こういう作品を見ると、日本のアニメーションはすばらしいなあ、とつくづく思う。色彩・陰翳・スピード感・アフレコ、いずれも世界最高峰だろう。
黒田硫黄の「茄子」をアニメ化した「茄子 アンダルシアの夏」につづくサイクルロードレースもの。前作にひきつづき主役のペペを大泉洋が演じ、日本一の声優である(わたしが勝手に認定しております)山寺宏一が“自分は光り輝く存在ではない”とひとり決めしている選手として共演。
力強いオーラを発している名選手が、レースの途中であることを行う展開がなんとも渋い。これって黒田の原作どおりなのかな。
自転車ロードレースについては、近藤史恵の「サクリファイス」シリーズでその深さを感じた気でいたけれど、いやーもっともっと深いです。自分もチャリ通するようになって、自転車とはすなわち風との勝負なのがよく理解できるので、各チームの戦略を味わうだけでもあっという間に時間はすぎる。あの競技がヨーロッパで人気があるのもうなずける。
エンディングテーマはみずからも自転車好きだった忌野清志郎。歌うは小林旭の名曲「自動車ショー歌」の替え歌「自転車ショー歌」。いろんな意味で、泣けます。
監督は高坂希太郎。ジブリ作品で作画をやっているので(「風立ちぬ」もそう)、キャラは宮崎駿以上にミヤザキ(DVDのパッケージを見て。これは「カリオストロの城」のルパンと次元じゃないんですよ)。でもジブリじゃなくてマッドハウス制作なのでそこんとこよろしく。「アンダルシアの夏」と続けて見ると感動倍増!二作とも見てね。