・・・」

 留学生の皆さん、学校を休むときは、このように言いましょう^^

 つまり、日本語では客観的に伝えることによって、丁寧で柔らかい表現になるのです。主観的な表現は好まないんですね。

 だからといって、接続詞のように「なので」を使うのはどうかと思うんですけど・・・。この変化も日本語の特徴に沿った自然な流れなのかもしれませんが・・・。

 最近、このようなことを考えていたら、「ですので」「なのに」という表現も接続詞のようによく使われていることに気付きました。続きはまた・・・

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「それで」「だから」の違い(&「そこで」)

2007-03-29 11:42:00 | 日本語豆知識

「なので」は接続詞じゃない・・・

・・・「それで」と「だから」の違いは何でしょう?・・・ 

 接続詞の違いは微妙なものも多く、何をポイントにするか悩みます。「それで」と「だから」もその一つです。この二つはともに前に言ったことの結果、後のことが起こるという共通の意味を持ちます。従って次の文のような場合、どちらでも使えます。

a「彼女は美人でやさしい。(だから○/それで○)男性に人気がある。

 しかし、、次の文ではどうでしょう。

b「時間がありません。(     )急ぎましょう。」

 「それで」は、後ろに「~しましょう」とか、「~なさい」とか「~てはいけません」とか、相手に働きかける文は来ませんね。

c「ここは危ないです。(だから○/それで×)入ってはいけません。」

 つまり、「だから」のほうが使用範囲は広いわけです。しかし、「だから」は理由を伝える言葉としてはちょっとニュアンスが強いんです。理由を前に出しているような感じがしますから。日本人としては、強いニュアンスは避けたいですね。この続きはまた・・・

 

 ちなみに、「そこで」も順接の「接続詞」ですが、こちらはもっと使える範囲が狭いです。「そこで」は「~ことがあって、~ということになった」という場面で使いますから、後ろの文は普通、過去形(日本語教育では「タ形」と言います)が来ますね。

d「お金を忘れた。(だから○/それで○/そこで○)友だちに借りた。」

a「彼女は美人でやさしい。(だから○/それで○/そこで×)男性に人気がある。

b「時間がありません。(だから○/それで×/そこで×)急ぎましょう。」 

c「ここは危ないです。(だから○/それで×/そこで×)入ってはいけません。」

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「なので」は接続詞じゃない!!!

2007-03-27 12:34:32 | おかしな日本語

おかしな日本語「・・・。なので~・・・」

 何年か前から気になって気になってしかたがない言葉があります。「なので」ですが、これを接続詞のように遣っている人がとても多いと思うんです。前は割と中年女性に多いと思っていたのですが、最近では中年男性アナウンサーまで遣っていてびっくりです。

 「今日は日曜日です。なので人が多いです」

こういう類ですが、これは絶対に

 「今日は日曜日なので、人が多いです」

じゃないとだめでしょう。「ので」を遣って文を一つにするとき、「ので」の前は連体形がきます。だから、「です」を「だ」の連体形である「な」に活用させて一文にします。日本語学習者には難しいポイントの一つです。「です」の連体形である「です」を使って「日曜日ですので」にしてもいいのですが、一般的には「日曜日なので」の形を教えます。

 前置きが長くなりました。何が言いたいかと言うと・・・

 「なので」は「だ」を活用させた「な」をくっつけたものなので、「な」の前で切るのは変だと思うのです。活用させるということは、それで密接しているという感じを出したいからなので、それを切り離すなんて・・・

 おそらく、この「なので」は「だから」や「それで」の代わりに用いられているのでしょう。「だから」も、もとはといえば、助動詞「だ」に助詞「から」がついたものですが、「だ」は活用していません。だからまだ許せます。歴史的にも江戸時代ごろから見られる新しい用法なんです。「ので」は江戸時代にはまだあまり用いられていないようです。「ので」のほうが歴史が浅いんですね。

 『日本国語大辞典』第二版によりますと、このような文例がありました。

「無頼の青年であった。ので高木は母とともに・・・」(『それから』夏目漱石)

 おっと、漱石は「ので」を接続詞的に用いていたようです。なるほど。珍しい例ですね。今では遣われていませんが・・・・でも「な」はくっつけていません。

 「だから」は江戸時代から用いられ、現代では接続詞として定着しました。では、前文の活用した形がくっついた「なので」も、あと何十年、何百年かしたら、「接続詞」として認定され、辞書に載るのでしょうか。はぁぁぁ。そうかも・・・。言葉は変わるものですから、しかたありませんが・・・。

 次回は、なぜ「なので」が接続詞的に遣われるのか、今の私の考えを述べたいと思います。

 今更ながらですが・・・。ベストセラー『問題な日本語』(2004)大修館書店で、「なので」に関する記述があるのに気付きました。ベストセラーになると、私はあまのじゃくのようなところがあって、その時はあまりじっくりと読まないので、ついつい・・・・。やはり、日本語に関する本は、すべて目を通さないとと反省しました。

 偉大な先生が書いたことと大筋が同じだったので、よかったような、すでに本になっている内容だったので、残念なような・・・

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「あなまた」ってどこ?「あなまたぐさり」って何?

