奇跡への絆

図師ひろき

雑感298

2012年05月19日 23時21分14秒 | Weblog


 国際的な難民問題は悪化の一途ですが、国内でも難民問題が顕著になってきています。

 医療や介護難民問題が叫ばれるようになって、もうどれくらい経つでしょう・・・

 住む地域によって受けられる医療福祉のサービスに格差があることは誰もが認めるところですが、現在の国の政策では都市部偏在を黙認しているとしか言いようのない状況となっています。

 そして昨今、“買い物難民”も大きな社会問題となっています。

 自宅近くの商店街がさびれたり、自家用車を持っておらず近郊の大型店に行くことができないお年寄りや、物理的・精神的バリアフリーが進んでいないために一人では買い物に行けない障がい者の方々など、経済産業省によると全国には約600万人もの買い物難民がいると試算されています。

 これに対し、インターネットで商品を注文して自宅に配達するネットスーパーなるものも急増しているようだが、誰かがコーディネートしない限りインターネットを利用できる高齢者はどれほどいるのだろう・・・

 コンビニ業界や百貨店業界も買い物難民の取り込みに必死で、生鮮食品のほか地下食品街の惣菜などをネットや電話で注文できるシステムを着々を構築しているようです。

 買い物難民を救済するための民間のサービス充実は喜ばしいことですが、果たして田舎でもそのサービスは受けられるのでしょうか?

 私は、介護難民の救済として民間の訪問介護事業者が全国展開をしたとこのことを思い出します。

 あの時は、どんな山間地に住んでいても介護サービスが受けられるようになるかもしれないと期待しましたが、その期待はあっという間に失望に変わってしまいました。

 民間サービスは、儲けが出ないとサッと撤退してしまいます・・・撤退どころか参入すらしてくれません・・・

 買い物難民の事業展開も今のところ都市部に限って行われているようですし、もし山間地でも利用できるようになるとしても、都市部よりは高額な負担がのしかかるはずです・・・

 都市部で得た利益で、山間地の買い物難民の負担を軽減してくれるような企業が出てきてくれることを期待するほうが間違いというものでしょう・・・

 今後買い物においても、都市部と山間地で受けられるサービスの格差は広がっていく一方であることは明らかです。

 介護が受けられないが故に、山での生活をあきらめて住み慣れた地域を離れられる高齢者をたくさん見てきました・・・これからは買い物が困難が故に山を降りなければならない高齢者も増えてくることでしょう・・・

 民間では手が届かないところに、政策に陽をあてるのが我々の仕事です!

 時代の動きを捉えた政策を訴えて行きます!