(1)睡眠時無呼吸は、睡眠時にピタッといびきや呼吸が止まる一連の症状だ。家族の気を揉ませる。
十把一絡げにされているが、2つに大別される。
①閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)
②中枢性睡眠時無呼吸(CSA)
①は、肥満や骨格上の問題で、あおむけで寝ていると舌の付け根や首回りの脂肪が垂れ下がり、気道が物理的に閉塞して発生する。呼吸が止まった際に、何とか息を吸おうと無意識的にあえぐのが特徴だ。睡眠時無呼吸症候群の9割以上が①だ。
②は、脳の呼吸中枢の働きが落ち、気道が開いていても呼吸が止まる。心不全患者の3人に1人が合併しているとされ、危険な睡眠時無呼吸症候群とでもいうべき代物だ。
呼吸も特徴的で、無呼吸と過呼吸を周期的に繰り返す「チェーン・ストーク呼吸」が生じる。
(2)先日、酢民事無呼吸のタイプと、心房細動(不整脈)との関連を調べた研究が米国から報告された。
(a)調査では、心房細動の既往のない高齢男性843例を対象に、睡眠ポリグラフを実施。睡眠時無呼吸の有無を調べた後に、平均6.5年間追跡している。
・登録時平均年齢は75歳
・平均体格指数は27
・43%が高血圧
(b)追跡期間中、99例が新たに心房細動を発症。睡眠時無呼吸のタイプとの関連を調べたところ、
・(1)-①(OSA)と心房細動との間では関連が認められなかった。
・(1)-②(CSA)の人は、睡眠時無呼吸ではない人に比べ、発症リスクが2.6倍近く跳ね上がった。
(3)心房細動そのものは、命に関わる不整脈ではない。
しかし、心臓内に鬱血した血の塊が血液の流れに乗って脳動脈を詰まらせ、「心原性脳梗塞栓症」という致命的な脳卒中を引き起こすリスクがある。
心房細動を早期に発見し、「脳卒中予防」を心がけることが大切だ。
(4)睡眠時無呼吸を家人に指摘されたら、念のため循環器科を受診するとよい。
□井出ゆきえ(医学ライター)「より危険な睡眠時無呼吸は 脳・心疾患のリスク増に ~カラダご医見番・ライフスタイル編 No.282~」(「週刊ダイヤモンド」2016年1月9日号)
↓クリック、プリーズ。↓
【参考】
「【保健】初日の出の心身的効果 ~鬱対策は光を浴びて~」
「【保健】日本人肥満男性の食事と運動 ~糖尿病予防~」
「【保健】適性な「降圧目標値」 ~120未満で関連疾患が3割低下~」
「【保健】自由な裁量権でスリムに ~ストレスでメタボ~」
「【保健】目の老化には赤と緑と橙色 ~加齢黄斑変性症の予防~」
「【保健】早期発見のためにエコーと併用 ~乳がん検診~」
「【保健】骨折予防はカルシウムのほかに・・・・」
「【保健】前糖尿病患者は食習慣の改善を ~全国糖尿病週間~」
「【保健】糖質制限より脂質制限? ~体脂肪を減らす~」
「【保健】受動喫煙が歯周病リスクに ~ただし男性のみ~」
「【保健】貧乏ゆすりが命を救う? ~マナーより健康~」
「【保健】「高収入の勝ち組」の健康リスク? ~50歳以上の有害な飲酒~」
「【保健】照明用白色LEDのブルーライトは安全か?」
「【保健】目の愛護デー ~緑内障による失明を予防~」
「【保健】長時間労働は脳卒中リスク ~週41~48時間でも上昇~」
「【保健】ほぼ毎日食べると、死亡リスクが14%減少 ~唐辛子~」
「【保健】水族館でリラックス効果 ~血圧・心拍数に好影響~」
十把一絡げにされているが、2つに大別される。
①閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)
②中枢性睡眠時無呼吸(CSA)
①は、肥満や骨格上の問題で、あおむけで寝ていると舌の付け根や首回りの脂肪が垂れ下がり、気道が物理的に閉塞して発生する。呼吸が止まった際に、何とか息を吸おうと無意識的にあえぐのが特徴だ。睡眠時無呼吸症候群の9割以上が①だ。
②は、脳の呼吸中枢の働きが落ち、気道が開いていても呼吸が止まる。心不全患者の3人に1人が合併しているとされ、危険な睡眠時無呼吸症候群とでもいうべき代物だ。
呼吸も特徴的で、無呼吸と過呼吸を周期的に繰り返す「チェーン・ストーク呼吸」が生じる。
(2)先日、酢民事無呼吸のタイプと、心房細動(不整脈)との関連を調べた研究が米国から報告された。
(a)調査では、心房細動の既往のない高齢男性843例を対象に、睡眠ポリグラフを実施。睡眠時無呼吸の有無を調べた後に、平均6.5年間追跡している。
・登録時平均年齢は75歳
・平均体格指数は27
・43%が高血圧
(b)追跡期間中、99例が新たに心房細動を発症。睡眠時無呼吸のタイプとの関連を調べたところ、
・(1)-①(OSA)と心房細動との間では関連が認められなかった。
・(1)-②(CSA)の人は、睡眠時無呼吸ではない人に比べ、発症リスクが2.6倍近く跳ね上がった。
(3)心房細動そのものは、命に関わる不整脈ではない。
しかし、心臓内に鬱血した血の塊が血液の流れに乗って脳動脈を詰まらせ、「心原性脳梗塞栓症」という致命的な脳卒中を引き起こすリスクがある。
心房細動を早期に発見し、「脳卒中予防」を心がけることが大切だ。
(4)睡眠時無呼吸を家人に指摘されたら、念のため循環器科を受診するとよい。
□井出ゆきえ(医学ライター)「より危険な睡眠時無呼吸は 脳・心疾患のリスク増に ~カラダご医見番・ライフスタイル編 No.282~」(「週刊ダイヤモンド」2016年1月9日号)
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「【保健】初日の出の心身的効果 ~鬱対策は光を浴びて~」
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「【保健】自由な裁量権でスリムに ~ストレスでメタボ~」
「【保健】目の老化には赤と緑と橙色 ~加齢黄斑変性症の予防~」
「【保健】早期発見のためにエコーと併用 ~乳がん検診~」
「【保健】骨折予防はカルシウムのほかに・・・・」
「【保健】前糖尿病患者は食習慣の改善を ~全国糖尿病週間~」
「【保健】糖質制限より脂質制限? ~体脂肪を減らす~」
「【保健】受動喫煙が歯周病リスクに ~ただし男性のみ~」
「【保健】貧乏ゆすりが命を救う? ~マナーより健康~」
「【保健】「高収入の勝ち組」の健康リスク? ~50歳以上の有害な飲酒~」
「【保健】照明用白色LEDのブルーライトは安全か?」
「【保健】目の愛護デー ~緑内障による失明を予防~」
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