生き生き箕面通信

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生き生き箕面通信620 ・日米同盟のもとで「独立」を喪失した日本

2010-08-15 07:34:09 | 日記
おはようございます。「俺たちは今のような空しい日本を作るためにあの戦いで死んだつもりはない」(「歸国」の英霊いわく)
生き生き箕面通信620(100815)をお届けします。

・日米同盟のもとで「独立」を喪失した日本

 今日は65回目の敗戦記念日。新聞各紙は社説で取り上げました。

 ・朝日 「65回目の終戦記念日 『昭和システム』との決別」
 ・読売 「平和な未来を築く思い新たに」
 ・毎日 「歴史見すえ平和創ろう」
 ・日経 「内戦の教訓をいまに生かしているか」

 タイトルだけを見れば、何か有意義な論説が展開されているような期待を持たせますが、中身はいずれも中途半端なお題目が先行し、最も大事な点には触れていません。

 朝日の社説は「戦争を二度と繰り返さないという原点の確認とともに、『戦後』を問い直すことではないだろうか。それは『昭和システムとの決別』かもしれない」と指摘したうえで、「過去の成功体験を捨て、手探りで前に進むのは不安かもしれない。だが、新しい扉を開くことができるのは、今の時代に「生きてるわたし生きてるあなた」(谷川俊太郎)しかいない」と述べています。日本の対米隷従化には、見えない振りです。

 読売は「『終戦の日』は、過去の歴史を踏まえつつ、国際協調の下、世界平和のため積極的に行動する決意を新たにする日にしたい。そのことが先の大戦で亡くなった人々の遺志を生かすことにもなるはずである」と、きれい事だけの作文です。

 毎日も同じような論調でした。これら三紙に共通しているのは、戦時中は新聞が「一億総火の玉」「米英何するものぞ」と戦争をあおりにあおった事実からは全く目をそらし、新聞の責任には一行も触れずじまいなことです。そして、「平和を創る努力をしていく。一人一人が考える終戦記念日にしよう」(毎日)と呼びかけています。無謬性をよそおった「上から目線」です。

 昨晩、毎日テレビでドラマ「歸国」が放映されました。倉本聰の脚本です。ドラマの中で、結婚を誓った男が戦死したあと英霊として帰国し女性のもとを訪れたのに対し、戦後も独り身を通したピアニスト役の八千草薫が「『日本』は豊かになったわ。だけど、幸せになったかどうか分からない。『日本人』は貧しくなったみたい」と話しかけます。

 ストリッパーになってまで育ててくれた母親に対し、いまや政府にも影響力を持つまでになた学者の地位にある息子(石坂浩二役)は、その母親をないがしろにした報いで殺されるのですが、死者となって「ぼくはどこから間違えてしまったのでしょう」とつぶやきます。

 アメリカは日本占領当時、「日本国民の精神改造」を最重要の戦略とし、粘り強く執拗に働きかけてきました。その最大の成果が「日米安保条約」であり、日本を隷従させる法的根拠となりました。そして、日本は「真の独立」を少しずつ失い、「見せかけの独立」で満足する日本人へと改造することに成功しました。

 いま、わたしたちが考えるべきは、どうすれば「真の独立」を果たせるかではないでしょうか。幕末の坂本竜馬は、欧米列強から「日本の独立」を守るために、「薩長同盟」を成功させたのでした。いま、わたしたちは「日米同盟」を破棄するところから始めなければ、真の独立は果たせません。

 今日の新聞各紙は「日本の真の独立」に言及した社説は1本もありませんでした。新聞各紙は、自分自身が著しく劣化していることにお気づきにならない状況です。わたしたち自身が自分の頭で考え、「どうすれば真の独立が達成できるか」自分の結論を持ちたいものです。