西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

マイケル・ムーア監督・出演「キャピタリズム」を見る

2010-02-23 | 生活描写と読書・観劇等の文化
昨日、近所の「シネマ・コンプレックス」に行ってマイケル・ムーア監督・出演『キャピタリズム』を見た。私は「シルバー料金」で何時行っても千円ぽっきりだ。

この映画では、昨今の金融崩壊前からとその後のブッシュ時代、更にはオバマ登場まで、アメリカの「資本主義(キャピタリズム)」の奇怪さを既存フィイルムを使い、監督自身も出演して描いている。少し遡ってフランクリン・ルーズベルトの「権利章典」演説も心に残った。

だが「エンタテイメント映画」という触れ込みの割には「深刻さ」ばかりが浮き彫りになっている。

心に残ったポイントいくつか:
 最後にカントリー調の「インターナショナル」が歌われていたのにびっくり、
この映画で認識を新たにしたのは、
(1)サブプライム・ローン問題(住宅追い出し問題)、
(2)アメリカの航空会社のパイロットの給料が案外安く年収1~2万ドルと聞いてびっくり、アルバイトをしないとまともな生活が出来ない。事実、航空事故も起こった。(アメリカの航空機に乗りたくない!とつい思ってしまう。)
(3)アメリカの会社は自社の労働者に勝手に生命保険かけている、労働者が死ぬと会社が保険金を「丸儲け」だ。社員の死すら儲けのネタにしている、ハゲタカ資本主義だ。
(4)金融崩壊が避けられなくなって、当の大手金融業者は政府に700億ドルを出させる法案を出す、民主党下院が莫大な税金を使うことに反対して一旦否決、金融業界「大物」が乗り出して民主党下院議員を切り崩して「成立」に持ち込む。
(5)これに反対のオバマ大統領の当選、一旦追い出された住民が住宅に(実力で)戻る。
(6)大統領選挙過程で世論調査で「資本主義」とほぼ肩を並べて「社会主義」(20%位か)が支持されるのは「驚き」だ、かってアメリカでこういうことがなかったのではないか。
(7)過去の大統領では第二次世界大戦終了間際のフランクリン・ルーズベルト大統領の「権利章典」が重要、当時ルーズベルトのラジオ・テレビ演説で明らかにされた、「第二憲法」の位置づけだった。1年後にルーズベルトが亡くなり、「権利章典」は成立しなかった。

ルーズベルトがあげた国民の享受すべき権利は次の通り;
○社会に貢献し、正当な報酬を得られる仕事を持つ権利 
○充分な食事、衣料、休暇を得る権利 
○農家が農業で適正に暮らせる権利 
○大手、中小を問わず、ビジネスにおいて不公平な競争や独占の妨害を受けない権利 
○すべての世帯が適正な家を持てる権利 
○適正な医療を受け、健康に暮らせる権利 
○老齢、病気、事故、失業による経済的な危機から守られる権利 
○良い教育を受ける権利

その精神は、敗戦国のイタリア、ドイツ、日本の新憲法に入っているようだ。「そうなのか」と思った。そしてアメリカ国民は今でも確実に確保していない、と言っていた。良く調べてみよう。