奇跡への絆

図師ひろき

機械の進歩ではなく

2012年05月02日 23時36分31秒 | Weblog


 先日、第40回宮崎県腎臓病患者連絡協議会総会に参加させていただきました。

 総会の冒頭、会長さんが県内腎臓病患者の現状報告も含め挨拶されました。

 「・・・10年前の患者数は、3680名でしたが、昨年は3654名とやや少なくなっています。

 年代別でみてみますと、10年前は50歳以下が全体の16%だったのに対して、昨年は9.2%になっており、80歳以上が占める割合は、10.7%だったのが、16.1%と高くなっています。」

 と人工透析治療等を受けられる腎臓病患者も高齢化が進んでいることが知らされました。

 また会長さんは続けて

 「以前は、10年間透析治療ができれば良かったのですが、最近では20年、30年継続治療される方も多くなってきました。」

 確かに総会資料の中には、それぞれの医療機関で10年以上治療をされておられる方の名簿が記載されており、20年継続されている方が累計で457名、30年継続の方がやはり累計で97名いらっしゃることが紹介されていました。

 さらに会長さんは

 「そして今年度40年を迎えられる方もいらっしゃいますので、特別表彰を考えおります。

 ダイアライザーをはじめとする医療機器の進歩で、今後ますます長期間透析が可能となってくるでしょう。」

 と透析環境が年々良くなっていることも説明されました。

 確かに、10年前に私が古賀総合病院で透析担当の医療ソーシャルワーカーをさせていただいていた時より、透析関連機器も高性能化し、患者さんの身体にかかる負担は軽減されていることと思います。

 ただ私は、私の挨拶の中で

 「・・・機械の進歩は目覚しいものがありますが、患者さんお一人お一人の日々の節制があってこそ長期間透析が実現しているのです。

 厳しい水分調整や栄養管理、それに毎回注射針の痛みに耐え、長時間の治療を受けられる精神力があるからこそ、今の暮らしがあられるのです。

 皆さんが、切に生きられている姿から、健常者は多くのことを学ばせていただいています。」

 と感謝の気持ちを伝えさせてもらいました。

 さらに

 「感謝の気持ちを社会保障の拡充という形で恩返しをしたい。

 重度心身医療費助成制度の堅持はもちろんのこと、市町村格差があるその他の制度の底上げをしていくことが、我々政治家の使命です。

 現場を知る議員として、これからも皆さんと共に歩みます。」

 医療ソーシャルワーカーの頃、各種社会保障制度の説明から申請手続きの代行までをさせていただき、管理の難しい透析治療に悩む患者さんと話をしながら、患者さんとご家族に寄り添ってきました。

 現場は離れてしまいましたが、肌で学んだ現場の記憶は消えることはありません。

 政策で恩返します!