東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

きはだ(黄柏)

2024-01-28 03:53:22 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 一文雛の女雛の衣にきはだ(黄柏)の煮汁を重ね塗りしています。画像では4回重ねたところ。
最終的に上から蘇芳(すおう)の煮汁を重ねていきます。きはだは蘇芳の発色に赤みを強めるために下地です。

 2枚目の画像は今更ながらの有卦船できはだと蘇芳中心の彩色バージョン。船の側面は黄色の顔料で塗るところを木肌で、帆のストライプ部分をきはだと蘇芳との重ねで発色させる予定です。
昨年末の民藝館展出品には「善玉悪玉」「珠とり海女」ともにきはだ蘇芳使用で彩色したのですが、「有卦船」での煮出し彩色はこれがはじめて。。どうなりますか。,


 顔料彩色辰も進んでいます。遅くて申し訳ありませんが、動きがあれば、この場でお知らせしまっす。ご了承ください。

駅弁売り風作業

2024-01-24 17:56:58 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 この姿勢まるで昔ながらの駅弁売り。昨晩から冷え込みがことさら厳しくて、日頃作業している玄関の上り框(あがりかまち)付近ではヒーターを点けていても手が冷えてきます。仕方なく台所で木箱を膝上に抱えながらの作業。それでも建付けのすき間から入ってくる冷え込み。おそらく昔土人形や一文人形などを作って生業としていた無名の人たちの暮らしの感覚の一面を意図的ではなくとも追体験しているのかもと。。。理想をいえば、冷暖房設備完備の暑さ知らず寒さ知らずの松花堂弁当箱を一面に広げられるスペースで一気に作業できればな、、?とも。
まあ現実的には落語で狐を塗っている情景にはかなり接近しているかと。。
 あるいは昭和歌謡の♫寒さこらえて〜♫みたいな???

組み立て(ひねり鳩)

2024-01-22 05:20:21 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 夜なべの作業。。眠気もしてきた。
ひねり鳩、本来は生土に竹ひごを差し込んで乾燥させた上に地塗り、彩色されたものだったので脆く残るものが少ない言われています。自分で作る場合脆さを避けるため生土ではなくて、いちど素焼きした本体に竹ひご差し込むので二重に作業(①生土でで成形し、竹ひごを挿してくちばし、脚、尻尾の位置孔つける→②竹ひご抜いて乾燥させる→③素焼きする→④竹ひごを再び挿して部位を組み立て固定させる→⑤地塗りと彩色された)することになります。(本来は素焼きしないので②から④の工程はない)
 ことに④は土の収縮あって孔も小さくなりひごを削りながら孔に合わせるのでかなり面倒。ここの作業はなかなか思うようにいかず血圧があがりそうです。

窯出し

2024-01-22 04:55:42 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

炉内温度が100℃以下に冷めたのを確認して窯の蓋を開けます。
自分でやって言うのもおかしいかもしれませんが、掘ってきた土が素焼きでこんな赤みを帯びた色味に変化するのは不思議です。

 上の段の小物たち。

 窯から取り出しながら仕分けていきます。干支もの、王子向け、仙台向け、、。
このあと彩色の前に地肌のやすりがけや胡粉による地塗りなどを済ませておきます。


窯入れ·素焼き

2024-01-20 01:22:17 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 実質新年あけに初窯ということになります。それにして炉内いっぱいにして焼くのが本望ですが、そうでない状態窯入れするの些かもったいない気分です。しかし際ということ優先しなければなりません。
 画像1枚目は炉内棚板2段目。細かなもの小さいものを並べ終わったところ。下の隠れている段には「有卦船」をはじめ辰干支ものが並んでいます。

 蓋を半開き状態素焼き運転開始。毎度ことながら炉内500℃なるまでは蓋は半開きにして「炉内の水分を逃がします。
これから目覚ましをかけて仮眠をとります。炉内の温度を確認の上、改めて窯の蓋を閉めに起きます。

狐の追加

2024-01-11 06:05:59 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 先日初芝居興行を歌舞伎座へ観に行き、芝居がハネて、帰りに何か食べようと移動中に携帯に連絡が入り、装束稲荷の授与品である招き狐が大晦日の「王子 狐の行列」で全て授与されて無くなった由。暮の状況では、まだ余裕があるので急ぎ作り足す必要がないということだったので意外な展開。
 装束稲荷の神様への信心で善男善女がお求めになられたのが事実ではあるけれど、作らせてもらっている身としてはうれしいことです。
 今、遅ればせながら干支の辰の人形彩色しながら足りない分を粘土で型抜きもしていたところなので招き狐もぼちぼち抜きはじめました。

