奇跡への絆

図師ひろき

雑感300

2012年05月21日 23時38分16秒 | Weblog


 “プレーパーク”という場所を知っていますか?

 これは公園などを利用して、地域住民がスタッフとなり時間限定で、ロープや工具などを準備し、それらを使い子どもたちと一緒に遊ぶ場所のことです。

 全国的には300を超える団体がプレーパークの運営を手がけ、プレーワーカーの養成をするための講座も各地で開かれているようです。

 もともとは今から70年ほど前、デンマークの造園業者が廃材で遊び場を作ったのが始まりのようでヨーロッパでは、ポピュラーな公園利用の形態となっているとのこと。

 私がこの記事を読んだときに感じたことは・・・

 “小さい頃は、ガキ大将がいて、山や川で遊ぶ時には、まず見本を見せてくれて、それを一生懸命に真似することで、遊び方を覚えていたものだがな・・・”

 そしてその覚えたことを自分より小さい子どもたちに偉そうに教えていたことを今でも覚えています。

 “今では公園で遊ぶにも子どもたちだけではなく、地域住民が付いているようになったのか・・・”

 “地域で子どもを守り、育てることには通じるけれど、子どもたちの世界は子どもたちだけのものであって欲しい・・・”

 とも感じました。

 小さい頃は、必ず「基地」がありました。

 時には、木の上であったり、捨てられている土管の中だったり、橋の下であったり・・・

 その基地には必ず友だとの秘密があり、大切なものを隠したり、基地でしか話せないこともあり、放課後や休みの日には基地を中心に暗くなるまで遊んでいたものです。

 今の子どもたちに「基地」を持っている子はどれほどいるのでしょうか?

 

 木登りの仕方や道具を使った遊びなどはマニュアルなどはあるはずもなく、少々危なくても、けがをしながらでも、遊びの可能性は無限大に広がりますが、プレーワーカーはどこまで見守り、どこまで導いていけるのか・・・

 限られた公園の中だけではなく、もっと大自然の中や、街中でも子どもたちしか知らないような秘密の隠れ場所、いわゆる「基地」を一緒に探し、楽しむような遊びも教えて欲しいと思います。

 これから本格的な夏です。

 現代のガキ大将たちよ!大自然の中で大いに遊ぼう!!


雑感299

2012年05月20日 23時31分54秒 | Weblog


 巨人が調子を上げてきましたね!


 もともと戦力はぴか一ですから、選手が機能してくればおのずと結果はついてくると信じていましたが、開幕ダッシュに失敗した時には心配したものです。


 その好調なチームを支える選手に、控えキャッチャーの実松選手がいます。


 いつ出場機会が回ってくるか分からないながらも、球場にはいつも早く入り、データの収集や分析、そしてピッチャーとのコミュニケーションを丁寧に行っているようです。


 ある試合で、昨年新人王に輝いた沢村投手が、立ち上がり乱れ、制球が定まらず、5回まで毎回先頭打者を出し、大量失点してもおかしくない状態でした。


 そんな時マスクをかぶっていた実松選手が


 「少し投げ急いでいる。フォームを修正してカーブを使っていこう!」


 と鼻息荒い沢村選手にアドバイスしました。


 緩いカーブを投げるには、下半身をしっかり使わなくてはならず、必然的に投球フォームにためができ、投げ急ぎ改善されることに繋がり、後半は若い沢村選手は見事に立ち直り、8回途中まで相手チームを無失点に押さえ込むことに成功しました。


 自分でも気づかないほどの小さな変化を的確に見抜き、投手としてもプライドも尊重しつつ、変化を修正させるアドバイスまでするということは、常日頃からしかっり観察し、包み込んでいなければできることではありません。


 野球に限らずですが、日常生活でも知らず知らずのうちに肩に力が入ってしまい、ストレスを溜め込み、人間関係がギクシャクしてしまうことは誰にでもあることでしょう。


 そんな時リラックスできる言葉と一緒に、ポンと肩でも叩いてくれる実松捕手のような存在がそばにいてくれたら、深みにはまることなくいつもの調子を取り戻せるのかもしれませんね。


 と同時に、自分が実松選手のような存在になれているだろうか・・・とも考えます。


 多くの人への心配りも大切ですが、まずは近くの人がスランプに陥っていないか、事を急ぎすぎて本来の姿を見失ってはいないかなどいつもより追い込まれている友人の変化に気づいてあげられているか・・・


