東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

近頃での贅沢

2012-12-22 15:47:31 | 日々

P1011030何年ぶりの国立劇場でしょうか。歌舞伎だの大好きなんですが、数年来足が遠のいていました。一番最後に劇場に足を運んだのが歌舞伎座で三津五郎さんの「六歌仙」の通しが出た時だったか、同じ三津五郎さんの「道成寺」が出た時、または吉右衛門さんの「河内山」が出た時だったかのいずれかです。公演の宣伝がでればチェックをしいきたいなあ、と思っていても目の前の雑事だの体の不調の理由でなかなか動くことができなかった自分に言い訳していましたが、今回の吉右衛門さんの鬼一と大蔵卿の二役は配役を聞いた時から後悔しないよう絶対にいかなければ、、と思っていたのでした。一昨日、人形玩具学会での芝居好きで懇意にしていただいている方お二人とご一緒させていただきました。本当に久しぶりのことでもあり、吉右衛門さんのお役であるということだけでも折紙つきであることは確かなので奮発して一階の七三脇をとりました。(ドブ側ではなくて正面側!)やっぱり行ってよかったのひとことに尽きます。決して悲しいあらすじではないのですが、吉右衛門さんのセリフと動きの滋味に嬉し涙がでてしまって、、いい年したおじさんが恥ずかしいですが、、本当によかった。梅玉さん、魁春さんも失礼ながら厚ぼったくなっていてよかった、十二単を着る役って位取りが大変だと思いますが、ちっとも衣装負けしないでしかも大きくて。梅玉さんの虎蔵も年輪がニンに染み付いて柔らかくてよかったです。生意気ですが、梅玉さんには世話物の路線でも独特の役柄(例えば忠七とか)見せてもらいたいなと思いました。

先日の勘三郎さんの訃報を聞いて、これからの歌舞伎の楽しみが大きく崩れ落ちてしまったような気分になりましたが、今月の国立は(個人的にも)昔ながらの劇場で昔ながらの役者さんたちでこれだけ楽しかったのだからまだまだ先は楽しみだ、、と感じました。

ここで書いたところでひとりの我儘に過ぎませんが、今後の興行の演物と配役など、「またまたかの関」ばかりでなく早く演さないと本当に演なくなってしまうようなものもきちんとしてやって欲しいです。

観たいもの、、、、「競伊勢物語」(吉右衛門さん)、「宇都谷峠」、「朝顔日記」、「法界坊」(吉右衛門さんでもう一度。最近の変な演出ではなく)、「新版歌祭文」(母もだして)、「妹背山」(お三輪の通し)、「長町女腹切」、「寿門松」、「桂川」、「天の網島」、「日蓮上人」(大昔歌右衛門さんがやっとというもの)、「志度寺」、「三十三間堂」「乳貰い」「とんとんの三吉」「宿無団七」、「佃夜嵐」、「五大力」「三五大切」「本町糸屋の娘」「双蝶々」の通し(昔国立で上演したというかたちで)、、。初演から100年以上上演されていない台本の復元というのも意味はあるかもしれませんが、むしろそれよりは明治大正戦前までは時々上演されていたのに最近全くでないもののほうが観たいですね。古すぎる台本の復元上演で現代の感覚の楽屋落ちとかギャグがはいるのは俳優祭のような場での「そそり」ならいいでしょうが、本公演では見ていてちょっと痒くなってくるような気がします。

芝居がはねてから新宿まで出て、西口の飲み屋さんでおいしいものをつまみながら芝居の話三昧の夕べでした。楽しかったなあ、、。

P1011031