水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・788」

2016-01-11 19:42:49 | Weblog



カルテ番号 め・3(56)

理屈は解らないが、太極拳での感覚がある。
太極拳は、一所に留まる事が無い。
常に動いている。
陰陽という概念を入れると・・・
いつの間にか、陰は陽に移っていく。
陽もまた陰になる。
そうして、円を意識して動いていく。

陰を悲しい事、陽を嬉しい事に当てはめる。
すると、あの先生の言う意味が理解できるような気がする。
つい、嬉しい事、愉しい事を溜めてしまいがち。
悲しい事、辛い事を排除しようとする。
でも、巡らせば、それらに振り回される事は・・・
無くならないかもしれないが、楽にはなるに違いない。

三木裕子はまた話し出した。
「いろいろお話してくれたけれど、こうも言っていたわ。
今の嬉しい事や悲しい事に関してだけど・・・
悲しい事や辛い事は、勝手にやってくる。
自分は受け身側。
嫌だけど、突然ぶつかってくることもある。
でも、嬉しい事や愉しい事は、自分で作り出せる。
つまり、自分で歩いて近づける」

(登場する人物・組織・その他はフィックションです)

(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。
ブログで書いた「迷説般若心経」  「迷説恋愛論」  「迷説幸福論」
誰か出版してくれぇ~
18年間封印していた本物の「氣入れパワーストーン」を販売開始 「笑顔の雑貨屋Yakkoo」)
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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・787」

2016-01-10 18:55:03 | Weblog



カルテ番号 め・3(55)

三木裕子は笑顔で言った。
「礼子さんには感謝しているわ。
不思議な縁だと思っている。
それで、いきなり扉が開いた感じよ。
私は、良い事、嬉しい事、愉しい事は沢山溜めればいい、と思っていた。
悲しい事、辛い事は、忘れるようにすればいいと思っていたわ。
どうしたら幸せになれるか、なんて本にはそう書いてあったし・・・

でも、あの先生と話してから、そんな言葉がとても薄いと判った。
本の言葉は心地よい言葉だけど、中身が薄いのよ。
だから本など読んでも、幸せにはなれない。
そういうセミナーなどは、表面だけの言葉。
建前だけの言葉だから。
私達、毎日いろいろな事に会って、生きているのね。
当たり前だけど。

ショックだったのは、嬉しい事、愉しい事も溜めない。
生命は巡らすところにある、って言葉だった。
目が覚めたような気がしたわ。
不思議ね。嬉しい事、愉しい事にこだわらなくなると・・・
悲しい事、辛い事も無理して乗り越えなくても薄くなるのよ。
これからの人生、楽に生きられる自信になる」
そう言って、三木裕子は礼子に向かって頭を下げた。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・786」

2016-01-09 18:34:57 | Weblog



カルテ番号 め・3(54)

三木裕子は思い出しているようだった。
「あの先生に会った時、何だか期待外れと感じたわ。
今はよく判る。
あまりにも力みが無かったから、物足りないと思っていたのね。
それよりも、私の方が力みがあるのが普通の生き方だったわけ。
でも、気功をし始めたら、いきなり涙が出て・・・
それから、理解はできなくても素直になれた。

いろいろお話をさせていただいた。
教わった事は、幾つもあるのだけれど・・・
例えば健康に関することなどで、それまでの常識とは全く違った。
食べ物には気を配ってきた。
何しろ身体が第一。
寝込んだら、誰も代わりがいない。
稼いでくれる旦那もいない。
だから、食べ物には気を配っていた。

気を配るっていっても、良い材料にこだわった。
それは間違いではないのだけれど、根本が解ってなかったのね。
健康って、生命を活かしたり、養うって事だったのね。
そして、生命は、良い悪いとか善悪とかよりも優先する事があった。
それは、巡らす、って事だった。
氣を巡らすっていっても、よくわからない。
でも、いろいろを留めない、ってことなら納得できる」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・785」

