事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

古畑任三郎を全部観る Vol.25「消えた古畑任三郎」

2009-02-18 | テレビ番組

Imaizumi01_2  第24話「しばしのお別れ」はこちら

96年春の番組改編期にフジテレビがぶつけた総集編。これまでの24人の犯人が総出演(菅原文太のみ声の出演)という豪華版(……実はこの回で25人になるけどそれはおいといて)。

彼らがいかに「古畑任三郎」に出演したことを喜んでいたかがうかがえてうれしい。芸能界における田村正和の威光を感じとれるし、三谷幸喜という新しい才能に反応するのは芸能人として自然なのかも。

どうやって24人も出演させたかというと、行方不明になった古畑をさがすために、拘置所内の犯人たちから情報をえるというシチュエーション。うまく考えたなあ。

木で鼻をくくったような対応しかできない山城新伍、みずからの犯罪の緻密さを誇る唐沢寿明、しみじみ古畑を回想する小林稔侍などがそれぞれ笑わせてくれる。なかでも「あんなにひどい男はいないよっ(T_T)」と嘆く風間杜夫が最高。そりゃ、あんたはそう思うよな。それに、各回に対する三谷の自己評価がコメントされるかのような仕組みになっているのも楽しい。あの人のことだから鵜呑みにはできませんが。

24人がそろうことで、ひとつ気づかされることがある。犯人がみな健在なのだ。

当然のように思われるかもしれないが、犯罪物の定番である「犯人の自決」という方法を三谷幸喜は一度もとっていないわけ。サード・シーズンでは、ある回で犯人が死を望む場面も出てくるが、それでも古畑はその人物を死なせないのである。名探偵にとって、犯人の死は一種の敗北だし(聞いてるか金田一耕助)、あくまで論理的帰結を求めるこのドラマの姿勢がよく理解できる。

しかし計算できないのが西村雅彦(笑)。今泉慎太郎という役は彼の名をいっきにメジャーにしたし、毎週毎週殺人が起きるという、考えてみればひたすら暗い世界を救ってもいる。でもあまりにエキセントリックな役になったものだから、サード・シーズンにはもうひとりコメディリリーフを用意することになる。これが、まことに意外な人物だった。

【第26話 古畑任三郎 VS SMAPにつづく】

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