第2話「大器晩成?」はこちら。
今回は三組の親子関係が柱になっている。
最初はもちろん龍馬親子。静かな父親(児玉清)が江戸に出る龍馬に訓戒を。うちの父親もわたしが東京に出るときに厳命したものでした。
「東京の女を連れてくるな」と。
北海道の女だったんだから半分は約束を守りました
龍馬が江戸に出ることで心穏やかではないのが武市半平太。彼は両親が不在なので、伏せる祖母(菅井きん)が親代わり。苦労をかけたからこそ、祖母をおいていけない悔しさを大森南朋が静かに演じている。
最後は岩崎弥太郎父子。龍馬の父と真逆に、息子の出奔に狂乱し、その事実に落ち込んで妻(倍賞美津子)の膝に泣き崩れる。
対比があいかわらず福田靖らしく図式的だけど、どんなパターンでも息子と親の心のゆらぎは同様なのだと告げている。
龍馬の旅に随行するのがピエール瀧。「百万円と苦虫女」でもそうだったけど、大きな図体を御しきれていない感じがいい。いかにもうますぎる香川照之のそばには必要な存在だったか。こういう“大きな無”を演じきれる役者がミュージシャンだというのは複雑だけど。
佐藤直紀の音楽が、今回はいかにもロード・ムービーっぽかったのも大河ドラマらしくなくていい。
さて、今回はまだ龍馬が土佐に残っている展開なのでキャストはまだ地味。でも、もうひとつブレイクしきれない奥貫薫や島崎和歌子を起用してくれているのがうれしい。だって彼女たちこそ、ほんまもんの美女じゃないですかっ!
第4話、はすっ飛ばして第5話「黒船と剣」につづく。