東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

歌舞伎座6月興行

2019-06-20 21:27:32 | 日々

 先週末まで入院していたので、まだ尾を引いている感もあり、食事の準備や洗濯などの家事で手一杯という感じで、先の東博での救王護国寺の特別展も観に行けず、今月の歌舞伎座の昼も無理だろう、、と

思っていたのですが、知人から招待券をいただき、本日昼の部へ出かけてきました。ただ、家から出るには家人の食事や水分補給を準備してからでないと出かけられないので、昼の部の最初からは無理で、せめて吉右衛門丈の「石切梶原」と仁左衛門丈の「封印切」だけは見逃したくないという思いで12時過ぎに家を出ました。あまり足に負担をかけたくないので、東京駅からタクシーで歌舞伎座まで、と思ったのが甘かった。八重洲のタクシー乗り場には直線にしたら100m以上にもなりそうな行列。諦めて京橋方面まで歩いてタクシーを拾いましたが、かなりの時間のロスで、歌舞伎座の座席に着いたのは「石切梶原」が既に開演している時間になってしまいました。ちょうど「刀の目利き」の件が済んで、これから「二つ胴の試し切」にかかる辺りでした。

 それでも今日最高の梶原を目にできただけでも幸い。こうした狂言、理屈で考えると馬鹿馬鹿しいですが、うまい役者さんが「ほくほくしながら」じっくり演じているところが絶妙なので満足しました。ただ、客席の雰囲気が昔とは違うんだな、、、と思うこと今日に始まったことではないのですが、「手水鉢の試し切り」のあとで「切り手も切り手」「刀も刀」という乗りで大向うから「役者も役者」という声が掛からないのです。びっくりともがっかりともしました。ここで縁者も客席も一緒に楽しむところだったんですが、、、、。

 仁左衛門丈の「封印切」。最近出なくなった狂言ですが、仁左衛門丈が大阪の和事の役柄を照れを感じずに演じていられるということが何よりの見もの。主演だけでなく脇のひとりひとりから醸しだされる上方の空気というものが、観客にも今後馴染まなくなっていく狂言なのだろうかと思いました。今日としては最高の忠兵衛とおえんさん(秀太郎丈)でこの上を望むことはできない舞台だと思いますが、客席の反応がただの「笑劇」というか「あちゃらか」に対する笑いみたいなものが多かったように感じました。

 全演目を観ることができませんでしたが、上記2演目を目にすることができただけでも願福だったと思います。


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