事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「ジェネラル・ルージュの凱旋」(2009 東宝=TBS)

2009-04-11 | 邦画

Rouge04_2   色を落とした画面が続く。どうやら手術室のようだ。窓の向こうが薄く光り出し、扉が開いた途端、救急車の回転灯の赤色とサイレンの音がなだれ込んでくる。救急患者が運びこまれて来たのだ。ストレッチャーの金属音。医師の「病院ですよー!」「わかりますかー」と覚醒をうながす声が響く……

 みごとなオープニング。そして、この色を落とした画面が「ジェネラル・ルージュ」というタイトルにラストでつながるようになっているのだ。「アヒルと鴨のコインロッカー」で名をあげた中村義洋の演出は今回も絶好調。明らかに前作「チーム・バチスタの栄光」よりも面白い。「ヤッターマン」とどっちを観ようか迷ったけれど、まずは正解か。娯楽作品がみんなこのレベルだと、日本映画の復調も確かなものなのだろうが……

 どうして残念な口調になっているかというと、「バチスタ」よりも興行収入が激減してしまったからなのだ。海堂尊の原作はベストセラーシリーズになっているし、竹内結子と阿部寛コンビのかけ合いは前作よりもずっといい(特に阿部寛は前作ではほとんどしどころがなかったし)。それではなぜヒットしなかったのか。

 わたし、「チーム・バチスタの栄光」がテレビドラマ化されたことにあるのではないかと疑っている。映画はTBSが製作し、テレビはフジ(制作は関西テレビ)という条件下、相乗効果をめざそうなどという戦略はありえない。愚痴外来の田口医師を女性に変更するといった荒技が先にあり、しかしテレビでは原作どおりに男性(伊藤淳史)に変更……うーんこじつけかな。堺雅人のぎらつく演技だけでも観る価値はある。ちょっとネタバレだけど精神科の人間が実は……って展開もゾクゾクする。上映終了は近い。今すぐ映画館へ!だって第三作が作られないとすれば、人気キャラ、氷姫の登場はどうなるんだっ?!

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