西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

住居学概論ノート(1)住居とは?住居学とは?

2011-10-03 | 地域居住学
(1)住居とは?住居学とは?

「住居学」は、「住居とは何か?」にはじまり、「そうか、それが住居なんだ」に終わると言える。

住宅と住居・・・住宅は、ハード(建築としての住宅、物理的構築物)、一方、住居は、ハード(住宅)とソフト(住生活)の統一、結合。

・住むと言うのは、住生活とほぼ同じだが、別に「棲む(動物が棲む、動物と棲む)」、「澄む(心が澄む)」、「済む(人生の最後を過ごす)」ということも大事である。

・住居は、空間的に言って住宅にとどまらず、近隣、近隣住区(小学校区)、市町村、都道府県、地方、国土・・・、と広がってとらえるべきである。住民の空間は、年齢等の条件により、そのように広がっているからである。それらの空間に対応する生活は、近隣や近隣住区に対しては地域居住、それより上位では都市・農村居住、国土居住・・・となるだろう。

・住民の一生(年齢)に即して生活空間の拡大過程と共に、縮小過程も存在する。赤ん坊から子供時代、成人し、社会人となり、結婚し、社会的に活躍するにつれて生活空間は拡大するが、高齢になり定年退職し、職場人間から地域人間になるにつれて生活空間は縮小傾向となる。(なるべく元気にPPK[ピンピンコロリ]が良いという人も多いが・・・)

・住居に始まる上記生活空間に対する学は、住居学(広義)としても良いが、別に生活空間学と称しても良いであろう。

・以上のような主に空間軸にそった住居学、生活空間学も構想できるが、一方、主に時間軸(歴史軸)にそった住居学、生活空間学も構想できるだろう。
それには時間の長短で、三つくらいに分けて考えても良い。

)いわゆる歴史学の伝統にそって(住居史学、生活空間史学・・・温故知新)
)自分史にそくして・・・「思い出し・思い入れ住居論」
)住居が生まれ継続し廃棄される過程にそくして・・・(住居企画、住居計画、住居建設、住居管理・リフォーム、住居廃棄・リサイクル論)


○課題・・・生活空間と空間生活、生活空間と生活環境、(白地に描くのではなく)(ある意味でどうにもならない)住居の具体場(住所)からの発想へ、住居と権力・財力・知力(企画・計画力)