ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2010.11.18 「お帰りなさい」

2010-11-18 21:27:31 | 日記
 「お帰りなさい」。職場復帰したときにかけてもらった言葉の中で、一番嬉しく心に染みた言葉である。ちょっと照れ臭そうに言ってくださった男性係長たちのお顔は今もはっきり覚えている。

 そう、この6年弱で初発乳がん治療による70日余りの病気休暇、その2年後には卵巣のう腫・子宮筋腫の手術で40日の病気休暇、さらにその1年半後、再発治療タキソテール投与で半年の病気休職・・・と3回も出たり入ったりした。こう書いてみると、実に迷惑な職員であることに改めて下を向かざるを得ないが・・・。
 最初はちょうど4月の異動の時期を跨いだので、ポストも組織も変わっていた。同じ階ではあったけれどズズズーっと端から端まで席がずれた。2回目は現職復帰、3回目は5月の年度途中の復帰だったけれど、またポストが変わり、またちょっと横に席がずれた。そんなわけで、「お帰りなさい」と言ってくださった人はその都度違うのだけれど・・・。

 この後、ナベルビンがうまく奏功してくれれば長期に休暇を取る、ということは当分なさそうだ。それでもいつかまた長く入院治療に入らざるを得なくなる時が来るかもしれない。その時もまだ「お帰りなさい」と迎えてくれる職場があるかどうか。ふと考えれば不安ではあるけれど、今はそんなことは考えず、治療をきちんと続けることだ、と思う。

 我が家では普段、一番最初に帰宅するのが私なので、「お帰りなさい」はもっぱら言われるより言う立場である。最近では、息子は無言で鍵を開けて「ただいま」も言わずに入ってくる。「お帰り」と言ってから息子に「ところで、ただいまは?」と言う始末。それゆえ「ただいま~」と帰ってくるのは夫のみだ。
 前は玄関がカチャリと言うと「お帰り~、どっちかな~?」と聞いていたけれど、最近では実に分かり易い。黙ってドアを開けて自分の部屋にバタンと入るのが息子、声がしてリビングに入ってくるのは夫、だ。白血球が低い私のために、せめて手洗いうがいはきちんとしてから入って欲しい。

 さて、今朝、あけぼの会事務局Tさんの治療日記が更新されていた。無事術後1ケ月検診が終わったとのこと。お姉様から頂いた杖をついてタクシーや電車を乗り継ぎ、術後初めてのお一人での通院。昨日は天気も悪く、寒かったのでさぞお疲れだったことだろう。が、その足で会の事務局にいらした、というので驚いた。本当にパワフルな方だ。そして「ただいま」とご挨拶された模様。
 本当に良かったな・・・、と思う。くれぐれも無理はなさってほしくないけれど、会長さんをはじめ事務局の方たちがどれだけ首を長くして待っていたか想像に余りある。

 そんなこともあり、自分の家以外にも「お帰りなさい」と待ってくれている人と場所がある、自分を必要としてくれる人がいて場所があるということを本当に有難く思う。

 さて、昨日の投与後、昨夜はわりとすんなりと眠れたが、今朝は早朝から目覚めてしまい、ベッドにはいたけれど、その後眠れず。やっぱりステロイド効果でかなり高揚した気分で元気。あいかわらず顔の火照りと熱っぽい感じはあるが、便秘もない。明日の後半以降も体調をうまくコントロールしていきたい。

 今日は午後のテレビ会議中、突然ブチッと画面が落ち、電気が消えた。広範囲に渡る停電だったようだ。結局そのまま会議は散会となり、復旧まで30分ほどかかった。システムに異常がないということを確認して会議室を後にしたが、事務室に戻ってもメールもネットもつながらず、仕事にならなかった。

 息子は殆ど影響なく私より先に帰っていたが、都心ではずいぶんダイヤの乱れが残っていたようで、夫は普段より30分ほど帰宅が遅かった。「お帰りなさい、お疲れ様。」

コメント
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