奇跡への絆

図師ひろき

雑感303

2012年05月26日 22時44分18秒 | Weblog
 うちの親父は料理が得意です。

 特に

 「魚をおろすのはお父さんの役目!」

 とお袋も魚料理のときはさっさと台所を親父に譲ります。

 時々、弁当や惣菜を作っては、温泉や農協にある直売所に出しているので、狭い台所に二人ひっつきもっつき喧嘩をしながらも仲良く料理をしています。

 今でこそ親父の料理を美味しくいただいていますが、私が幼いとき親父は完全な仕事人間で、台所に立っている姿は記憶にありませんし、遊びに連れていってもらうこともほとんどありませんでした…

 そんな親父がある晩、酔っ払って帰ってきて

 「今からラーメン食うかい、お前も食うか!」

 と言ってきたので、一緒に食べることにしました。

 今でもその時のラーメンの味を忘れることができません。

 そのラーメンは、サッポロ一番味噌ラーメンにもやしがドサッと盛られ、その真ん中にゴロッとバターが乗っかっていました。

 この時生まれて初めて味噌バターラーメンを食べたのでした!

 味噌味に濃厚なバターがとけだして、もやしのシャキシャキが麺と絶妙に絡み合っていました。

 親父の味を知ったのはこの時が最初で、その味が忘れられず、自分でラーメンを作って食べるときは、味噌バターラーメンが定番になりました。

 最近では手の込んだ親父の手料理を試食も兼ねてよく食べさせてもらっていて、確かに美味しいし、手際の良さにも関心させられます。

 それでも私の中での親父の味No.1は、酔っ払いながら作ってくれたもやし入り味噌バターラーメンなんです。

 子どもができたらこの親父の味を伝えていこうと思います。