水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」
カルテ番号 こ・2(9)
小泉武雄は癌が残っている、と思っていた。
医者は大丈夫と言ったが、その雰囲気が揺らいでいた。
嘘を言っているのではなく、確証がもてないのだろう。
風間陽水は残っていると言った。
その雰囲気は気負いも何もなく、信じられると感じた。
「その、癌の氣というのは取れるのですか?」
「取れば、取れますよ」
変な事を言う人だと思った。
残しておきたい人などいるものか。
いずれにしても、まだ目に見えない。信用するか、しないかの問題だ。
見えるような大きさになれば、それは困る。
「そんなもの、早く取ってほしいのですがね」
「私は手伝いますが、取るのは本人ですから・・・」
また意味がわからない事を言い出した。
そんな見えないモノが取れるとしたら、氣功師だけだろう。
そんな風に思っていたら、何だか肺が痛くなってきた。
風間陽水は手を軽く当てているだけなのだが。
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(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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18年間封印していた本物の「氣入れパワーストーン」を販売開始
カルテ番号 こ・2(8)
簡単な記入用紙を書くと、早速仰向けになる。
話をしながら治療するという。
気功を一から説明するのは大変なので、訊きたい事を質問すれば答えるという。
「先生、手術はしたのですが、転移はありますか?」
小泉武雄は一番気になっている事を訊ねた。
風間陽水は少し体の前面のアチコチを触っていたが、
「私には今現在の転移は感じません。ですが、癌は残っていると感じます」
「肺にですか?」
「そうです」
「でも医者は全部取り除いたと言ってました」
風間陽水は少し言葉を選んでいるようだった。
「多分、そうなのでしょう」
小泉武雄はそれでは残っている、と言葉が矛盾すると言った。
「医者の判断は間違っていないのでしょう。それでも残っているのです」
「どういうことですか?」
「今の医学範囲では全部取り除いたから、その直後の検査には出ないのです。
このままなら、あと三か月後に出ると思います。
見えない癌の氣は残っている、という言い方にしましょう」
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カルテ番号 こ・2(7)
仕事はあまりしないで、と妻や息子に厳しく言われている。
働く事が生き甲斐の小泉武雄だ。
仕事をするな、と言われるとヒマを持て余す。
それで気功治療を受けてみようと予約した。
車で40分ほどのところにある治療院に一人で出かけた。
妻も息子も今の状態ではマッサージや指圧でも負担になるだろうと思っている。
だから気功ならば身体には負担にならないだろうと賛成している。
それで効くのかどうかはわからないが、とにかく良いと思える事は何でも試してもらう。
医者からは、転移の可能性がかなりある、と説明を受けていたのだ。
治療院に着くと、予想に反して治療院らしくなかった。
治療師らしくなかった。
小泉武雄にとっては落ち着けるので気に入った。
年は自分よりも若いのだろう。
小泉武雄も風間陽水の年齢を外見から判断していた。
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カルテ番号 こ・2(6)
見舞いに来る人が、いろいろな健康食品を薦めてくれる。
いちいち購入したら破産する。
退院が近くなったある日、妻が友人からの話を持ってきた。
気功治療だという。
手術前でも手術後でも回復が違うのだそうだ。
今まで、信じなかった分野だが、受けてみたいと思った。
まだ呼吸が苦しいままだが、最近の病院は手術後は早く退院させたがる。
早く普通食に戻し、早くリハビリを始める。
どうやら医学的見地というよりも経営上かららしい。
この国はいつから生命よりもお金を中心に動くようになったのだろう。
だが甘えるように頼るより、自分で自分の事を出来る限りするのは賛成だ。
ポータブルの酸素吸入器を借りて、小泉武雄は退院した。
僅かの日数でも動かないと筋肉はたちまち落ちた。
といって、下手に動きすぎると回復は遅れる。
もっとも呼吸器の弊害は息が切れて動きすぎる事など出来ない。
それまでの3分の1も動けない。
