東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

干支の羊のご紹介(その1)

2014-12-17 17:57:20 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)


前に、型抜きのパニック状態をご覧いただきました干支の羊の3種類がとりあえず仕上がりましたので紹介させていただきます。今戸焼の土人形の中には干支の羊に関するものは最後の今戸人形師であった尾張屋・金澤春吉翁(明治元年~昭和19年)が生前お作りになられ一刀彫風(木彫り風)の羊と一文人形らしきもの以外、伝世品、遺跡からの出土品を見渡しても確認できません。(もしそれ以外の古い今戸の羊があったならご教示くださいませんか?)
春吉翁作の羊はお手本として家にしまってあるのですが、みつからず、仕方なく一文人形風の羊はお手本を見ながら型を起こし、それ以外は苦しい創作です。
できあがった3種類の一番目


「親子羊」。伏見人形系の産地(不詳。もしかすると下川原人形?)の人形をお手本として原型をモデリングしたもの。彩色には目を尾張屋さんの作のとおり赤い染料でつけました。背中に描いた植物は私の創作です。何だと思いますか?実は「シダ」のつもりなんです。「シダ」は日本の伝統的吉祥文様のひとつにもあり、「シダ」の繁りのたくましさを生命の豊かさとしてめでたく文様化したのではないでしょうか。なぜ羊に「シダ」なのかというと「シダ」は漢字で「羊舌」と書くのです。「なあんだ」という感じかもしれませんが、苦しいネタの結びつけ方でしょうか?「シダ」のひとつである「早蕨」文様を親羊に添えました。
2番目「一文人形風羊」

これは手元にある人形を手本に作ったものです。これは明らかに綿羊(洋羊)の姿ですね。
そして3番目の羊


これも苦しいネタ作りなんです。
お腹に見える「シダ」文様と「早蕨」文様については既に種あかししました。背中に乗っているのは何か?お菓子のつもり。「ようかん」のつもりなんです。もうおわかりだと思いますが「ようかん」は漢字で「羊羹」と書きます。もともとは中国伝来の食べ物で、羊の肉を煮て、その煮汁を固めたいわゆる「羹(あつもの)」だったのが、その後小豆を煮て固めた「蒸し羊羹」となり後に「練り羊羹」となって我が国に定着したとか、、。そんなわけで苦しいですが「羊」の文字繋がりのものを抱き合わせた「羊尽くし」のようなつもりの人形です。苦しい苦しい。ただ、江戸の遊びの中には言葉遊び的要素とか「見立て」とか「謎かけ」(○○とかけて××と解く、その心は、、△△)というものが盛んだったのは事実なので、拙いながらそういう要素を人形に盛るという心でした。

実をいうと創作しているのはこれら3点のほかにもまだ原型をモデリング中のものがあり、できれば追加したいと思っています。そんなわけで「干支の羊のご紹介 その1」というタイトルの記事にしたので「その2」もできたらご紹介できたらと思います。

※追記 これらすべての羊の肌の色ですが画像では見えにくいかもしれませんが、胡粉地の白ではなく、胡粉地の上にキラ(雲母粉)を塗ったパールの肌です。 干支の酉(鶏)づくり①→

 干支の酉(鶏)づくり②→

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浅草 納めの観音 羽子板市2014 初日風景

2014-12-17 17:15:50 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)


昨日東京は終日冷たい雨模様でした。全国のニューズで各地の厳しい降雪や強風の情報。今年の羽子板市はは厳しいか、、、と思いきや、開けてみると寒いけれどまぶしい青空。昨夜もまた寝ずに干支の羊の三番目を仕上げ、全身にだるさや筋肉痛を背負いながら浅草の某店へ納めに行き、その帰りに観音様境内の様子を観て帰ってきました。

法蔵門と五重塔。分厚い雲が足早に流れていますがまぶしい青空。境内へは黒山の人だかり。

並ぶ露天を眺めながら一番奥の本堂横を目指します。

ありました!!!浅草橋「顔が命の吉徳さん」「創業300余年。江戸東京最古の人形の老舗」です。たくさんのお客さんがお買いものなさっていらっしゃる。ごあいさつするのもお邪魔なので目礼して前に進むと、、。

例年のように片隅に雛段があり、拙作の人形を並べていただいてます。中に丸〆猫も。これこそ招き猫発祥の地である浅草寺境内ゆかりの風景。錦絵のように当時の様子の追体験ともいえます。

広重画「浄るり町繁華の図」(嘉永5年)
今戸焼の土人形の昔のものをを再現することを目標としている自分にとって、錦絵を具現してくださっているこの様子は最高のご褒美です。
吉徳のみなさまありがとうございます。
帰りに三社様裏の「被官稲荷様」へ立ち寄りました。

京都製と拙作の鉄砲狐が入り混じって並んでいますが、以前より拙作の比率が増えてならんでいるのでこれもうれしいです。三社様に社務所に寄って、狐のお納めが例年より遅れていることをお詫びして帰途につきました。

 

 

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