2016-01-08 19:11:20 | Weblog



カルテ番号 め・3(53)

三木裕子は、礼子のその言葉を反芻していた。
「礼子さん、私は違う事を教わったわ。
私が求めていたのは、これからの事だった。
健康が一番だけど、その方向が見えなかった。
ありきたりの食や運動やサプリメントではないもの。
礼子さんを初めて見た時、太極拳が新鮮だったの。
それで、その先生がヒントになるかと思って紹介していただいたのよ」

今度は礼子が黙って聞いていた。
礼子は静かに話を続けた。
「若い頃離婚して、娘を育てるのに必死だった。
夫や娘にとっての父親がいない事をハンディだと思わせないように・・・
今思えば、世間に対して身構えて生きてきたのね。
母子家庭は、とても不利な事が多い。
でも、必要以上に厚い鎧のような生き方だったわ。
幸い娘は私よりも自然体で、結婚も上手くしているみたい。

会社でも、男に負けないように、と思っていたわ。
そして、定年退職。
これからは一人で生きていく。
自立心は離婚した時からだから、気負いはなかったわ。
その為には、いろいろな事を楽しむ人生にしたい。
でも、基本はなんといっても肉体的な健康。
そして、連絡したら、来なくてもいい、というような対応。
でも私って、勝気な性格でしょ。
そう言われたら、押しかけてでも、っていきなり訪問したわ」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・784」

2016-01-07 19:05:59 | Weblog



カルテ番号 め・3(52)

二人は顔を見合わせて笑った。
「この歳になって、やっと素直になれることもあるのねぇ。
辛い事、悲しい事、大切な思い出。
それらは、手放せなかったり、離してはいけないと思っていたわ。
でも、そうじゃない、って思えるようになった。
毎日を生きている。
だから、忘れても放してもかまわない。

というか、自分がしがみついていたのね。
悲しい事も、辛い事にも、思い出にも・・・
必死に、力を入れて握っていたのね。
それが、もっと楽にすればいい、と気づいたの。
あの先生といると、もっと自然でいい、と気づいた。
無理して忘れる事でもなく、しっかり握りしめる事でもない。
素直に反応すればいいだけ。

泣きたかったら、泣いてもいい。
でも、いつまでも自分を悲しめるのは、自然じゃない。
どんなに悲しくても、お腹は減るのよ。
そして、毎朝、その日が始まる。
いつでも、始まっているのに、過去を離さないのは素直じゃない。
うまく説明できないけど、そんな風に感じてきたわ。
僅か、1日の出来事だったのにねぇ」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・783」

2016-01-06 19:26:11 | Weblog



カルテ番号 め・3(51)

礼子は思い出しながら言った。
「やっと会えた人だったでしょ。
あの先生のお陰で回復できた。
外に出られるようになった。
人と話せるようになった。
私が変わる、とても大事な言葉が沢山あると思っていたわ。
だから、真剣に聞き逃さないようにしていたの」

そして礼子は笑った。
「ところが意気込みが強すぎたのね。
心がいっぱい、いっぱいになっていたの。
そして、すぐ涙が出てしまうような状態。
でも、ゆっくり待っていてくれて、次第に落ち着いたわ。
そして、多分、沢山の教えがあると思うのだけど・・・
とても一度には理解できない。
それでもいいのだと、今日になって感じたわ。
理解などできなくても、キチンと私の中に入っている」

三木裕子は頷いて言った。
「そうなのよねぇ。
私は礼子さんと違って、最初はハズレだと思った。
だって、電話しても来る必要が無い、と言うんだもの。
会っても、特に何も感じなかったのね。
でも、気功を受け、涙が出てから、どんどん素直になったわ」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・782」

2016-01-05 19:16:50 | Weblog



カルテ番号 め・3(50)

礼子の話を聞く三木裕子も嬉しそうだった。
二人とも独身の60代。
同世代には、おばあちゃんといっていいような人もいる。
それは見た目ではなく、生き方。
子育てが終わったら、役目もする事も無いと勘違いしている人達。
それとは逆に、これから本当の自分の人生を始めようとする人達。
その生き方の違いは、見た目、雰囲気に現れてしまう。

