奇跡への絆

図師ひろき

雑感293

2012年05月11日 23時31分14秒 | Weblog


 今まで何度か、県庁職員のメンタルヘルスケアについて一般質問などで取り上げ、その対策を拡充するように訴えてきました。

 県においては、健康診断時などを利用してメンタルヘルスチェックを行うとともに、定期的にカウンセリングを受けられる体制と協力医療機関との連携を強化しています。

 先日、県内でメンタルヘルスの不調による休業者がいる事業所が、全体の2割にも上っているとの記事を読みました。

 労働者健康福祉機構・宮崎産業保健推進連絡事務所の調査によると、県内183事業所から回答を得て、休業者がいるのは全体の20.2%で、200人以上が勤務する事業所では73.1%とかなり高い数値を示しています。

 私が心配したのは、メンタルヘルスケアへの関心の低さです。

 今回、労働者健康福祉機構・宮崎産業保健推進連絡事務所が行った調査の対象事業者数は、2705ヶ所で、回答があった事業者は1割にも届いていません。

 回答があった事業所のうちでも、メンタルヘルス推進の担当者がいる事業所は、47.5%で、休業者の職場復帰プログラムを作成している事業所は31.7%しかありませんでした。

 従業員が、何らかの理由で休職せざるを得なくなることは、本人はもちろんのこと事業所にとっても大きなマイナスとなり、身体的な安全管理を施すことと、精神的な安定を管理することは同等の意味を持つと考えます。

 しかし宮崎に限らず、日本全体にメンタルヘルスケアに関する取り組みには関心が低いというよりも、偏見にもにた障壁があるように思えます。

 “心の不調は、気合が足りないからだ”

 との思い込みは間違いで、精神的安定もカウンセリングなどの定期的かつ専門的な関わりで軽減されることは明らかです。

 公的機関だけではなく、民間においても事業主がメンタルヘルスケアについて正しい認識を持ってもらい、従業員への心配りをさらに充実していただきたいと思いますし、何よりまずは一人ひとりが、心の健康を維持するために、不安を感じたときに気楽に医療機関を受診されることをおすすめします。

 どうしても精神科受診に抵抗があられる方は、“総合内科”心療内科”と標榜してある医療機関も、精神科医や精神保健福祉士などによる専門的なケアが受けられますので、まずはお電話で問い合わせをされてください。

 心の風邪は、誰でもひくことがあります。

 何も特別なことではありません。

 風邪もひきはじめに治療すれば治りが早いのと同じく、心の風邪もひきはじめが肝心です。

 会社も家族も、あなたの健康が一番大切です。