事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「バーレスク」 Burlesque (2010 Sony)

2010-12-25 | 洋画

Burlesqueimg01 “絵に描いたような田舎の安食堂”のウェイトレス。給料もろくに払わない店主に見切りをつけ、ロサンゼルスに旅立つ。芸能界を夢見て。

 まさしく絵に描いたようなバックステージもの。偶然見かけたバーレスク劇場のパフォーマンスに魅せられ、なんとかステージに立つことになった彼女の運命は……

ひねりないなー、とあきれるか、あるいは直球ど真ん中ととるかは観客次第。劇場の借金を返すどんでん返しなど、そうくるかーと苦笑。典型から逸脱しているとすれば、主役の女の子はメジャーとの契約を結ぶこともなく、バーレスクの世界で自足してしまうことと、貧乏な作曲家との生活に安住すること。「スター誕生」にはならないわけ。

 要するに、ストーリーなんかどうでもいいから主役のクリスティーナ・アギレラとシェールのソング&ダンスを楽しめばよろしいかと。

 これが、なかなかなのだ。

字義どおりストリップすれすれのお下品なショーが展開されるんだけど、歌は往年のスターのものが使われるので(「紳士は金髪がお好き」のモンローとか)生歌は御法度でクチパク状態。

でも映画の観客はアギレラが主演しているんだからいつあのボーカルを披露するかを待っている。で、ためてためて中盤で炸裂。あざといくらいうまいですな。セリフ回しがすっかり瀬川瑛子なシェールも、ソロではさすがの熱唱。芸能界のあらゆる毒を呑みこんだ感じが素敵。

 にしてもアギレラ。ここまでやるんならいっそフルヌードの方が簡単だろうと思うぐらいセクシーに決めています。ただ、舞台映えという点では彼女は身長が足りないのが惜しい。胸の大きな木村カエラががんばってる、という印象はぬぐえません(笑)。

 往年のミュージカルとくらべてもの足りないのはおしゃれな会話の不足。渋い、と思わせたのは借金苦に苦しむシェールと、ゲイの舞台監督のかけ合い。

「お願い、わたしに嘘をついて。」

「きみは裁縫がうまい。」

 名曲の数々がありながら「この曲が好きなんだ!」と持ちあげられるのがボストンの「More Than A Feeling」だったギャグも含めて、まずは楽しめる2時間。わずかなおひまとお金がおありなら、どうぞバーレスク劇場へ。

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