事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

再任用制度スタート

2007-12-08 | 情宣「さかた」裏版

Moulin_rouge_poster さて、クミアイ裏情宣シリーズ。
今回は年金と再任用のシンクロ関係を。
発行日は2002年6月12日でした。

生 年 月 日                     支給開始年齢
昭和17年4月2日~昭和18年4月1日 61歳
昭和18年4月2日~昭和20年4月1日 62歳
昭和20年4月2日~昭和22年4月1日 63歳
昭和22年4月2日~昭和24年4月1日 64歳

まず上の表をご覧下さい。おなじみの「退職共済年金満額支給開始年齢」の一覧表です。昭和24年4月2日以降に生まれた人は、満額支給の開始は65歳ということになります。
驚くほど多くの人が誤解しているようなので申し添えておきますが、

①支給開始年齢にならなければ年金が1円ももらえないわけではない

②年度がわりの4月1日から支給されるのではなく、あくまで開始年齢の誕生日がくれば支給は開始される

……この二つはお忘れなく。ちょっと解説を加えると、

①上記の年齢に達するまでは、満額とはいかないまでも、60歳になれば、いわゆる「部分年金」は支給されるのです。その額はおよそ満額の70%。

②「退職は年度で行われるが年金支給は誕生日を基準に行われる」という結果……あーっ!これでは私のような早生まれの人間は不利ではないか

そしてこの支給開始年齢の引き上げに伴って開始されたのが再任用制度。上の表に対応する形で
平成13年4月1日~平成16年3月31日までの間 61歳までの任用
平成16年4月1日~平成19年3月31日までの間 62歳までの任用
平成19年4月1日~平成22年3月31日までの間 63歳までの任用
平成22年4月1日~平成25年3月31日までの間 64歳までの任用
雇用形態には2種類あり、フルタイムの常勤職員(週40時間勤務。定数カウント1)と非常勤の短時間勤務職員(定数のカウントは週当たり勤務時間による)があります。昇給なし、単一の給料月額(常勤であれば289,100円)が支給される……等の条件。

※誕生日。
ウチの職場の4月2日生まれと4月3日生まれの人にこの利点を説明すると、「いいのよそれぐらい!早生まれには先に歳をとったってさんざん馬鹿にされてきたんだから。」ということであった。確かに、身に覚えはある……。

Moulinrouge6b この制度はかなり微妙な問題をはらんでおり、県教組も「再任用を希望する退職者には、雇用と年金の接続という観点から、希望どおりの条件で雇用されるようにとりくみます。」(2002年度運動方針)とするにとどまっています。初年度の今年は、紆余曲折はあったようですが退職者中6人が再任用を希望し、その6人が“採用”された模様です。内訳は……

小学校   常勤2名(元校長1名 元教諭1名)
     非常勤2名(元校長1名 元教諭1名)
中学校  非常勤2名(元教諭2名)

 さて、微妙な問題をはらんでいるとはこういうことです。

1.再任用が恒常化、拡大化されると、新規採用の枠が狭まって、組織が硬直化しないか。

2.再任用者を定数内にカウントしていくことで、“安く”雇用するという方向に向かわないか。

3.この制度は多様な部・課を抱える知事部局を主に想定しており、学校にはなかなかそぐわないのではないか(たとえば、短時間勤務者は担任や主任として勤務することはできない)。

などの課題を抱えているのです。しかし、ここからは個人的な考えになりますが、極端な少子高齢化時代を迎え、【人類の実験室】とまで呼ばれるこの日本では、生産年齢を上にシフトしていくことはむしろ遅すぎたぐらいではないでしょうか。長すぎる不況の背景には、何よりも老後の生活がどうなるのかという国民全体の不安があると私はふんでいますが(可処分所得がなかなか消費に回らないのはこのせいだと思う)、その不安の解消法の一つとして、冷静に見ていかなければならない制度ではないかと思います。

※不安を助長するかもしれませんが、もう一つ表を提示します。
生 年 月 日                     支給開始年齢
昭和28年4月2日~昭和30年4月1日 61歳
昭和30年4月2日~昭和32年4月1日 62歳
昭和32年4月2日~昭和34年4月1日 63歳
昭和34年4月2日~昭和36年4月1日 64歳

……この人たちは、上記の年齢に達するまでは、1円も年金が支給されないのだということをお知らせしなければなりません。もちろん、これ以降は65歳支給です。おまけにもうひとつ。予想を遙かに上回る出生率の低下によって、このレベルですら、いつまで持ちこたえられるのか……

画像は「ムーラン・ルージュ」Moulin Rouge(’01 米)
 オープニング。画面下にオーケストラピットの指揮者が現れ、例の20世紀FOXのテーマを指揮し始める(笑)。「これはこういう映画なんですよ」という高らかな宣言。徹底して椿姫を意識したストーリーではあるけれど、それだけじゃない、と観客に訴えているわけだ。ユアン・マクレガーとニコール・キッドマンという、およそ日本人好みとは思えない美男(?)美女(??)を起用したせいか、客が入らなかったことが残念だ。デートムービーはハリー・ポッターだろうしなあ。男一人で観るには確かにつらい映画だが、これは傑作といっていい。ぜひ観て!

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