西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

東京を全国に分散せよ(帰宅困難者の問題テレビより)

2011-10-10 | 地域居住学
昨日、夜9時からのNHKTVで、スペシアル番組で「帰宅困難1400万人の警告」をやっていて、音声だけ聞いていた。妻は、熱心に見ていたようだ。3.11の時の東京のパニックを検証し、実際に「直下型地震」が起こったらどうなるか、の問題である。

ちらっと見て、関沢 愛君(現・東京理科大教授、東大教授より転身、京大建築学科卒、後輩)が、首都圏直下型地震(マグニチュウド7クラス)が東京を襲うと大火災が起こる可能性がある、とインタビューに答えているのが写っていた。「大分、年取った感じじゃないか」と言ってしまった。昔、都立大にいた中林一樹さんも「危険性」をコメントしていた。

とにかく、政府や東京都は、「大地震の際には、(まあ何時、どんな時に起こるか分からないが)もし平日の昼間に起こったら、急いで帰宅行動に移らず、職場に暫時留まって様子を見て欲しい」と言っている。

まあ外では、群集で大混雑の上に、高層ビルから割れたガラス破片が降り注ぐかもしれないし、階段などで「将棋倒し」になるかもしれず、大火災に巻き込まれるかもしれないからである。

まあ、職場への徹底で、水や食料、毛布などの備蓄があれば、現場に何日か留まるかもしれないが、そのビル自体が危険に陥ることもある。自宅の方でも「絶対安全」とは言いがたい。

沿岸部の石油備蓄基地も炎上し東京湾も使い物にならない、シュミレーションもやっていた。場合によって津波が襲うこともありうる。

近い将来、こんなことが起こるなら官庁や会社は、東京を離れて、より安全と思われる所に避難、疎開すべきであろう。

「東京は攻められている」と前に書いたが、その根拠傍証が次々に出てきているのだ。

ここまで、昨日(10月10日)書いたのだが、11日になってTTPと円高と経団連などの「法人税下げろ、そうしないと海外に行くぜ」要求を兼ね合わせて考えると、一つの構図が見えてくると思う。

つまり、大資本は、法人税減税で金を貯え、TTPでアメリカに出やすくし(同時にアメリカ商品が日本に入りやすくし)、円高で本当に出やすくしている、のだ。それは雇用が喉から手が出るほど欲しいアメリカの要求にもピタリ応えることになっている。東京の大企業は、ひっそりと或いは堂々とアメリカの「安全地帯」に移ることになるかも・・・。

3か月ほど前の7月11日のブログ:
じり、じりっ、と東京が「攻められている」?!
2011-07-11 | 地域居住学

今井町の町家芸術展示よりー大空写真ー

2011-10-10 | 生活・空間・芸術と俳句・川柳・短歌・詩
ちょっと現物を示されないので申し訳ないが、一昨日、奈良県橿原市今井町に行って、公開町家に展示してあるアート作品を見て回って感銘を受けた写真について話したい。

その中で、ある町家で、町(都市)の写真を3枚飾ってあった壁に注目した。

一番左は、町の周辺の山の緑、次が緑の丘陵だが右端にちらっと宅地開発された姿(住宅群)が写っている。そして、右端の写真は、高層ビルの上の方だけが「大きな青空」のなかに写っているものだ。

一枚目、二枚目も大空をバックにしている。一緒に行った一人F.さんも「大空がいいですね」と言われたが、私が瞬間的に思ったことと一緒だった。

まあ、この写真セットは、色々ととりようがあろうが、左から右へ「町の推移」を示しているとも言え、最後は高層ビル群ばかりとなり、「大空を仰ぐことしか大自然を感じられない」という撮影者の「嘆き」を表しているとも感じられる。

町を歩きながら風景、景観を眺めるのは、好きなことの一つだが、町中自然は、ずたずたとなって、「大空」くらいしか自然を感じるものはなくなってきているとも言える。

私と同世代で「御巣鷹山」で亡くなった坂本 九さんが歌っていた「上を向いて歩こう」では、ぶつかるので、時々立ち止まって深呼吸をして「大空」を眺めたい。真上とは言わず、上方を見る視角を「新鮮」と感じる最近である。