水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1314」

2017-06-20 19:18:31 | Weblog



カルテ番号 わ・9(51)

洋子は現実から、いきなりファンタジーの世界に入り込んだ気がした。
まるでゲームかファンタジー映画の話のようだ。
理性では信じられない。
だが、院長は信じられる。
理屈ではないのだ。
「その方は、何百歳も生きているのですか?」
洋子は思わず訊いてしまった。

「私達の中では長老ですが、長寿族の中では若手かもしれません。
通常は46歳で発動し、その後はほとんど見た目の歳はとりません。
その人、女性ですが、やはり46歳で発動しました。
つまり、46歳のまま、いや、実際は30代でもとおるでしょう。
年齢は約180歳くらいですね。
あまり年齢を言うと叱られます。
さっぱりとした、自由奔放の人ですよ」

洋子は信じられないままだが、もっと訊きたくなった。
「他の人の年齢はどうなのでしょう?」
院長は言った。
「私を含め、70歳以上はいません。
ほとんどは、ここに来て発動した人達です。
ですが、例外続きで、46歳にならずに発動しています。
ですから渡部さんとほとんど同じです」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1313」

2017-06-19 21:12:06 | Weblog



カルテ番号 わ・9(50)

混乱しながらも、洋子は一つの光を見た。
「もしかして先生も長寿族なのですか?
そうなら・・・受け入れられるかもしれません。
まだ、本当だと信じていませんが」
院長は優しく頷いた。
「はい、私は長寿族です。
正体は同じ長寿族だけにしか明かしません。

とはいえ先ほども言いましたが、長寿族同士は判ります。
渡部さんももうすぐ、言葉でなく確信すると思います。
そして、私の周りにはこの他に3人がいます。
長寿族同士は判るけれど触れ合わない、交流しない。
それが備わっている特性の一つなのですが、例外もあります。
私の周り、渡部さんを入れて6人が集まりました。

例外なのでしょう。
でも例外は必要だからこそあります。
今回も必要だから集まっているようです。
力を合わせないと、今の日本に住む人達に役目が果たせない。
私達の存在意義は、他の人達の為にあるのですからね。
もうすぐ、私達の中で一番の長老が来ます」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1312」

2017-06-18 19:04:36 | Weblog



カルテ番号 わ・9(49)

洋子は思った。
自分なら耐えられない。
母と妹を亡くし、父から家を出ろと言われた。
恋人にも捨てられた。
独りが身に染みている。
自分なら・・・誰かとずっと一緒にいたい。

院長の言葉は、そんな洋子の思いを砕く。
「渡部さん、その淋しい長い時を歩まねばなりません。
渡部さんは・・・長寿族なのです。
その変わり時を発動といいますが、すでに始まっています」
洋子は信じられなかった。
自分は普通の、いや、普通以下の人間だ。
病弱ではないが、特別健康でもない。

困惑と絶望的な顔をしている洋子を見て、院長は言った。
「信じられないでしょうが、本当です。
でも、先ほど私が言ったのは、基本形だと思って下さい。
物事には例外があります。
いいえ、例外を含めて、物事があります。
何よりも、長寿族が例外でありながら、人類の一部です」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1311」

2017-06-17 19:32:52 | Weblog



カルテ番号 わ・9(48)

洋子は次の疑問を口にした。
「でも、それだと子孫ができないでしょう。
いくら長生きとはいえ、長寿族が滅んでしまわないのですか?」
院長は即答した。
「長寿族は長寿族の子孫を作れません。
長寿族のDNAというのは無いのです。
子孫が出来にくい体質のようですが、出来ても長寿族ではありません。

それにも理由があるようです。
長寿族でなくても子孫が出来ると、子孫にこだわります。
孫、ひ孫、玄孫(やしゃご)、その次と見守る事になります。
一つの場所、一つの家系にこだわると、本来の役目ができません。
子孫にこだわらない、もっと全体的な視野が必要なのです。
家族、家庭とは縁のない生き方が長寿族の運命なのですね」

洋子は思わず言った。
「それは・・・淋しいわ」
院長は頷いて、言った。
「どんなに社会に馴染んでも、いつか場所を変えなければならない。
そうでないと、怪しまれる。
普通の長生きならば尊敬されます。
ですが、度を越した長生きは排除、撲滅されるのです。
異能、異端の人を、いつまでも認めるほど人間は完成されていないのですよ」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1311」

2017-06-17 19:32:33 | Weblog



カルテ番号 わ・9(48)

洋子は次の疑問を口にした。
「でも、それだと子孫ができないでしょう。
いくら長生きとはいえ、長寿族が滅んでしまわないのですか?」
院長は即答した。
「長寿族は長寿族の子孫を作れません。
長寿族のDNAというのは無いのです。
子孫が出来にくい体質のようですが、出来ても長寿族ではありません。

それにも理由があるようです。
長寿族でなくても子孫が出来ると、子孫にこだわります。
孫、ひ孫、玄孫(やしゃご)、その次と見守る事になります。
一つの場所、一つの家系にこだわると、本来の役目ができません。
子孫にこだわらない、もっと全体的な視野が必要なのです。
家族、家庭とは縁のない生き方が長寿族の運命なのですね」

洋子は思わず言った。
「それは・・・淋しいわ」
院長は頷いて、言った。
「どんなに社会に馴染んでも、いつか場所を変えなければならない。
そうでないと、怪しまれる。
普通の長生きならば尊敬されます。
ですが、度を越した長生きは排除、撲滅されるのです。
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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1310」

2017-06-16 21:54:30 | Weblog



カルテ番号 わ・9(47)