 そのためにもまずは自らが冷静に周りを見渡せるゆとりを持つことが大切ですね。


 人は、言葉ひとつで力を得ていくことができます。


 そんな言葉の力を繋いで行きたいですね。



 


雑感298

2012年05月19日 23時21分14秒 | Weblog


 国際的な難民問題は悪化の一途ですが、国内でも難民問題が顕著になってきています。

 医療や介護難民問題が叫ばれるようになって、もうどれくらい経つでしょう・・・

 住む地域によって受けられる医療福祉のサービスに格差があることは誰もが認めるところですが、現在の国の政策では都市部偏在を黙認しているとしか言いようのない状況となっています。

 そして昨今、“買い物難民”も大きな社会問題となっています。

 自宅近くの商店街がさびれたり、自家用車を持っておらず近郊の大型店に行くことができないお年寄りや、物理的・精神的バリアフリーが進んでいないために一人では買い物に行けない障がい者の方々など、経済産業省によると全国には約600万人もの買い物難民がいると試算されています。

 これに対し、インターネットで商品を注文して自宅に配達するネットスーパーなるものも急増しているようだが、誰かがコーディネートしない限りインターネットを利用できる高齢者はどれほどいるのだろう・・・

 コンビニ業界や百貨店業界も買い物難民の取り込みに必死で、生鮮食品のほか地下食品街の惣菜などをネットや電話で注文できるシステムを着々を構築しているようです。

 買い物難民を救済するための民間のサービス充実は喜ばしいことですが、果たして田舎でもそのサービスは受けられるのでしょうか?

 私は、介護難民の救済として民間の訪問介護事業者が全国展開をしたとこのことを思い出します。

 あの時は、どんな山間地に住んでいても介護サービスが受けられるようになるかもしれないと期待しましたが、その期待はあっという間に失望に変わってしまいました。

 民間サービスは、儲けが出ないとサッと撤退してしまいます・・・撤退どころか参入すらしてくれません・・・

 買い物難民の事業展開も今のところ都市部に限って行われているようですし、もし山間地でも利用できるようになるとしても、都市部よりは高額な負担がのしかかるはずです・・・

 都市部で得た利益で、山間地の買い物難民の負担を軽減してくれるような企業が出てきてくれることを期待するほうが間違いというものでしょう・・・

 今後買い物においても、都市部と山間地で受けられるサービスの格差は広がっていく一方であることは明らかです。

 介護が受けられないが故に、山での生活をあきらめて住み慣れた地域を離れられる高齢者をたくさん見てきました・・・これからは買い物が困難が故に山を降りなければならない高齢者も増えてくることでしょう・・・

 民間では手が届かないところに、政策に陽をあてるのが我々の仕事です!

 時代の動きを捉えた政策を訴えて行きます!

 

 

 

 

 

 

 

 


川南の誇り、宮崎の力

2012年05月18日 23時20分24秒 | Weblog

 


 先日、宮崎県地域づくり顕彰授賞式典に参加させていただきました。

 

 

 この式典は、地域振興に関し、特に功績のあった個人及び団体を顕彰することにより、県民の意識の高揚を図り、宮崎の地域づくりの推進に寄与することが目的です。

 

 つまり宮崎を元気にしてくれている方々を表彰し、その功績を称えるとともに、その方々の活動が大きな波紋となって伝播し、宮崎全体が活性化することの願いが込められている授賞式でもあります。

 

 今回、地域づくり優秀賞は、長生きと健康を願って“長寿湯飲み”を長年にわたって高齢者に寄贈するとともに、新燃岳の噴火で悩まされてきた火山灰の有効活用を探求し、噴火で沈みがちな地域イメージを回復するなど地域振興に貢献された、宇都野 晄さんが受賞されました。

 

 また“第九の合唱”という形を延岡市の師走の風物詩として定着させ、地域に対する自信と誇りの醸成に貢献された、のべおか「第九」を歌う会や、放課後子ども教室における地域ぐるみでの次世代育成や自然を活かした体験型観光や農産加工品の開発などによる地域雇用創出に取り組まれた、特定非営利活動法人五ヶ瀬自然学校の方々も受賞されました。

 

 そして今回特筆すべきは、地域づくり奨励賞を受賞した「川南町若者連絡協議会」の皆さんです!

