西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

奈良女子大学の学位(博士)論文中間発表会に行く

2007-06-20 | 奈良・精華町の思い出(教授時代)関連続き
昨日、夕方から奈良女子大学の学位(博士)論文中間発表会に行った。私は、もう奈良女を2年一寸前に定年で離れているので学位論文審査の主査にはなれないが、副査の一人にはなれるため、ある院生の論文審査の副査を依頼された。で、昔の院生達の学位論文の中間発表会に招かれて行ったのだ。5人の発表があり、興味深く聞いた。以下、それらに対する私の印象である。
(1)吉田美穂子さん(宮城俊作教授主査)「空間設計における「美」を表現するためのデジタルデザインの研究」・・黄金比、螺旋等に美を見出す研究。増井正哉教授も発言していたが、黄金比に美を見出すのは古くから研究されているのだから、そういう既存研究と何処がどう違うのか。私は、螺旋もいいが、単純な○□△と美の関係は?と聞いてみた。(2)澤田知香さん(増井正哉教授主査)「クメール建築における木工事の復原的研究ー宗教建築物を中心として」・・クメールの例えばアンコールワット遺跡には木造の痕跡があるとは普通思わないが、良く調べると、材木を使った痕跡が残っている。それらを手がかりに木工事を復原してみようとの試みで面白い、と思った。しかし、彼女は中々その核心に入らずクメールの政治体制の話などをして、いらいらした。この研究は、今年の3月に退職した上野邦一さんが元々主査だった。今井範子教授は、建築学研究科の論文でないので、ソフトな生活、文化にも触れたら・・、と示唆していた。(3)奥山純子さん(中山徹准教授主査)「高齢者の地域居住を保障する日常生活圏の在り方に関する研究」・・主に自治体調査を丹念にしている。それはそれで良いのだが、今後の課題として地域住民に直接調査して欲しい、と言っておいた。(4)小松 牧さん(中山徹准教授主査)「地域の外国人旅行者受入体制整備と通訳案内事業に関する研究」・・受入体制整備は必要で調査の意味もあるが、その中で通訳案内事業を中心に据えるのは良く分からない。海外旅行の究極は「郷に入れば郷に従え」でその国の言葉でコミュニケーションすることでは・・、と言ってみた。(5)澤田洋子さん(中山徹准教授主査)「大正時代の市区改正と須磨町西代耕地整理の考証ー神戸市街地の拡大に伴う田園小都市の地域づくりについての研究ー」・・丁度、耕地整理から区画整理に移る頃の事例分析、資料が大量にあったために可能となった研究。これも地方自治のことにむやみと触れずに耕地整理の特徴分析に徹するべし、と中山徹准教授も指摘していた。井上教授、瀬渡教授も来ていた。私は久し振りにon the spotで頭を使って楽しかった。院生の皆さん、来年2月頃まで頑張ってくださいね。

東京・渋谷で温泉「爆発」

2007-06-20 | 時論、雑感
今朝の新聞を見ると、渋谷で女性専用の温泉が「爆発」して3人が亡くなり、怪我人も出ている。地下千五百メートルからの温泉らしい。東京では、それ位掘ると大抵温泉が湧くと言う。しかし、お湯と共にガスも上がってきている。それを排出したり感知したりのシステムが上手く作動しなかったようだ。これも「危険性シミュレーション」の不足ではないか。次から次と新手の事故が起こっている。