2007-03-22 16:53:02 | 日本語に関する疑問

 1603年に日本イエズス会によって刊行された日本語-ポルトガル語の辞書、『日葡辞書』には面白い言葉がたくさん載っています。今から400年ほど前の日本の人々の生活ぶりや考え方なども垣間見れてとても面白いです。

 で、「あなまた」という言葉を見つけました。漢字で書くと「足股」、つまり、「足の指の間のくぼみ」のことです。その少し下に「あなまたぐさり」という言葉もありました。漢字で書くと「足股腐」、つまり、「足の指の間の皮がむけること」・・・・要するに「水虫」の類?ですかね。長崎や山口では方言として残っているようですが・・・・

 そうか・・・。ブーツや靴などがなかった時代にも、足の間の皮がむける病気があったんですね。白癬菌は強し!ですね。

 先日書いた「盆の窪」も『日葡辞書』に載っています。「あなまた」「盆の窪」など、ものすごくピンポイントですね。せっかく、このような言葉があるのですから、遣わない手はない。

 「ああ、あなまたがかゆい・・・」

 こんな感じでしょうか?^^

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「剽軽」って読めますか?

2007-03-21 15:17:51 | 日本語に関する疑問

「剽軽」って読めますか?

 先ほど某TV番組を見てますと、楠田枝里子が

 「とても剽軽な性格ですね」

か何かコメントしていました。「ひょうきん」と読むのですが、この言葉は最近あまり遣わないですね。昔はビートたけしや明石家さんま、山田邦子などが出演する「おれたちひょうきん族」という番組があって、「ひょうきん族」という言葉も流行っていたのですが、今の若い人たちは「ひょうきん」という言葉を遣うのでしょうか。あるいは知らない人も多いかも・・・?

 で、私はというと・・・。やはり遣わないですね。決して若くはないんですが・・・。楠田枝里子は遣っていましたが・・・。一体、何歳ぐらいの人が遣うのでしょう。

 言葉は、地域、職業、性別、年齢、階級、書き言葉、話し言葉などの違いで、使い分けをします。専門的にはこの違いを「位相」と言います。外国語として学ぶとき、この「位相」も知る必要があります。難しいところです。

 で、「ひょうきん」は一体どのように遣う言葉なのでしょう。

  あ、今日、先日載せた作文を書いたドイツの留学生からメールが来ました。自分の作文を見直す良い機会になったということでした。なるほど・・・。そういう見かたもあるのか・・・。これからも留学生の作文やスピーチなどを載せていきたいと思いました。

 

 

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「西宮」?「西ノ宮」?

2007-03-20 20:20:33 | 日本語に関する疑問

「西ノ宮」が「西宮」へ変わる!

 JR東海道線の「西ノ宮駅」が市名と同じにするために、開業130年にして「西宮駅」に変更されるそうです。このニュースを聞いてとても面白いと思いました。

 なぜなら・・・

 日本語ではその昔は、「の」はなくても通例は読んでいただろうからです。読み方というのは残っていない場合が多いので、どちらかわからない場合も多いのですが・・・

 例えば「平清盛」は「たいらきよもり」ではなく、「たいらのきよもり」と読みます。「土佐日記」の作者「紀貫之」を「きつらゆき」と読む人はいないでしょう。「きのつらゆき」です。「枕草子」を「まくらそうし」とは読まず、「まくらのそうし」と読むでしょう。では、「源氏物語」はどうでしょう。今は「げんじものがたり」と通例言いますが、当時の人は「げんじのものがたり」と読んでいたと思われます。「御成敗式目」も今は「ごせいばいしきもく」と習いますが、当時の人たちにとっては「ごせいばいのしきもく」のほうが普通だったかもしれません。

 何が言いたいかというと・・・。現代、私たちは『公用文の書き表し方の基準』なるものが国の政策として決められていますので、正式には「の」を入れて読ませたいのなら、「の」を書くほうが自然なのです。

 しかし、今回は「にしのみや」と読むにもかかわらず、「西ノ宮」から「西宮」に変更したのです。つまり、時代がさかのぼってしまったわけですね。まあ、「西宮」にしても「にしみや」とか「さいぐう」とか読む人はいないと思いますが、日本語を習っている外国人にとっては、難しいですね。ま、固有名詞ということで一つ一つ覚えてください。

 そういえば、韓国で日本語を教えているとき、この表記されていない「の」は入れないといけないのか、テストで「の」を忘れると間違いになるのかと質問されました。「の」があるほうが普通とごまかしてしまいましたが、世の先生方は採点されるとき、どうされているのでしょう。何か基準があるのでしょうか・・・。日本語の難しいところですね。

 

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ドイツ人留学生の嘆き

2007-03-18 17:17:26 | インポート

ドイツ人のイメージって・・・

 先日の話の続きですが・・・。近所のスーパーに入ろうとしたら、帰国して1年以上経つはずの彼が、そこで普通に買い物をして自転車に荷物を入れているのです。私はびっくりしました。なんでだ?と自分の感覚がおかしくなってるのかと思いましたが、彼は貴重な春休みにまた日本に遊びに来ていたのです。本当に日本が好きなんだなあとうれしく思いました。