女は50歳から。
誰かが言っていた。
そして、女としての一生花を咲かすことが出来る。
この二人は、そういう生き方をしている。
そして、それには、それまでの生き方、意識から変わる必要がある。
長年染みついた社会、会社、世間の常識からの脱却だ。
変わるというよりも、手から放すだけなのだが・・・

三木裕子は興味津々である。
「ね、あの先生の太極拳って、礼子さんから見てどうなの?」
礼子は笑った。
「私が判断できるような相手ではないわよ。
とても、自由な太極拳だったわ。
目からウロコが幾度も剥がれ落ちたわ」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・781」

2016-01-04 19:05:22 | Weblog



カルテ番号 め・3(49)

礼子は昨日の事なのに、なんだか昔の事のように感じていた。
「一言で・・・不思議だったわ。
いろいろな事が・・・
そして、とても安らげた。
何年もの重しが、急に軽くなった気がしたわ。
これで、変われる、そう感じたわ」

三木裕子は、礼子の顔を見て言った。
「あの公園でお会いした時よりも、とても明るくなったわ。
何だか、とても良い事があったのね。
それから、何があったの?」
礼子は、心の内をどう話していいのか解らなかった。
それは、礼子自身も解らなかった。
でも、楽になれたのは事実。

「気功を体験してね、電気みたいのを感じたわ。
それから、念願の太極拳を見てもらった。
褒めていただいたわ。
その後、そうねぇ・・・あれはプレゼントなのかしら?
あの先生が、太極拳を見せてくれたのよ。
それが、とても濃い内容だし、幾つも重ねてあるし・・・
ゆっくり思い出しながら、私なりに応用するのだけれど。
とにかく、嬉しかった」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・780」

2016-01-03 19:41:33 | Weblog



カルテ番号 め・3(48)

この女性とは長く深く付き合う予感がする。
おそらく、二人とも同じように感じている。
友達というよりも、同士、あるいは、魂の家族とでもいうのだろうか。
一緒にいて、違和感がないのだ。
楽なのだ。
何でも、平気で話せる。

「で?どうでした?10年越しの人と会って」
三木裕子は、そんな風に笑って聞いてきた。
「何て言ったらいいのか・・・
感激というのではなくて、安心に近かった。
でもね、何度も泣いちゃったのよ。
泣く理由もよくわからないのだけど・・・
とにかく、涙が出て、その後は気持ちいい」

三木裕子は少し驚いた顔をした。
そして、その理由を話し出した。
「実は・・・私もなの。
最初に気功をされた時、涙が流れてきたのよ。
悲しくもないのに・・・
そのうちに、声も出して、号泣。
院長は、よくある事だって言っていたけど・・・
そんな事、よくあるわけないわよね~」
そう言って、笑った。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・799」

2016-01-02 19:33:34 | Weblog



カルテ番号 め・3(47)

その夜、早速院長から教わった大周天をしてみた。
今までと同じ動き、同じ呼吸でいい。
でも、イメージを自分の内ではなく、外、周りにする。
身の周りの空気と遊ぶ。
身の周りの氣と遊ぶ。
すぐには、しっくりとしない。
でも、愉しい、愉しくなる、という予感がした。

次の日、以前公園で出会い、あの院長を紹介した女性に連絡した。
三木さんという彼女は、とても喜んでくれた。
お互い時間は自由な二人だ。
礼子の家に誘ってみた。
他人を家に入れるのは、10年以上無かったことだ。
だから、誘っていながら、自分に驚いてもいた。

お昼頃に、三木さんが来た。
若く見える彼女だが、更に若くなったようだ。
彼女は二人で食べるランチを持ってきてくれた。
「こんにちは」
そう挨拶されただけで、旧知の親しみがあった。
「楽しい話を聞かせてね」
「こちらこそ」

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