 

 川南町若者連絡協議会は、長年わたり“フェスティバルイントロントロン”の企画運営に加え、口蹄疫被災者支援として始めた義援金付きリストバンドによる寄付活動を多様な災害支援とも結びつけ、東日本大震災被災者に対しても迅速な支援活動などにより、地域イメージの向上に貢献したことなどが評価されました。

 

 表彰式では、緊張の中にも堂々と胸を張る川南若連協役員さんの姿は輝いていました。

   

 知事に対して、活動内容を詳細に説明され、しっかり義援金付きリストバンドも手渡されていました。

   

 地域活動に加え、口蹄疫の時の恩返しを今も続けている川南若連協の地道な活動には頭が下がります。

 

 何より、団体活動離れが甚だしい昨今にあって、若者が仕事をしながらも積極的に地域で汗を流している姿は、川南だけではなく宮崎の誇りであり、その活動こそが宮崎に未来を切り開く原動力です!

 

 覚えていらっしゃいますか?

 

 去年もこの地域づくり顕彰式では、同じ児湯郡の団体が受賞しています。

 

    

 木城町若者連絡協議会の皆さんです。

 

 2年連続で、口蹄疫被災地の若者団体が、宮崎を元気にする団体として評価されたことは本当に喜ばしいことです。

 これからも私も児湯の若者の一員として、しっかりあせをかいていきます!




雑感297

2012年05月17日 22時48分40秒 | Weblog
 “学校が選ばれる立場になることで、特色づくりや質的向上が進む”

 この看板で県立高校普通科の校区撤廃が進められたと記憶いています…

 結果、郡部から宮崎市内への高校進学が加速し、私立校の特別進学クラスなどへの進学も合間って、郡部高校の定員割れも加速しています。

 少子化を考慮して、定数を削減していく高校も少なくないので、定員割れの割合は、大きな数字に映らないところもありますが、間違いなく郡部から長時間かけて通学する生徒は増えています。

 果たしてどれほど各学校の特色づくりや質的向上がが図られているのでしょうか…

 長崎市では今年度から、小中学校で実施してきた学校選択制を見直し、地元の学校に通う仕組みに戻したようです。

 理由は、伝統校や規模の大きい学校に生徒が集中し、本来の5~6割しか生徒が集まらない学校が現れるようになり、行事や部活動に支障が出ていたから…

 そして何より、通学時間やカリキュラム以外の課外授業などの影響により、家庭や地域で過ごす時間が少なくなり“地域の子どもは地域で育てる”という観点はどおえやら、どんどん地域との結び付きが薄れていくことに行政側が危機感を抱いたことによる判断であったはずです。

 高校と小中学校の違いはあれども、郡部高校のOBや高校を育んできた地域住民は大きな不安を抱えています。

 本県においても中学進学時から地域外の学校に進む生徒も増えており、“地域の子どもは地域で育てる”という風景は薄れ、たとえ地区内で子ども見かけても

 「あん子は、どこん子じゃったかね…」

 と言う言葉をよく聞くようになっています。

 少子化対策同様、郡部学校でも市内高校にひけをとらない学力維持と部活動を活発にするため英断が求められています。

 例えば、小規模クラス編成にした上で高密度の教員を配置するとか、各部活動強化校指定を明確にするとか、制服を撤廃し私服を認めるとか…考えうる選択肢をテーブルにのせ可能性を探っていく作業が必要です。

 これからも地域の声をとらえ、地域の暮らしを守ることに着眼した政策を訴えていきます。

まるまるもりもり

2012年05月16日 23時21分49秒 | Weblog


 さぁ!でました!

 これは一体なんでしょう??

  

 山の暮らしの中では、最高級珍味!

 せっかくですから拡大写真を

 

 そう、蜂ん子です!

