第5回「雨ニモマケズ」はこちら。
前回の視聴率は10.2%となお下落。うーん、どうしてこのドラマの面白さがわかってもらえないかなあ。とか言いながら、うちの昭和一ケタ生まれの親父は蛇蝎のようにこの大河を憎んでおり、「何を言っているのかさっぱりわからん!」と激昂。いや別に見てくれと頼んでるわけじゃないんだから。
時制が行ったり来たりする宮藤官九郎お得意のパターンは確かに客を選ぶのかもしれない。それを承知でクドカンを起用したんだから責任はNHKにある。どうかこのままこの調子で完走してほしい。「木更津キャッツアイ」を見て喜んでいる親父という図は想像もできないのだし。今日も見終わって幸福感ありあり。
今回の前半は、体育協会にひたすら金がないというお話。でも嘉納治五郎は見栄をはるものだから借金まみれ。役所広司がコメディアンとしても最高なのがよく理解できる。彼が激昂するたびにオリンピック宣材の看板はずり落ち、まわりがそのたびに「ぉおおお」とうろたえるのは、まさに「シャボン玉ホリデー」そのもので、役所広司がいかにもハナ肇っぽいのが笑える。こうなると右往左往する古舘寬治が犬塚弘、色悪っぽい竹野内豊が植木等で、シャーロット・ケイト・フォックスがザ・ピーナッツのどっちかですか(笑)。
日本橋や芝の噺ということで「富久」「芝浜」に言及される。金栗四三が陸王パターンで強化された足袋を履き(はぜ、なんて言葉を何年ぶりに聞いたろう)、師匠の噺を反芻しながら人力車をひく志ん生と日本橋の上ですれ違う……このシーンを撮りたいためにセッティングされたような回だった。大河では意外な人物がスターになっていくが、今回は森山未來がその候補かもしれない。常に横方向に移動しながら弾んでいる。すばらしい。
演出もまことに快調。今日はDVDでたっぷり綾瀬はるかの「精霊の守り人」のセカンドシーズンを見ていたんだけど、その演出を担当していた西村武五郎作品。え、この人はシブ5時の守本奈実アナの旦那なの…いや別にいいんですけどね。さて、もう視聴率はどうでもいいけど10%はキープするでしょ。こんなに面白いんだから。
第7回「おかしな二人」につづく。
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