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カルテ番号 こ・2(5)
入院、手術の手続きをし、病室のベッドに仰向けになって様々な思いが湧いてきた。
このまま死んでしまったら・・・
妻の事、息子の事、リンゴ園の事、親戚、友人知人の事。
葬儀の事や墓の事までがゴチャゴチャになって浮かんでくる。
入院、手術、その後のお金は足りるだろうか。
妻や息子は明るく振る舞うようになった。
無理している。
そんな仕草をみたら、自分が悩んでいる顔など見せられない。
肺癌は手術が成功しても予後は難しいと聞いた。
覚悟だけはしておこう。
そして、あっと言う間に手術日が来て、麻酔から覚めたら手術は終わっていた。
「おとうさん、手術は成功だって」
妻は嬉しそうに話しかけた。
通常、失敗はないし、失敗したとは言わない。
癌の手術は成功した後が重要なのだと、小泉武雄は知っていた。
手術が終わると、呼吸が更に苦しくなったがほぼ片肺になったのだから当然だ。
そして、死を覚悟していたはずが、生き延びる気持ちが強まった。
死んでなど、いられない。
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カルテ番号 こ・2(4)
一人息子は昨年就職した。
都会のサラリーマンになった。
農家の仕事と収入の大変さの中で育ったのだ。
後を継げとは言えるはずもない。
小泉武雄は自分の代で農業は終わっても仕方ないと思っている。
その息子もたまに帰ってくると禁煙をすすめる。
独立した息子からみれば、親の身体が心配になるのだろう。
いろいろな思いは解っているつもりだ。
だが、毎日の仕事とその一部になっている喫煙だ。
身体に悪くても簡単には止められない。
そうこうしているうちに雪が降るようになり、忙しいシーズンも乗り切れた。
年の暮れは、それなりに仕事があるが、小泉武雄は妻の勧めもあって病院に行った。
検査結果を夫婦で呼ばれた。
「肺癌です。進んでいます」
早めの手術を勧められた。
妻はうろたえた。
小泉武雄は意外なほど冷静だった。
やはり・・・という思いはあった。
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カルテ番号 こ・2(3)
忙しい時期だった。
気にはなっていたが、それどころじゃない。
夜になると咳が出る。
頻繁ではないが、咳が苦しく感じる。
「おとうさん、禁煙しろというサインよ」
前々から妻はタバコを止めるように言っていた。
自分でも止めようと思うのだが、人から言われると従えない。
小泉武雄は誠実な男だ。
仕事も好きで熱心だ。
特別に優しい事は言わないが、家族思いでもある。
近所の人や手伝いに来る人も慕っている。
酒は付き合い程度で晩酌はしない。
だが、タバコだけは20歳から切らしたことがない。
子供の頃、タバコを吸うのは一人前の大人の資格だと思っていた。
仕事を始めた頃は、一服するのは当たり前だと思っていた。
男でタバコを吸わないのは軟弱だと思っていた。
それが、いつの間にか吸う人の方が少なくなった。
妻も顔をしかめるようになり、吸うのに気を使わなければならなくなった。
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カルテ番号 こ・2(2)
手間は幾らでも増やせるが、農業は一人では無理な時期がある。
一斉に作業をしなくてはならない時期は、手伝いの人数がいる。
特に実がなってからは、冬になるまで手伝いがいる。
リンゴ園としてお客の対応から問屋への出荷作業がある。
一番忙しいときでもあるし、現金が入ってくるときでもある。
サラリーマンのように毎月給料があるわけではなく、ほとんどの月は出費だけだ。
労力と収入を考えたら誰もしない。
農業には、いや、農業だけでなく漁師や職人も同じく収入だけで働いていない。
収入金額で仕事をするサラリーマンは異端なのだが、その異端が主流の時代だ。
仕事が面白い、幸せだ、と感じるのが未来を作り出すことなのだが、どうやらこの国の未来は期待できそうにない。
農業に生き甲斐と幸せを感じるようになった小泉武雄に、ある日違和感があった。
呼吸が重い。
苦しいほどではないが、空気の重さを感じる。
作業に夢中になるとわからないが、一休みすると感じる。
そして、食事が疲れるように感じるのだ。
何か、変だ。
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