西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

VANSで伴 年晶さんの話聞く

2010-02-19 | 住まい・建築と庭
昨日、大阪の建築設計事務所VANSで、建築家・伴 年晶さんの話を聞いた。伴さんは1945年生まれ、山口県生まれ、岡山県育ち、阪大構築工学科(建築コース)出身、私が「書庫」を「しょこっ」と持っているコーポラティブ住宅地の全体計画を担当された。建築(特に住宅)設計を理論的に考えて続けておられる。

この「話」は、毎週木曜日の夕方にVANSでやられている「勉強会」でのもので、外部からも何人か招かれていた。私と同じ住宅地で設計事務所を経営の阿久津さんも来ておられた。伴さんからは一昨日に急に電話があったものだが、「建築設計や建築の形の話」は最近の強い関心領域の一つなので、急遽だが行くことにした。

過去の伴さん関連ブログ:http://blog.goo.ne.jp/in0626/e/5f0b6d2147512e2f5d9f3343351b24ea

演題は、「出来ちゃった建築」(Happening Architecture)というものだが、どうも「出来ちゃった婚」とか日本語の「ハップニング」の語意から、もうちょっと別の言い方がないのかな、と何人かが発言した。(私もその一人)

缶ビールを飲み、つまみをつまみながらの聴講と議論、京都での「くるこば会(来る者は拒まず会)」を思い出した。http://blog.goo.ne.jp/in0626/s/%A4%AF%A4%EB%A4%B3%A4%D0

さて、伴さんの思いは、住み手の要求をとことん聞きだして、それをベースに設計すれば、その過程で建築の内容や形は自ずと出来てくる、ということだ。建築家が予め持っている設計のイメージを「押し付ける」のは最悪だし(三流建築家)、逆に住み手要求べったりも拙い(二流建築家)、住み手と建築家が自在に呼応しあって思いもかけない設計(デザイン)を生み出すのが「一流」で、それを目指しているのだ、と言う。

だから、「伴流の形」の定番というものはない、とのことだが、色々な過去事例を見せていただくと、窓からの風景を重視、窓を大きく、腰を低く・・・、出入りの玄関を単なる出入り口にせず・・・、中層・低層を重視、木造・木質材料の重視・・・、などが浮かび上がってくる。このほか、国民生活自体のありかた目標として、皆が衣食住等でそこそこ満足した上で余裕の行動、それを可能にする時間や空間を持つこと(新しい物は、もう「良い」のではないか・・・)と言う。

別れ際に、その内、私にも何か喋ってね、と言われた。さて、なにを喋るかな。

帰りは、阿久津さんと同じ方向なので近鉄で駄弁りつつ帰った。ひとつ、考えるべき論点も浮かんできた。大阪に出たのは久し振りだった。