 彼はドイツ人留学生なのですが、いわゆるステレオタイプのドイツ人のイメージとは全然違います。ジョークにもよく使われますが、何よりも規則が大事だとか、まじめだとか、融通が利かないとか、そんなことは全くありません。

 で、アメリカ人留学生とドイツ人留学生が二人で漫才のように話していたのですが、二人が言うには、例えばフランス語で

 「この野郎、おらぁ、川につき落とすぞ」

と言っても、とてもきれいな美しい響きとして聞こえるのに、ドイツ語では、どんなにいい内容のことを言っても(なんて言ってたか忘れた・・)、けんかを売っているようにしか聞こえないんだそうです。だからかはわかりませんが、ドイツ語を勉強したいという学生がいなくてとっても寂しいそうです。

 確かに・・・。昔、フランス人の友だちに「この野郎」とかなんとか、いわゆる罵語をいろいろ教えてもらいましたが、響きはきれいだったなあ・・・私がまねをしたら、彼女は顔をしかめてたけど・・・

  

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言葉の教え方・・・アメリカ人留学生流・・・

2007-03-16 15:04:21 | インポート

似た(?)言葉、「そうしき」と「そうじき」でコントを作る!

 先日、帰国した留学生がまた日本に戻ってきているというので会うことになりました。長年、先生という仕事をしていますが、卒業したり、帰国した学生がまた会いに来てくれるというのは、本当にうれしいことです。先生冥利に尽きるといったところでしょうか。

 アメリカ人留学生は、英語を教えに、そしてドイツ人留学生は休みを利用して一ヶ月ほど遊びに来ているということでした。二人とも、大学で授業を受けていたときよりはるかに上手になっていました。日本を離れてもなお、勉強を続けている二人はとても素晴らしいと思いました。上手なのは本人の努力の賜物だと改めて思いました。

 アメリカ人留学生は、帰国後、なんとか州大学の付属機関で日本語を教えていたそうです。彼は日本語教師もできるのです。そこで、彼が工夫した教授法について教えてくれました。なんと、「掃除機」と「葬式」の発音が似ていて、覚えにくいので、これをコントにして、学生に教えるというのです。

 彼が作ったのとは少し違うかもしれませんが・・・

 A「ちょっと、部屋が汚れているじゃない。ちゃんときれいにしてよ」

 B「わかったよ。うるさいな。『掃除機』を出すから、あっちに行ってよ。あれ?なかなか出て来ないな。えいっ」

 ゴン!

 B「あっ。ぶつかっちゃった・・・。あ、死んでる・・。『葬式』を出さないといけないな・・・」

 と、まあ、こんな感じでショートストーリーを作って、学生に教えたそうです。実は「掃除機」と「葬式」はアクセントが違うんですが、言葉を覚えるほうが大事ですから・・・。このようなコントは日本的な発想からは絶対に出て来ません。言葉を教えるのにもいろいろなアプローチの仕方があるんだと気づかされました。

 現在、福知山で英語を教えているそうですが、彼ならいい先生になるでしょう。がんばってください。ドイツ人留学生の紹介はまたいずれ・・・。

豆知識

漢語の複合語のアクセントについて

前の語が漢字2字以上、または3拍以上<掃除、大阪、新聞など>+後ろの漢語が1拍の語<医、期、器、機、部、市、社など>の場合

普通、前の語の最後の拍まで高いです。

掃除機→ソージキ(ソ低、ージの部分は高、キは低)

大阪市→オーサカシ(オ低、ーサカ高、シ低)

 

 

 

 

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人中ってどこ?

2007-03-15 15:25:34 | 日本語に関する疑問

人中って何でしょうか?

 私は、辞書の語彙を調べて、日本語の音の特徴を明らかにしようと、日々、地道な研究活動を続けています。すると、本来の目的とは別に、面白い言葉を見つけて、なるほどと思うことがよくあります。

 先日、某クイズ番組を見ていたら、「鼻と上唇にある溝をなんというでしょう?」という問題が出されたのです。これは、私の得意分野です。はりきって

「鼻溝!(はなみぞ)」

 と答えたら、なんと正解は「人中」・・・。私が辞書で見つけて、なるほどと思って覚えていたのは「鼻溝」だったのです。でも、正解は「人中」。辞書で調べると両方、同じものを指すということがわかりました。

  言葉というのは不思議で、「存在するのだから、言葉がある」、あるいは「言葉があるから、存在する」ものなのです。存在するのだから、言葉はあるはずですし、言葉を意識したら、その存在も認識することができます。

  ということで、「盆の窪」という言葉があるのですが、どこにあるかわかりますか?

 「最近、盆の窪が痛いんだよね~」

  遣うとしたら、そんな感じでしょうか。正解は、「首の後ろのくぼんだところ」です。しかし、「鼻溝」はどうやって遣えばいいんでしょうね。

 「鼻溝に、にきびができちゃって・・・」←えらいピンポイントですな・・・あまり遣う場面がなさそうです。

  皆さん、何かこういった言葉をご存知ですか?

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