生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信612 ・菅首相はなぜ「核廃絶サミット」を呼びかけないのか

2010-08-07 07:06:37 | 日記
おはようございます。
生き生き箕面通信612(100807)をお届けします。

・菅首相はなぜ「核廃絶サミット」を呼びかけないのか

 広島で昨日開かれた65回目の「原爆忌」には、国連事務総長やルース米駐日大使が初めて参加しました。平和宣言と菅首相、国連事務総長のあいさつの結びの言葉を記録しておきます。

 平和宣言の結び 「全ての被爆者が「生きていて良かった」と心から喜べる、核兵器のない世界を一日も早く実現することこそ、私たち人類に課せられ、死力を尽くして遂行しなければならない責務であることをここに宣言します」

 菅首相あいさつ 「結びに、犠牲となられた方々のご冥福と、被爆された方々並びに御遺族の皆様の今後の御多幸を心からお祈りし、併せて参列者並びに広島市民の皆様の御健勝を祈念申し上げ、私のあいさつといたします」

 パンギムン国連事務総長のあいさつ 「核兵器のない世界という私たちの夢を実現しましょう。私たちの子どもたちや、その後のすべての人々が自由で、安全で、平和に暮らせるために」

 菅首相のあいさつは、一言も「平和への真摯な思い」が感じられません。それもそのはず、官僚の作文をそのまま読み上げただけだからです。心がこもっていないどころか、おざなりそのもの。よくも恥ずかし気なく、読み上げるものだと唖然とします。ただし、今朝の新聞報道によれば、あいさつ文は首相自らが準備したと伝えています。もしそうなら、菅さんの頭の構造が、すっかり官僚化したことの何よりの証拠です。

 広島の秋葉忠利市長は読み上げた平和宣言の中で、「今こそ、日本国政府の出番です。『核兵器廃絶に向けて先頭に立つ』ために、まずは、非核三原則の法制化と『核の傘』からの離脱、そして『黒い雨降雨地域』の拡大、並びに高齢化した世界全ての被爆者にきめ細かく優しい援護策を実現すべきです」と訴えました。

 この内容は、事前に官邸に届いていたのですから、菅さんは丁寧に答えるべきでした。しかし、あいさつでは一言も触れませんでした。それだけでなく、その後の記者会見では「非核三原則の法制化はむずかしい。『核の傘』、つまり抑止力は必要だ」と述べました。

 そんなアメリカべったりの姿勢では、世界の非核化へ向けたリーダーシップをとるなどできるはずがありません。今後は「核兵器のない世界のために先頭に立つ」などの言葉だけは発しないでいただきたいものです。言葉がむなしくなります。