 それも蜂の中でももっとも大きくなり、刺されれば命にも関わるほどの殺傷力を持つ“くまん蜂”の幼虫です。

 この蜂ん子の炒め物を作ってきてくれた方によると

 「以前から、土ん中に巣があるのに目をつけちょって、この時期が幼虫から成虫になる時期じゃから、がんばって取ってきたとど!」

 とかなり誇らしげ。

 中にはすでに蜂の姿になりかけているもののあり・・・

  

 かなりグロテスクでしたが、おもいきって食べてみました・・・

 すると・・・

 食感はプチプチとしていて、味は濃厚なシチューのような味がしました。

 

 以前は、スズメ蜂の佃煮を食べさせてもらったことがありましたが、その時は美味しかったのですが、口の中がもそもそして飲み込みづらかった記憶がありますが、今回はするすると飲み込めました。

 幼いときにも何度か、蜂ん子は食べさせてもらったことはありますが、最近で虫を食べたのは、そのスズメ蜂と3年前にカンボジアに行ったときにコオロギの炒め物を食べた以来です。

 「こりゃ、精が付くかい、バリバリ食べてバリバリ仕事してもらわんといかんな!」

 と、皿に山盛りの蜂ん子をもらいました。

 確かに美味しくて、たくさんいただき、元気モリモリになれそうな感じですが、次はよっぽど体が疲れている時に食べられればいいかな・・・

 ごちそうさまでした!

 


雑感296

2012年05月15日 23時11分48秒 | Weblog

 看護師・介護福祉士の人材不足は本県でも顕著です。

 先日も透析治療を行っている医療機関から、看護師を募集しても応募がないため、知ってる人を紹介してほしいと切実な連絡がありました。

 高齢化の進展や処遇改善が図られていないことなどが原因となり、このままでは今後ますます看護師・介護関係職の人材不足は深刻化していくことは明らかです。

 そして国内に目を転じてみると、また新たな人材不足が問題となっています。

 それは保育士です。

 都市部では保育所に入れない待機児童の解消のため、保育所の増設が進んでおり、保育士の求人が一気に増加しているようです。

 例えば、横浜市では49保育所が、川崎市では24保育所が今年4月に一斉開園しており、保育士の獲得競争が起きている事実もあります。

 厚生労働省の試算によると、今後5年間で7.4万人の保育士が不足するとされており、人材派遣会社では地方から保育士を集めるため、寮を用意して人材獲得に乗り出しているところもあるようです。

 この保育士争奪の波は、間違いなく本県にも押し寄せてきます。

 いや、すでに押し寄せて来ているといっても過言ではありません…

 看護師・介護職同様どうしても地方は人件費が低い分、特に若い人材は都市部に吸われてしまう傾向かあります。

 これもまた看護師・介護職同様、保育士にも保育士の資格を持ちつつも保育所に勤務していない”潜在保育士“の方が多くいらっしゃいます。

 まずは国がこの潜在的人材の掘り起こしに積極的予算を組む必要がありますが、県は県として県内の人材をつなぎ止めるためにも、対策を講じる時に来ていると考えます。

100の言葉

2012年05月14日 23時17分30秒 | Weblog

 長編小説が好きです。

 時々、自己啓発本も読みます。

 今回は友人からすすめられたこともあり、山口智司著「経営者100の言葉」を読みました。

 松下幸之助さん、稲盛和夫さん、本田宗一郎さん、などなど名経営者が語られた言葉に、山口さんが解説を加えられているもので、重みのある名言がスーッと心にしみてくる本でした。

 いくつか紹介しますと…

 「先を見通して点をつなぐことはできない。振り返ってつなぐことしかできない。だから将来何らかの形で点がつながると信じなければならない。」

 これはアップルの創業者スティーブ・ジョブズさんの言葉で、ジョブズさんは大学中退後、ピッピー同然の生活をしながらも哲学や文字芸術の分野は学びつづけたそうです。

 それが誰も思いつかなかった視点によりマッキントッシュの設計から開発に生かされたそうです。

 自分の経験が人生のどのタイミングでどのように結実するかわからないということを示唆してくれています。

 また

 「“ごきぶりホイホイ”というのがええやないか」

 との言葉を残されたのは、大塚製薬創業者の大塚正士さんです。

 大塚さんは、ある日工場の技術部長から、フラスコに80匹ものゴキブリが入り込んでいたという報告を受けます。

 原因は職員が、フラスコ洗浄を怠ったためであったのですが、大塚さんはミスを責めることなく

 「そりゃ面白い!フラスコに残っていた抗生物質がゴキブリを誘引したに違いない」

 とすぐさま技術部に商品化を命じ、そのネーミングについて先ほどのように語られたようです。

 まさに会社を愛する発想の転換が生んだヒット商品ですね。

 そして私が最も印象的だった言葉はこちら…

 「成功が努力より先に来るのは、辞書の中だけだ」

 これはヘアアーティストのヴィダル・サスーンさんの言葉です。


 解説は必要ないと思いますが、英語の成功は“success”、努力は“work”で、サスーンさんの言葉は直訳でもあてはまる名言となってます。

 何事も地道な努力の積み重ねが大切ということですね。

 頑張るしかない!

