事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

極私的大河ドラマ史PART49 風林火山

2020-07-19 | 大河ドラマ

PART48「功名が辻」はこちら

先週ふれたばかりの三浦春馬がとんでもないことに。うーん、何があったか知らないけれど……

さて、わたしが見逃した大河で、いちばん後悔しているのは2007年の「風林火山」。武田信玄の軍師、山本勘助の物語。あのテレビ版の傑作「クライマーズ・ハイ」「64」を書いた大森寿美男さんが脚本で原作が井上靖。この大河は井上靖生誕百年記念作品でもある。

わたしは原作も若いころに読んだけれども、ドラマティックな展開を冷静な筆致で語るという方式が、むしろ数多くの映像化につながったように思う。

なかでも69年の三船敏郎主演映画はとんでもない豪華キャストで、三船プロが総力をあげて製作。武田信玄が中村錦之助で上杉謙信が石原裕次郎、武田勝頼が中村勘九郎で武田信繁が田村正和。そしてヒロイン由布姫に佐久間良子である。

だからというわけでもないが、大河のほうはむしろ渋めの配役になっている。勘助が内野聖陽で武田信玄が市川亀治郎(子役時代はまたしても池松壮亮。そして勝頼役も演じる)、武田信虎が仲代達矢で板垣信方が千葉真一。そして加藤武佐々木蔵之介もからむ。ヒロインは新人の柴本幸(まさか渡米していたとは)。

かと思えば上杉謙信はGacktだし今川義元は谷原章介、北条氏康が早乙女太一という、なんというか美形なキャスティングも。

その実在さえ疑われていた山本勘助を主人公にもってきたのだから、ストーリーの自由度は高かったろうし、演じたのが実力派の内野聖陽だから、見ごたえがあったに違いないのだ。

三国志のなかでは諸葛孔明の人気が高い日本だから、軍師という存在は魅力的に思える。しかしこの大河は、その評価のわりには視聴率が伸びなかった。

戦国絵巻、というきらびやかな印象を打ち消していたことが原因だろうか。だとしたら確信犯だったわけだ。総集編だけでもDVDで見てみようかな。

PART50「篤姫」につづく


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