 天気予報で今夜は一番寒くなる、と聞いていたのが、午前4時過ぎあたりからやたら寒く感じています。とりあえず電気のファンヒーターを点けながら重ね着して作業していますが、それでも指先が麻痺しそうな寒さ冷たさです。
そろそろ作業をやめて床に入ります。

今年もよろしくお願いいたします。

2024-01-03 02:01:44 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

年があけました。今年もよろしくお願いいたします。この数年、習い性になっているのですが、コロナがあったりで、新年をめでたく祝うというより、新たな年がみなさんにとって安らかな1年でありますよう賀状に記していました。
 この新年早々能登はじめ北陸や越後の方々の被災の知らせを聞くにつけ、みなさんには息災と平安お祈りいたします。
 さて、私の年越しですが、近所の天ぷら屋さんからかき揚げと海老天を買ってきたのもに関わらず、大晦日の夕方横になっていたらそのまま寝過ごしてしまい目覚めたら既に元日の正午前でした。それでも寝足らない感じだったので朝食代わりに買ってあった肉まん熱して食べて服薬したら、また寝てしまい、目覚めたら2日なっていてとんだ寝正月です。お餅も食べていないし、お節も何も正月らしいもの食しておらず、乾麺のそばを買ってきてやっと天ぷらを食べました。
 自分の誕生日が元旦でもあり、年越しは実年齢が増すのに反して自分の不甲斐なさを感じる場面でもありそれを寝過ごしたのはある意味楽に通過できような気もします。

 干支の人形ですが、旧年内は日本民藝館点即売コーナーで4点ずつ「玉取り海女」「善玉悪玉」出していただいきりでしたので、年明けましたが、これからお世話になっているお店に並べていただきたく思っています。具体的に動きましたら改めてお知らせさせていただこう思っています。

急ぎの窯入れと素焼き

2023-12-27 01:54:06 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)
今月19日辺りまで浅草羽子板市や干支の辰モード。それ以降は大晦日、東京北区王子行われる「狐の行列」に関わる狐ものの人形モード作業しています。王子装束稲荷さまから授与の招き狐については今のところ急ぎ作り足しは必要ないそうなので装束稲荷前「暮らしの器 王子ヤマワ」さんへのキツネものの人形を急ぎ素焼きします。

 炉内通常ならばいっぱいになる嵩の人形を作りためてから素焼きに動くのですが、まずは大晦日まで出来上がった人形をお渡ししなければならないので急ぎのため変則的なサイクルです。

 炉内がこんなにスカスカというの自分でももったいない気がしますがとにかく急ぎなのです。

 まず窯入れが済んだところで蓋をして稼働させます。炉内は500℃に達するまでは蓋半開きにして炉内の水分を逃がします。その時蓋をするためにその場にいなければなりません。蓋をすればとりあえず安心して休むことができます。

無事に素焼きが終わりますように。

しばれる。。。。。。

2023-12-23 16:43:10 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 昨日は冬至。腰や体を温めるためにでかけた近所の銭湯ではゆず湯に浸ることができました。
それにしても冷える。日本海側地方での豪雪のニュースを聞けば、こんなのチョロいかもしれないけれど、土が冷たく、空気も染み渡るような冷たさ。指先まで痺れてくるような感覚。干支の辰の追加に加え、近く来る大晦日の王子「狐の行列」に向けた狐つくり。間に合うように。

お詫び

2023-12-18 23:37:07 | 日々

 昨日18日は羽子板市2日目。自宅で出来上がったものを追加出かけるつもりで作業していたのですが、1日目の帰路から体調不良で、それでも自己手あてしながら作業していましたが、明けて快方へ向かわずやむなく自宅で休養させていただきました。干支を含めてお持ちする予定だったのが申し訳ありません。担当者の方に連絡入れたところ、ご了承いただいた上、お客様で干支目的に再度来場くださった方のご希望でひとつキープしてほしい由。干支3種のどれか確認していただいてお渡しできるか、ということでした。
 手元には羽子板市向けにすすめていた若干のものがあり、時期を逃したものは他へ廻すか思案中ですが、吉徳さんの露店にお話されたお客様のご要望があれば、そちらへお廻ししてから他へ、と考えています。
 皆様にはご迷惑おかけして申し訳ありませんでした。