雑感295

2012年05月13日 23時35分14秒 | Weblog


 県は現在、国県道に標高掲示板の設置をすすめています。

 標高15m以下の県内220ヶ所に、概ね2km間隔で設置する予定です。

 
 是非、車や自転車を運転中に標高掲示板に気づいていただき、今自分がどの位置を走行中なのかの確認をしていただきたいと思います。

 津波発生時には避難の目安になりますし、日ごろは避難訓練など防災対策にも活用してもらうことができると思います。

 このことは住民の方々のみならず、県はじめ市町村関係者にも言えることで、以前自治体主催の防災訓練に参加させていただいたところ・・・

 避難所となる公民館に町営バスで移送するための集合場所で、ある高齢者から

 「あんたたちはここに集合するように指示してるが、実際ここがどれくらいの高さか知っちょっとか!」

 と指摘されたときに、言葉に詰まりました・・・

 「そしたら、この訓練の津波の高さは何メートルになっちょっとか!」

 何も説明できませんでした・・・

 「教えちゃる、ここは海抜15mもないとど。東北の津波は何メートルで襲ってきたっか!どうせ訓練するならそこらへん考えて、訓練せんと意味がないわな。」

 おっしゃる通りでした。

 そのような指摘をされながらも地域の方々の方が、真剣に取り組んでいらっしゃる姿勢を突きつけられ、改めて

 “訓練のための訓練になってしまったのでは意味がない”

 ことを痛感しました。

 災害の想定をしっかりと決め、その想定にあった避難方法や経路の選定をして、できることなら毎年違った設定により、地域防災意識を醸成させていく必要があります。

 その一助となる標高掲示板ですので、被災時の避難目安になることはもちろんのこと、行政および地域主導の防災訓練などでも具体的活動の指標をして役に立てていただきたいと思います。

 

 


雑感294

2012年05月12日 23時45分21秒 | Weblog


 県議になる前は、医療機関で“医療ソーシャルワーカー”をしていました。

 医療ソーシャルワーカーとは、病気や障がい、または入院生活により生じる様々な問題に対して相談・援助を行う専門職です。

 現場にいるときに行った、相談・援助業務の中で、最も多かったのが「経済的困窮に関するもの」でした。

 高度医療の発達とともに、医療費も高騰し、自己負担部分だけでも月50万円や100万円といった医療費も珍しくはなく、民間保険に加入していても医療費負担は、患者さんや家族の生活に大きな重荷となります。

 そんな時、医療ソーシャルワーカーが高額医療委任払い制度や貸付制度、さらには障がい者手帳を利用しても医療費払い戻し制度などを紹介したり、手続きを代行したりします。

 それたの制度を駆使しても、どうしても医療費負担が困難な場合は、生活保護申請も視野に入れ援助を行います。

 しかし一旦生活保護を受けるようになると、基本的に医療費などの自己負担がなくなるというメリットはあるのですが、財産の保有と貯蓄ができなくなりますので、病気や障がいが落ち着いた後も生活保護から脱却して、自立生活を始めようとする際に、いきなり公的保険の保険料負担や医療費の自己負担がかかるようになり、これが自立を阻害している原因ともなっています。

 厚生労働省は、生活保護を受給している人が働いて得た収入について、一部を積み立てておき、生活保護需給生活からの自立後に生活費に充ててもらう新たな制度を構築する検討に入ったようです。

 これは画期的なことで、誰も好き好んで経済的困窮状態に陥るのではなく、自立生活を営むという目標をより明確に持ってもらうことへ繋がる制度改革になると期待でます。

 現在全国には209万人を超える生活保護受給者がおり、近年は働ける現役世代層が増えている現状もあるようです。

 現場の医療ソーシャルワーカー同様、この就労収入積み立て制度(仮称)の推移を見守って生きたいと思います。