事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

龍馬伝~第3話「偽手形の旅」

2010-01-17 | テレビ番組

Okunukikaoru04 第2話「大器晩成?」はこちら

今回は三組の親子関係が柱になっている。

最初はもちろん龍馬親子。静かな父親(児玉清)が江戸に出る龍馬に訓戒を。うちの父親もわたしが東京に出るときに厳命したものでした。

東京の女を連れてくるな」と。

北海道の女だったんだから半分は約束を守りました

龍馬が江戸に出ることで心穏やかではないのが武市半平太。彼は両親が不在なので、伏せる祖母(菅井きん)が親代わり。苦労をかけたからこそ、祖母をおいていけない悔しさを大森南朋が静かに演じている。

最後は岩崎弥太郎父子。龍馬の父と真逆に、息子の出奔に狂乱し、その事実に落ち込んで妻(倍賞美津子)の膝に泣き崩れる。

対比があいかわらず福田靖らしく図式的だけど、どんなパターンでも息子と親の心のゆらぎは同様なのだと告げている。

龍馬の旅に随行するのがピエール瀧。「百万円と苦虫女」でもそうだったけど、大きな図体を御しきれていない感じがいい。いかにもうますぎる香川照之のそばには必要な存在だったか。こういう“大きな無”を演じきれる役者がミュージシャンだというのは複雑だけど。

佐藤直紀の音楽が、今回はいかにもロード・ムービーっぽかったのも大河ドラマらしくなくていい。

さて、今回はまだ龍馬が土佐に残っている展開なのでキャストはまだ地味。でも、もうひとつブレイクしきれない奥貫薫や島崎和歌子を起用してくれているのがうれしい。だって彼女たちこそ、ほんまもんの美女じゃないですかっ!

第4話、はすっ飛ばして第5話「黒船と剣」につづく

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港座通信~「上海特急」SHANGHAI EXPRESS

2010-01-17 | 港座

監督:ジョゼフ・フォン・スタンバーグ

出演:マレーネ・ディートリッヒ

 ディートリッヒ主演作品の中で最大のヒット作。その美しさの絶頂期に、ディートリッヒに奉仕するために作られたかのような作品です。それもそのはず、当時ディートリッヒと監督のスタンバーグは恋仲で、上海リリーと名のる彼女を美しく撮るために、ありとあらゆるテクニックが駆使されています。

……上映は1月23日(土)14:30~
スタンバーグは一度も中国を訪れずにこの作品を仕上げた。だからこそ夢のような異界を創りあげることができたとも。

台映会の会長がどうしてもこの作品の上映にこだわったのは、モンローとディートリッヒを同じポスターのなかにおさめたかったから(笑)。確かに、気持ちはわかります。

ディートリッヒは多くの才能を庇護しましたが、庇護される方にしてみれば、彼女と一瞬でも離れていたくないという気持ちの高まりに苦しめられたはず。それも、わかるなあ。

港座オフィシャルブログはこちら↓

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Shanghaiexpress02

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港座通信~「お茶漬の味」

2010-01-17 | 港座

 

監督:小津安二郎 

出演:佐分利信 木暮実千代 鶴田浩二 淡島千景

 意地を張りあった夫婦が、ほんの小さなできごとで再び心を通わせる……お茶漬けが象徴する、飾り気のない、普通の日本人の暮らしへの小津のあたたかい視線が泣かせます。

男性に人気があり、名匠たちに愛された木暮実千代は当時の芸能界長者番付でトップ。ちなみに、昭和32年の木暮の納税額は2,469万円。同時期のキャリアの初任給が9,200円の時代にですよ。もっとも、役柄とちがって彼女は徹底して良妻賢母な人だったようですが。

……上映は22日(金)13:30、24日(日)12:15です。

悪女、毒婦をやらせたら木暮実千代にかなう女優はいません。あの容姿とすがるような視線。そんな彼女に、夫婦の和解の物語を演じさせた小津の慧眼。

佐分利信の、いかにも融通のきかない男という演技もすばらしい。後年はそこに風格が加わり「華麗なる一族」「日本の首領」などで“いるだけで怖い”地点にまで

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Ochazukenoaji03

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港座通信~「紳士は金髪がお好き」Gentlemen Prefer Blondes

2010-01-17 | 港座

YouTube: Marilyn monroe-gentlemen prefer blondes-diamonds are a girls best friend scene

Gentlemenpreferblondes02

監督:ハワード・ホークス 

出演:マリリン・モンロー ジェーン・ラッセル

港座にモンロー登場。ジェーン・ラッセルとセクシーぶりを競います。

「だって、お金が無い人だとお金の事が心配で、愛するところまでエネルギーを注げないでしょ」

お金持ちがひたすら大好きなダンサーのローレライ役も、マリリンがやるなら許せてしまいます。作中でモンローが身につけたのはホープ・ダイヤという有名なブルーダイヤモンド。なぜ有名かというと、身につけた女性を不幸にしてしまうからです。マリリンの謎の死は、この作品の公開から9年後のことでした。

……上映は1月23日(土)24日のいずれも14:30開始。

マリリン・モンローの映画をスクリーンで観る機会はもうほとんどありません。映画館とテレビの最大の差は《被写体が実物よりも大きいか小さいか》これにつきます。
わたしたちはマリリンの最後が不幸なものであったことを知っています。そのために、彼女のセクシーきわまりない肢体(ほんとに、ため息が出る)はむしろ悲しいかも。その悲しさを、映画館でどうぞ。

監督のハワード・ホークスは西部劇やボギーのハードボイルドでおなじみ。でも実はコメディの達人でもありました。余裕の機知の人。彼にとって、ラッセルとモンローは、その余裕を見せる最高の素材だったでしょう。

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港座通信~大いなる幻影

2010-01-17 | 港座

12月上映会の特集はこちら

2010年最初の上映情報をお送りします。今月は1月は22日(金)23日(土)24日(日)なのでよろしく。

La_grande_illusion タイムテーブルは以下のとおり。

1月22日(金)13:30~「お茶漬の味

         18:30~「大いなる幻影」

1月23日(土)12:30~「紳士は金髪がお好き

                        14:30~「上海特急

           18:30~「大いなる幻影」

1月24日(日)12:15~「お茶漬の味」

         14:30~「紳士は金髪がお好き」

         18:30~「大いなる幻影」

では例によって作品ごとに。

「大いなる幻影」La grande illusion

監督:ジャン・ルノワール 

出演:ジャン・ギャバン 
   エーリッヒ・フォン・シュトロハイム

第一次大戦下、ドイツ軍の捕虜となったフランス軍兵士二人の行動を通じて反戦を訴えた傑作。捕虜を演じたギャバンがすばらしいのは当然のこととして、収容所長を演じたシュトロハイムの“滅びゆく貴族ぶり”が圧倒的。タイトルは作中のこんな会話からとられています。

「戦争はこれが最後になればいい。」

「それは大いなる幻影だ。」

……上映は22日(金)~24日(日)いずれも18:30上映開始。
監督のルノワールはもちろん“あの”画家ルノワールの息子。才能の連鎖の典型(わたしはどうにもルノワールの絵は苦手だけどなあ……)。

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コメント (2)
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