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学校の「当たり前」をやめた。

2020-04-09 14:27:43 | 

  『麹町中学校の型破り校長 非常識な教え』(工藤勇一著、SB新書、本体価格830円)は保護者向けに書かれた子育て本だったので、学校での本当の改革はどうか?を確認したく読みました。

 明治以降、教師が生徒に対して教室で一斉授業を行うスタイルになって、それが当たり前と落ち着きました。工藤氏が求めている、子どもたちの将来における教育は、江戸時代の寺子屋がモデルとなっています。寺子屋では、「読み書きそろばん」、つまり、すぐに仕事で使えることを学んでいました。例えば、書きは請求書や納品書ほか、商売で使えることを書くことを練習していました。また、その学び方は、理解している子どもが教える形でした。教えることが一番の学びですね。

 麹町中学校でも学習指導要領には則って学びつつ、生徒が実業を意識した学びに落とし込んでいます。修学旅行は、JTBさんの力を借りて、京都・奈良の修学旅行から戻ったら旅行ガイドを作成しています。どのようなガイドブックにするかはチームに委ねられています。彼らは自由な発想で作成するため、修学旅行では誰にインタビューするかまで事前に考えます。主体的に考え、チームで相互に教えあいながら、行動することを学びます。

 このように、学業は実業に応用されること、そのためにも学業をしっかりと身につけなければならない。素晴らしいアウトプットのためのインプットが循環されています。学びの仕組みはアクティブに変わっています。

『学校の「当たり前」をやめた。』(工藤勇一著、時事通信社、本体価格1,800円)

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