洋子は少し首を傾げて口をはさんだ。
「数少ない仲間なのに、出会えても親しくしないのですか?
それなら、いつも独りぼっちじゃないですか?」
院長は答えた。
「そうなのです。
通常は独りぼっちで、長い年月を過ごします。
長寿は淋しさを常に背負って生きています。

それには長寿である理由があるのです。
種に一定割合存在するのは何故か?
それは長生きの経験を活かす必要が時々出るからのようです。
種の存亡に関わるような出来事が起きた時ですね。
その種が生き延びられるように手助けする役割のようです。
魚には魚の、熊には熊の長寿族が必要なのですね。

そして長寿族同士が集まってしまうと、危険性は高くなります。
例えば地震とか火山噴火とかの天変地異の場合などですね。
それぞれがバラバラだから、生き延びられる可能性が高い。
長寿族は独りぼっちで淋しいけれど、集まるわけにはいかない。
それは磁石の同極同士のようです。
磁石だから、同じ磁石は判る。
でも同極だから、近寄れない、そんな感じです」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1309」

2017-06-15 19:35:48 | Weblog



カルテ番号 わ・9(46)

院長は困惑する洋子を見ながら話を続けた。
「私を過去に知っているような気がする、と先週言いましたね」
洋子は心の中で思った。
知っているではなく、会った事がある、と話したのだ。
それも過去世というのかどうかわからないが、現代ではなく。
知っているだけでなく、とても大切な間柄だと直感したのだ。

院長は言葉を続けた。
「私には前世の記憶がありません。
ですが、渡部さんの想いに心当たりがあります。
それが今日の話に関係する事です。
生物の寿命の話で戸惑っているようですが、必要なのです。
特別変異ではなく、マイノリティー、少数派です。
少数派は、同族が感覚で区別できます。

例えばゲイといわれる人達は、ゲイの人が一瞬でわかるそうです。
普通の姿、態度をしていても、同族はわかるようです。
この普通の十倍近く長生きする生物も同じです。
一応、長寿族という名でよんでいます。
長寿族は、長寿族が一瞬で見分ける事ができます。
でも、通常は組んだり、集まったりする事はありません。
むしろ、その反対、離れるようになります」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1308」

2017-06-14 19:39:24 | Weblog



カルテ番号 わ・9(45)

洋子は大切な話が生物の授業の様で戸惑った。
一体何を話しているのだろう?
そんな洋子を無視して、院長の話は続いた。
「体温が環境により変わる変温動物、魚や爬虫類などです。
環境温度が低いと代謝も少なくなるので、長生きになります。
亀などは100年以上生きる事も珍しくありません。
それでも、1000年以上生きる亀がいたら、珍しいでしょう。

沼の鯉も100年以上生きている場合は、主とよばれます。
獣もとてつもなく、長生きをしている場合、森の主とうわさされます。
それぞれの種に、とてつもなく長生きする個体がいます。
珍しいのですが、突然変異ではなく、ある一定割合いるのです。
そして、それは人間にも当てはまるのです」
ここで院長は一息ついて洋子を見た。

長生きの話?
洋子はますます戸惑った。
自分にどんな関係があるのだろうか?
洋子の家族は母も妹も短命だ。
自分も短命かもしれない、とずっと思っていた。
長生きの話ではなく、洋子の寿命が短い話なのかもしれない。
だから、大切な話だと言ったのだろうか?

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1307」

2017-06-13 19:20:42 | Weblog



カルテ番号 わ・9(44)

洋子は先週からその言葉を思い出してはドキドキしていた。
ドキドキというよりも、ワクワクしている。
雰囲気から嫌な話や困る話ではないと判る。
「何を言われても大丈夫です。
先生が話す事なら、きっと良い話だと思っています。
そうでなければ、責任を取ってもらいますから」
洋子は何かに包まれるように安心していた。

院長は静かに話し始めた。
「この世の生物には沢山の種類があります。
大きく分けても、植物と動物。
動物だけでも、小さな昆虫や魚、蛇、鳥もいます。
そして、恒温動物といわれるネズミ、猫、熊、人間。
それぞれの種は、おおよその寿命があります。
アポトーシスといって、細胞の再生寿命ですね。

例えば人間種。
細胞的には120年から160年といわれています。
まぁ、環境やその肉体の使い方、栄養の取り方で短くなります。
現代は、本来の約半分くらいで多くの方が寿命を迎えていますね。
最近の日本では、100歳も珍しくなくなりましたが。
ところが、アポトーシスが通常の何倍もある場合があります。
といっても、突然変異ではありません。
特別でもないのです」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・1306」

2017-06-12 18:38:41 | Weblog



カルテ番号 わ・9(43)

愛田恵子からの電話の次の日に、渡部洋子が来院した。
まだ二度目なのに、洋子は何度も来ている気持ちだった。
今までの洋子の態度とは違うのは、本人でさせ戸惑う。
院長に親しんでいるのだ。
他人とは思えないのだ。
奇妙な気持ちなのだが、居心地がいい。

「先生、こんにちは。
一週間が待ち遠しかったです。
いろいろ、お話しを聞いて下さい。
気功もお願いします。
先週の先生の言葉を理解したとはいえません。
でも、あれから身体も心も別人のようです。
どうして?どうして?と疑問だらけです。
もちろん、嬉しい疑問だらけです」

洋子は興奮ぎみに言った。
こういうハイテンション自体が今までなかったことだ。
院長は笑顔だった。
「そうですね。
今日は渡部さんに大切なお話しをするつもりです。
驚くような内容です。
覚悟はいいですか?」

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