ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2010.11.29 努力することができる能力

2010-11-29 20:39:11 | 日記
 この週末は木曜日から始まる定期試験前の最後の週末だったのでさすがにしっかり試験準備をやる、のだろうと思っていた息子のこと。
 本来は学校の予習復習をきちんとこなしてくれさえすれば塾に行く必要は全くないと思うのだが、それがどうにも出来ない。放置しておくと家庭学習は殆どゼロに近い。それではせめてどのように家庭学習をしていけばいいのかその方法を教えてもらうために・・・、ということで月曜日に英語、水曜日に数学の個別指導塾に通っている。
 宿題を出してもらっても(宿題が出ないと何もしないので)必ず前日にまとめてやっつけでやるため(もしくは無視してやっていかない)、担当講師と相談して、1日ごとに概ね30分程度で終わる量、と目安をつけて出してもらうようにお願いしている。ご丁寧にも毎日では大変だから、と4日分。

 しかし、結局のところ、それが全く守れず、一緒に答えをもらってくると、ただ答えを写して行く状態が判明した、という情けない事実は前にもこのブログで書いたとおり。そのため解答は本人には持たせず、家にファックスで送付してもらうようになってから早くも3カ月ほど経っただろうか。
 昨日は朝から「明日の塾の宿題はどうしたの、マルつけをして直しもしなければいけないのだから、早く出すように。」と何度も催促していたのだが、「今やっている、あとちょっとだから後でまとめて出す。」の一点張り。
 結局ようやく出してきたのは私が痺れを切らして入浴しようとしていた夜11時近く。ぱっと見ただけでボロボロの出来。時制も話法も疑問文の主語動詞の順序もめちゃくちゃで、字もぐちゃぐちゃに乱れているしスペルも適当。急いで今やっつけでやった、ということが見え見えのものだった。挙句の果ては該当部分が全部やりきれていなくて無視して飛ばしているところもある。馬鹿らしくなって後はどうするつもりか知らないけれど先に寝てしまった。(といっても実は情けなくてなかなか寝付けなかったのだけれど・・・)

 今朝、リビングのテーブルに私が寝室に行ったあと1枚やったものが置いてあった。チェックしたのだけれど、あいかわらずの出来。朝起きていきなり文句をいう、などという不愉快なことはしたくないのはやまやまではあるが、「どうしていつもいつも同じことを繰り返すのか。」と問いかける。それでも何の答も返ってこない。普段はうるさいほど喋りまくるのに、ことこういう状況になると得意のだんまり戦術だ。あれだけ週末に泣きながら「どんなに努力しても報われないから不安でしかたない。」と言ってからわずか2日も経っていないというのに・・・。
 「行ってきます。」も言わずにむすっと家を出て行った。

 夫からは「努力できるかどうかもその子の能力なのだから、もう望んでも仕方ないじゃないか。」と言われてしまった。「あなたのいけないところは自分が出来ることを他人(ひと)も出来るのが当然と思って、出来ない人(息子)に要求することだ。」と。確かにそうなのかなあ・・・、と反省する。
 私だって別に勉強が好きだったわけではないけれど、やらなければいけないことはたとえ嫌でもやるのが当然だと思っていた。無視したって事態が好転することはありえないのだから。そしてやればやっただけの結果が返ってきたことも実感できていたから。

 息子は自分としては努力している、ということなのだが、その方向が全く間違っているのだろう、と思う。
 夫と2人で何度もそのやり方ではだめだ、と言っても聞かない。やってもやっても結果が返ってこない、だからやる気が失せる、という悪循環なのだろう。これではだめだ、と思ったときに思い切って方向転換する、自分のやり方を修正する、ということが出来ない。これも彼に欠けている能力なのだろう。

 当然といえば当然ながら、中学受験をしたときには、塾は私立の中高一貫校が公立中学に比べていかに素晴らしいか、という利点しか強調しなかった。が、当然光と影はある。高校受験が初めての受験ということであれば、全滅すれば本当に行き場がない、中学浪人になってしまう、という恐ろしさがある。行き場がなくなったら、という不安は大変なものだけれど、とにかく高校に行くためには受験勉強をやるしかないわけだ。が、中高一貫生はレッドカードを渡されない限りそのまま進学ができるから、と何の危機感もない。
 息子は中2から今の今まですっかり中ダルミしているが、今の実力は冷静に見て、中学から持ち上がって通うことになるであろう高校に、外部受験ではとても合格できないレベルだ。中学受験と高校受験の偏差値を比べても、その母体が違うからあまり意味はないかもしれないけれど、3年前と今の差が20といえば、学力がダウンした深刻さが少しは通じるだろうか。
 では小学校の半分の時間、あれほどの大変な思いをしてまで中学受験させたのは失敗だったのか。けれど、これほど提出物もきちんと出せないし、日々の予習復習もせずに定期試験の準備もいい加減・・・となれば、仮に公立中学に進んでいたとしても内申点が必須の都立高校への進学はとてもじゃないけれど難しいだろう。そう考えれば、とりあえず中高一貫校に突っ込んでおいて良かった、と納得するしかないのだけれど・・・。

 もちろん中高一貫に入れてしまえばあとは薔薇色の人生だけが待っている、とまで甘く考えていたわけではなかったけれど、こんなはずじゃなかった・・・、と思うことが多く、なんともやるせない。入試まであと70日強である。

 それにしても、定期試験までじっと見守っていきたい、とわずか2日前にこのブログに書いた自分がもうこんなに苛立っている。我ながら情けないことだ。

 昨日のインフルエンザ接種の後はいつものように赤く腫れているけれど、それ以外は全く元気。ようやく風邪も抜けてきており、食欲も戻った。
 朝日に照らされたドウダンツツジの赤が帰宅するときはライトアップされて眩しく美しい。そしてナンテンハギは赤く色づいている葉とまだ緑の葉と小さな白い実と、まるで一人三役のクリスマスツリーのようだ。
 そろそろ紅葉も見納めだ。

 そんなことを考えながら帰宅すると、リビングのテーブルに計算用紙の裏紙に書いたA4の手紙があった。塾に行く前に書いていったものだろう。
 朝の一件のことを書きます、とびっしり。あなた(私のこと)は偽善者で、勉強しか頭にない、人の気持ちがわからない、うざい、誰も信じられないと延々と書いてある。後半は夫に対する文句が連なっている。そして最後には人(息子自身)が泣きながら書いた手紙をあなたたちは捨てるのでしょうね、と。

 どうしたらいいものか、読み終わった途端、家事をする元気もなくなり、頭を抱えている。


コメント
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