事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

コント「年末年始によくある風景」

2008-12-30 | 日記・エッセイ・コラム

Chisatomoritaka02 台所で嫁が包丁を使っている。
舅と夫、子どもたちがテレビを見ている。
都道府県対抗駅伝(でも30人31脚でも何でも可)に熱中。

舅「ほら、マユミさん。こっち来てテレビ見なさいよ。あんたの故郷の熊本ががんばってるよ。」

夫「そうだよ。山形を抜きそうだよ」

妻「そうですか。わたしはスポーツはよくわかんなくって……」

包丁の音が続く。

舅「そうかい。まあマユミさんも山形に嫁に来てからだいぶ経つし、もうすっかり田中家の人だからねえ」

熊本と山形のデッドヒートつづく。

がんばれ山形!」
熊本に負けるな!」

舅たちはヒートアップする。
ゴールは熊本が先。

「だぁあああ。惜しかったなあ」

家族は落胆。

包丁の音が止む。
妻が、家族に見えないように小さくガッツポーズ。

……北海道生まれの妻や、熊本から嫁にきた前任の事務補助をイメージしてつくってみました(笑)

画像は、熊本といえばこの人っしょ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「一流の顔」 岡野宏著 幻冬舎文庫

2008-12-30 | 芸能ネタ

41vc1a2bdocl NHKのメイクさんの回想録。スタッフが芸能人にどれだけ気を使うかよりも、芸能人たちがいかにスタッフに気を使っているかの方にむしろびっくり。

若いころの石坂浩二が、収録の雰囲気が悪くなったのを察して100人分のカレーをつくってきた、なんてエピソードはなかなかに考えこませる。

尾道の旅館に泊まった壇ふみを指して「お嬢ちゃん、この人みたいになりたい?」と質問されて「なりたくない」と答えたのがその旅館の娘。後にフジテレビのアナウンサーになった西山喜久恵、ってネタには笑った。

作家たちのメイクへのこだわりも笑える☆☆☆

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「チャイルド44(上・下)」 トム・ロブ・スミス著 新潮文庫

2008-12-30 | ミステリ

Child44 スターリン治世下のソ連。ソルジェニーツィンの「収容所群島」を彷彿とさせる(実際、参考文献にもなっている。同じ新潮文庫なのに向こうはもう品切れ。ベストセラーだったのになあ)相互監視社会。

「たまたま誰かと眼が合っても、それが警備員にしろ誰にしろ、一見ただの市民に見えても、絶対にすぐに眼をそらさないように。笑みを浮かべてもどんな仕種をしてもいけない。きちんと眼を合わせてから、何かほかのものを見るんだ」

生き抜くためにこんな知恵が必要だった時代。

もう下巻の途中までマジで地獄の連続なので、ここからどうやってラストに持っていくのかと思ったら、とんでもないひっかけが用意してあった。なるほど、このために連続殺人犯の年齢をぼかしていたわけだ。

極寒の地で人間性を回復する捜査官、とくれば思い出すのはマーティン=クルーズ・スミスの「ゴーリキー・パーク」。あの傑作に匹敵する。これが29才のお兄ちゃんが書いたってんだから泣ける。ケンブリッジ首席卒業はダテじゃない。

主人公夫婦の間にあったのが“愛”ではなくて“忍従”だった関係からいかに愛をとりもどすか。メロドラマの作者だっただけあってそのあたりもうまいものです。午前4時まで一気読み。堪能。このミステリーがすごい!」ベストワン納得。

ソルジェニーツィンがミステリを書けばこうなるわけね☆☆☆☆

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ガリレオの苦悩」 東野圭吾著 文藝春秋

2008-12-30 | ミステリ

9784163276205 今年のミステリ界は東野のひとり勝ち状態だったとか。代表作ガリレオシリーズの新作は、そのことを実証する。とにかく、読ませる。

しかもテレビドラマを反映して女性刑事との関係をふくらませてある。みごとなファンサービス。こうなると昔からの読者はへそをまげそうなものだが、魅力的な謎と理論的な解決がそんなものを蹴散らしてしまう。科学的な可能性だけを提示するにとどめるツイストもあり、余裕たっぷりである。おそれいりました。

苦悩してないじゃん☆☆☆★★★

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする