東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

縁起枡(枡入りの恵比寿大黒)益々繁盛

2018-11-05 01:55:56 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 夏の新盆頃に組み立てていた枡の中にセットすべき恵比寿様、大黒様と小判の山がやっと揃ったので早速やってみました。

 今でも酉の市の露店にはこれ式の縁起飾りが並んでいますし、大きな熊手のパーツとして挿し込まれているのもあるかと思います。但し、中身の二福神や小判の山は、プラスチックとかパルプの遠心分離による成形になっています。昔の今戸焼の土人形の数ある種類の中で最もたくさん作られれ、出荷されていたといわれるベスト3は「稲荷の狐」と「裃雛」「恵比寿大黒」であったと聞いています。実際、今戸焼の恵比寿大黒が大きなものから一文人形サイズのものまで、また前後2枚型合わせの作りのものがあれば、片面のものもありました。そうした片面の恵比寿大黒がこうした縁起枡とか経木製のガラス蓋つきの小箱に貼り付けられて露店などで売られていたようです。

 今回作ったものついて問わず語りさせてもらいます。今回作った縁起枡の人形は、片面型の恵比寿大黒の二つのタイプを折衷したものなんです。以前このブログでも古手の今戸焼の恵比寿大黒を貼り付けた枡をご紹介したことがありますが、枡に貼りつけるペアの場合は二福神のお姿はただ金一色に塗ったものがほとんどです。そうすることもできますが、お姿はカラフルなほうが見た目変化があって楽しいのでは、、。と思って恵比寿大黒の型も枡ではなくて「経木製にガラスの蓋をつけた小箱」に納まる彩色したタイプのものを再現して枡内に貼り付けてあります。この小さな二福神の彩色ですが、小さなものでもありかなり省略した塗り方になっています。それでも部分的には「まがい砂子」(真鍮粉)を蒔いてあったり手が込んでいるのです。

 枡正面を斜めに仕切っているつっかえ棒は右肩上がりに嵌めています。(右肩上がりという言葉はグラフとか表から来ている表現だと思うのでいつ頃からの言い方なんでしょうか?)

 斜めに半分に区切ってあるので「半枡」(繁盛)。「枡枡半枡」→「ますますはんじょう」→「益々繁盛」という縁起担ぎとなります。

 

 追記:枡の部分は既製品ですか?と聞かれたのですが、一応自前です。確か浅草に熊手業者向けのパーツの問屋さんがある、と聞いたことがあるのですが、おそらく今風の規格になっているのではないかと思い、我が家にある古い枡を採寸して木材をホームセンターでカットしてもらい、焼き印はオリジナルの印章を採寸してレタリングした原稿で焼印屋さんに作ってもらいました。


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