今、名工大(名古屋工業大学)のキャンパスがどうなっているのか知らない。当時(1966年)頃は、正門から入って左手に鉄筋コンクリートの4,5階建てがあり(いまの24号館辺りか)、その2階に服部研究室があったと思う。教官室と、ゼミ室(院生研究室)が隣り合わせでセットになっていた。正門から入って右手に生協食堂の棟等があったと思うが(今はなさそうだ)、昼食時になると、服部先生は、生協食堂に行くと思いきや、桜井大吾助手に頼んで桜井さんの自動車で栄あたりに繰り出すことも多かった。付き合わされた院生としては、出費がかさんだかもしれない。しかし、このことに対して「服部理論」を言っておられた。生協食堂は、確かに安くて良いが、質が今一つ、揚げ物も早めに揚げているので食べる頃には冷えていて不味い、商品はなによりも使用価値が大切だ、と。使用価値というと、マルクスの『資本論』第一章商品の項の価値、交換価値、使用価値の分析が思い浮かぶ。服部先生は、そのことも踏まえ、価値の本質も重要だが、使用価値をどう判定し高めていくかも大問題、と言っておられた。今もその通りではなかろうか。(と言って服部先生は、美味いものを食べる理屈付けにしておられた。)
後注:名工大生協食堂の名誉のために言うと、その後、服部先生の発言が効いたか、直ぐに温かい揚げ物が出るようになった。
後注:名工大生協食堂の名誉のために言うと、その後、服部先生の発言が効いたか、直ぐに温かい揚げ物が出るようになった。
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