川南町の酪農経営者の農場を視察させていただきました。
この農場では、搾乳牛74頭、育成牛11頭、子牛29頭の計114頭を飼育されていました。
周辺は、畜産の密集地帯といこともあり、懸命な自主防疫も甲斐なく、口蹄疫発生後間もなく、この農場もその波にのみ込まれてしました。
埋却は畜舎に隣接している所有地にされたということで、はじめに埋却地への献花と黙祷をさせていただきました。
埋却の際、4~5m掘削された穴に、トラックの荷台からそのまま殺処分された牛を落とすのではなく、一頭一頭クレーンで吊り上げ、親牛と子牛は隣同士になるよう整然と作業は行われたということです。
畜舎隣りには、堆肥化された糞が積まれていました。
搾乳牛の糞は水分が多く、口蹄疫ウィルス滅菌に必要とされる60度以上温度を上げることが難しいとも言われますが、ここでは鶏糞を混ぜることにより温度を上げ、堆肥化に成功したとのことでした。
牛のいない畜舎は、あまりにも寂しく、静かで、悲しくなりました・・・
それでも畜舎は、今日にでも牛が入ってもいいほどきれいに掃除されており、再導入に備える心構えが沸々と伝わってきました。
農場主から
「補償金が課税対象になれば、再建は難しくなる!」
「埋却地は、たくさん石が掘り出され、このままでは生涯使い物にならない土地になってしまう。
再度土地が使えるようになる3年後には、せめて50cmほど盛土をして欲しい!」
といった要望が出されました。
県の口蹄疫からの再生・復興計画の中にも、全国のモデルとなる畜産の再構築を実現すためにも、いただいた要望を政策化することを諦めません!