事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「草々不一」 朝井まかて著 講談社

2019-08-22 | 本と雑誌

朝井まかての武家もの短編集。文句なく傑作。

決戦!忠臣蔵」で既に読んでいた「妻の一分」は、大石内蔵助の妻りくのそばにいた“彼”が語る忠臣蔵の真実。これが平均作に思えるほどにすばらしい作品が並んでいる。

宮仕えから離れて、ふくよかな年上の芸者と静かに暮らしている浪人、そこへ彼が藩をはなれることになった事情がまとわりつき……ラストの女の顔と声がやるせない「紛者(まぎれもの)

ミステリとしても有効な料理番のお話「一汁五菜

二刀流の遣い手に心を寄せる女剣士が、ふたたびその男に会ったとき……「春天

格上の家に入り婿に入った男に、新妻は三つの約束を守ってくれという「蓬莱

そしてそして、タイトルどおりラストに置かれた「草々不一」が泣かせるんですよ。人が学ぶとはどんなことか、亡妻の仕掛けにうなる。いやー朝井まかては今さらながらにいいですわ。

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