西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

樹木(8)柿

2005-07-25 | 生活描写と読書・観劇等の文化
「つなね」の私の家の個木が柿である。奈良らしい木と思ったからだ。奈良は柿の葉寿司の本場で、実際に柿の生産も日本一二とのことだ。それに俳人・正岡子規の「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」という名句の里でもある。ところで、私の子供時代、金沢・櫻畠には元足軽屋敷が多かったせいか、実のなる木が多く、柿もあった。私の家にはなかったがOKさんの家の前にあった。ここで、私は木登りして落ちた経験がある。これで柿の木の枝は折れやすいという認識が身に滲みたと思う。
郷土の詩人・室生犀星は自伝的小説『幼年時代』を書いているが、その中に子供達が柿狩りする「ガリマ隊」というのが出てくる。私達の子供の頃、そいう呼び名は聞いたことはないが、やっていることはやっていたので理解出来た。つまり「ガリマ隊」は、家から道路にはみだした柿の実を竿を使ってとるのである。竿の先を二つに割って固定し、そこに柿の枝を入れて捻ってとるのである。そのことは、大目に見られていた。何故なら家からはみでた柿は落ちれば道路を汚すので、それなら子供達にとって貰おうという訳だった。ああいうことは、今では恐らくやっていないだろうな、と思っている。

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