公開してもう一ヶ月もたつんだから色々とばらしてもいいですよね。この作品の成立には、庄内映画村のオーナーであるセディックインターナショナルが主導的立場にいる。だからロケをあそこでやるのでは?という話が出てくるのは理の当然。
かはよくわからない。実際に使われたのは岐阜の山奥のダムだったりするのだし。
さて、本編を鑑賞。ほんとは「最後の忠臣蔵」を見ようと思っていたんだけど、映画館前で元同僚たちと遭遇。
「『ノルウェイの森』と『ヤマト』見てきたのよー」
「で、どうだった?」
「『ノルウェイの森』はむずかしかったー。でもね、ヤマトは最高!」
ほぉ。それでは、と予定を変更。
いやな予感はしていたのだ。予告編での、まるでコスプレかと思うような沖田艦長(山崎努)や、大仰そうな演技陣、なによりわたしはあの原作が嫌いだし……しかしものは考えようだ。「三丁目の夕日」の山崎貴(あきれたことに「ジュブナイル」以降、彼の監督作はぜんぶ見てます)と「K-20」の佐藤嗣麻子夫婦のタッグ作品。くわえて東宝SF映画の最新版。期待しよう。
……いやな予感がすべて的中してしまいました。
それは「宇宙戦艦ヤマト」と違うからではなく、自己憐憫、過剰なヒロイズムなど、あまりにヤマトだったから。
特に、緒形直人や柳葉敏郎の気合いの入りすぎた演技や(結膜炎ですかあんたたちの目は。ブラックタイガー隊の若手たちは演技以前の問題)、ヤマトを操縦するときにいちいち照準がどうしたのと“クチで説明する”あたり、前世紀のSF映画からなにも進歩していない。ヤマトじゃなくて轟天って艦名なのかと思いました。
こんなアナクロな展開をひっくり返してくれるとすれば、それはキムタクだと思っていた。でも、さすがの木村拓哉でも、いつもの軽口で、ユーモアたっぷりの“違うヤマト”にすることはかなわなかったみたい。
もっとはっきり言うと、キムタクでなかったら我慢できない映画になっていたはず。この作品に、スポイトでたらすように西欧人がひとりでも登場していたら、およそ成立しないストーリーではなかったか。なんであんなに簡単に死にたがるんだみんな。
もちろん美点もある。黒木メイサとの“ワープ時のセックス”は、「北北西に進路を取れ」のトンネルシーンのいただきっしょ(艦長代理がだいじなときに何やってんだってことはご容赦を)。
ワープの描き方自体がかなりセクシーなので(特にイスカンダルにおけるワープはおみごと)、何度も何度もワープをかます展開はよかったですけどね。ほとんどセックスの明喩でしたよあれは。夫婦で何やってんだー。
>自己憐憫、過剰なヒロイズムなど、あまりにヤマトだったから。
これがなかったら、ヤマトじゃないですから、いいんじゃないですか。それを織り込み済みで見に行った癖に!!
このこの。
あたしは、この映画のあと、木村君のTVの露出度の高さにびっくりでした。
どんな番組にでも出る!
この辺のプロ根性に敬服です。
あ、映画?どうでもいいです。
キムタクならそのあたりをうまくしのいでくれるかと
期待したのに。
それに、あの人はスタッフ志向の人だから、
プロモーションの大切さもよくわかってるんでしょう。
バラエティなどで、いちばん気をつかった発言をしてるのも
彼だしね。