浅草 羽子板市 1日目

2023-12-18 00:01:41 | お世話になっているショップさん

 本日羽子板市1日目。先にお納めに間にあわなかった分を直接吉徳さんの露店へ運ばさせていただきます。今日は火入れや都鳥。日曜日でもあり羽子板市でもあり、観音様の裏、言問通りから人で賑わっていました。境内はなおさらこと。宝蔵門内、五重塔の真下に吉徳さんの露店。人形研究家の林直輝さん(何でも鑑定団ご出演)法被姿で接客されていました。

 毎年お世話なっています。


 この景色、作っている本人としては、毎度ながら感無量。丸〆猫の発祥はこの観音様境内。


嘉永5年(1852)の広重の錦絵に描かれている様子こうして具現していただいているありがたさとうれしさ。丸〆猫を再現している甲斐をしみじみと。。。
 混んでいるのと早く帰宅して仮眠をとり、干支何とか仕上げたいので早々に失礼して帰ってきました。








取り急ぎお知らせ(12月17日) 

2023-12-17 10:36:36 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 本日浅草羽子板市初日ですでに開場の時間を過ぎていますが。私は昨夜よりノンストップで作業していて、これから羽子板市へ納めに参ります。本日のお納めには干支はありません。
招き猫の火入れとおかめの火入れ、都鳥を納めに行きます。
まずお知らせまで。

干支の辰(竜 龍)③「珠取海女」(たまとりあま)

2023-12-16 19:45:29 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 今戸の人形の古作には辰の姿のものを確認できず、昔は現在のように十二支の人形一揃えを集める風習がなかったのでは、と思います。
 最後の今戸人形の生粋の作者、尾張屋 金澤春吉翁(明治元年〜昭和19年)がお作りになった小さな木彫風の虎や羊などがあるのですが十二支全て完結して作られていたのかどうか。当然この木彫風の辰があったのかどうか見たことがありません。あと、泥面の龍というのがあった気がしますが、お手本がないので。
 そしてこの画像の「珠取海女」ですが、今戸にあったということではなくて、伏見人形にある人形が有名ですが、伏見をそのまま手本とするのではなく、自分なりに作ったものです。題材の「珠取り」ですが能楽にある演目があり、それから京舞にもあるようです。
 話は讃岐の辺りが舞台なのですが、せっかく東京で作っているのだからと隅田川に所縁の都鳥を水面に貼り付けてみました。

浅草観音 納めの歳の市 羽子板市 2023

2023-12-15 21:38:21 | 日々

 例年のように今年も浅草寺境内で羽子板市が12月17·18·19日の3日間開催されます。
「人形は顔がいのち」浅草橋の江戸から続く東京最古の人形屋さんである吉徳さんのご出店の露店で拙作の土人形も置いていただくことができてこの上ない喜びです。
 先だって今日吉徳さんへ出来上がった人形をお渡しに出かけてきました。
手がけている人形の全てではないので予め、お渡しした分の種類についてお知らせいたします。
 ●丸〆猫(昭和戦前風 朱色·群青)
●丸〆猫(嘉永安政風 緑·紫土風)
●丸〆小判猫
本日お渡ししたものは以上です。
また追加があればお知らせします。干支のものには取り組んでいますがお渡しできる段階でお知らせしますのでご了承ください。


シンデレラパニック

2023-12-15 21:06:46 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 今日15日。浅草の観音様での羽子板市に向けて「人形は顔がいのち。」の江戸東京最古の人形の老舗である吉徳さんへ拙作の人形をお渡ししてお願いするタイムリミット。
「今年こそは早い時間にお渡しできるように。。」と思っていたのですがやっぱり結果的にシンデレラ状態でのお渡しになってしまいました。
 第1のハードルは当然ながら、人形を完成させること。
 そして第2に乾燥させた人形を透明なセロファンで包むこと。
 第3に緩衝材で包むこと。
 第4にダンボール箱に荷造り。
 第5に荷物を運ぶ。
 第6に検品してもらい、お渡しする。

 今日は第1までで頭いっぱいでダンボールの調達まで頭がまわらなかったので、夕闇の中、近所のドラッグストアへもらいに行ったのでした。
結局浅草橋の吉徳さんに辿りつくのが遅れてご迷惑おかけしました。
時間の経つのが速くて、焦ってしまい、とんだシンデレラ状態。
 まずは部分的、にでもお渡しできて安心。まだできていない分の中で会期中に間に合うものは直接観音様境内へ運ばさせていただくことになっています。