自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

飛翔 ~続・ショウジョウトンボ~

2023-07-10 | 昆虫

飛ぶ昆虫を撮るのは,わたしのテーマの一つです。

ショウジョウトンボは数はとても少ないのですが,幸い市内の池に生息しています。そこで三脚を据えて撮ると,何枚かはなんとか撮れそう。

水面から突き出た枯れ枝を居場所にして発着を繰り返しています。こういうときはタイミングさえ合えば,かなり高い確率で撮れる気がします。飛び立ったトンボが戻って来るときは,その確率が高くなります。必ずそこに戻って来るので,その瞬間を待っていさえすればよいからです。

 

ただ,頭部にピントが合うことがたいせつです。

 

スピードを急に落として枝先に着地。翅のしなやかな曲がりがその雰囲気を伝えています。

 

これは急発進。こういうときはどちらの方向に飛び出すか,予測は困難。

 

これは,向こう向きに発進してから右に旋回した場面です。

 

発着をじっと待っている時間はのどかです。辛抱がいります。という事情はこれまで。じつはこの日,ある作戦を立ててこの瞬間をとらえることにしました。それは釣り竿を手にして,その先を枯れ枝の水面付近に軽ーく触れ揺すります。実際,トンボはその度に発着を繰り返しました。この作戦は見事に成功!

これからの撮影の幅が広がりそうです。

 


'23夏 虫の目レンズは友 ~ヤブキリ~

2023-07-09 | 昆虫

我が家の畑にヤブキリが出現。長い触覚! ナスの葉にとまっているのは,この葉を食しているからでしょう。

 

やっぱり! 葉を食べかけました。見事な産卵管!

 

ゆっくり動いて,葉から葉へ。そしてこちら向きになりました。ほんとうはもっと近寄りたかったー!

 

畑の管理はたいへんですが,こんなたのしいことが続きます。

 


飛翔 ~続・シオカラトンボ(オス)~

2023-07-08 | 昆虫

ショウジョウトンボを撮っていたら,突然シオカラトンボ(オス)が入り込んで来ました。シャッターを切りました。ショウジョウトンボはどうするのかな,と思っていると。

 

まったくの無頓着。無関心。かなりの近距離だったはずなのに。

 

シオカラトンボは悠々と去って行きました。

 

ショウジョウトンボが発進していたら,きっとおもしろい写真が撮れただろうなと思った一瞬でした。

 


"魚露目"で見たハッチョウトンボ

2023-07-07 | 昆虫

1わんだぁの森へハッチョウトンボを撮りに行きました。

あいかわらず元気に飛び回っていました。このように腹の先を空高く伸ばすのは,太陽に向かっているらしく,体温を上げるためだとか。しかし,真相はトンボに尋ねてみなくてはわかりません。これはオス。ありふれた構図なのですが,ここは地面すれすれ,そしてトンボの大きさが一円玉大であることを合わせ考えると,かなり窮屈な格好で撮ったことをご理解いただけるのでは? 青空に飛行機雲が一筋。

 

できるだけ近寄りました。翅と飛行機雲とが重なっています。この写真はフラッシュなしだったので,惜しいかな,白トビが目立ちます。

 

湿地から突き出た草先に静かにとまっています。環境が見えます。

 

これはメス。周りは湿地を中心にした草地で,マツがちらほら。雰囲気が静かなので,もっと動的な場面,つまり捕食しているとか,交尾しているとかといった場面を撮れないかなあと思うのですが,なかなか。

 

散策道に落ちた枯れ枝にとまったメスです。アップして見てみると,個眼も確認できます。地面に腹ばいの姿勢で撮りました。

 

途中から雲が出て来ました。梅雨空ではお気に入りの色がでないので,これで撮影終了。この森は自宅近くにあるので,晴れたら,さっと行けます。次回,もっと撮ろうと思います。

 


捕食 ~コオニヤンマ~

2023-07-06 | 昆虫

この程,オニヤンマ(コオニヤンマ)の豪快な捕食を二つ目撃しました。大きなトンボは大きな獲物を捕獲する,まさにこのとおりのシーンでした。

その一つ目。捕まったのはシオカラトンボ(メス)です。

畑で作業をしていたら,大きな羽音を立ててコオニヤンマが急降下。ほんの2m先の出来事です。トンボはそのままネギの葉にとまりました。葉は地面に倒れていたので,トンボはそのまま地面に着地したという感じです。おやおや,コオニヤンマに何が起こったのかなと思って,近づいていきました。

そうしたら,トンボを捕獲して食べているのでした。トンボは腹部の特徴からシオカラトンボのメスとわかりました。腰に携行しているコンデジを持って撮影開始。

 

頭部か胸部辺りをがぶり。

 

しかし,撮りにくい位置です。逃げられたらどうしようもないので,やむなく,撮れる角度からの撮影にとどめざるを得ません。

 

二つ目。わんだぁの森で撮影していたら,突然激しい羽音がして目の前の草むらに大きなトンボが降りて来ました。オニヤンマかコオニヤンマでしょう。急いで確認に。すると,トンボが一瞬にして逃げ去りました。直後捕獲されたものが飛び立っていきました。ですから,写真を撮る間がまったくなし。逃げたものはまちがいなくツチイナゴでした。大きさといい,色合いといい,そうだと思いました。

それにしても,オニヤンマの捕食行動にはすごいものがあります。迫力満点でした。捕まった昆虫はたいへん。これも自然の掟です。

 


カラスウリの"カラス"

2023-07-05 | 随想

考えてみれば,生物の名の由来は話題提供という点で考えるとじつにおもしろいものです。語源がはっきりしていれば,それはそれで納得できるのでしょうが,そうでもない場合はやっかいです。「そうらしい」ということがあまりにも多くて,推測の域を出ないままにとどまっている例が多すぎます。そこからおもしろさが生じます。

このカラスウリにしてもそうです。響きは鳥のカラスを連想させます。実際,漢字名は烏瓜なのですから。しかしそうだからといって,この植物がカラスとどんなつながりがあるのか,それは不明です。調べてみると,カラスが食べる光景からそのように命名されたようだ,という説明が付いている例をよく目にします。というか,最有力説のように扱われているように思われます。

しかし,カラスウリの真っ赤な実をカラスが食べているのを見た経験はわたしにはまったくもってありません。「好んで食べる」という記述すらあるのに,カラスはまったく感知しないようなのです。もしかすると,真っ赤なウソかもしれないのです。だから,見もしないで,ある説に飛びついたり,それをいかにもありそうだという感じで吹聴したりすることに,わたしはこころから疑問を感じざるを得ません。

ある市広報誌の今月号のコラム記事に,この植物についてこんな紹介がなされています。なお,下線はわたしです。

 

諸説あるものの,カラスとの結びつきを強調する文言になっています。市民に広く科学的な情報を提供する欄としては,気になる表現です。中途半端な記述に見えます。ふつう誤った知見が一度定着すると,修正は困難です。「カラスが好んで食べる」という話題は,まことしやかに取り上げるほどの価値はありません。わたしは信じていません。こうした説が流布されると誤解が残り続けるだけです。

もう一つ気になる点があります。「花は大きく咲きますが、(以下略)」の箇所です。この花の場合,大きさはもちろん,細長い筒状のかたちが重要であり,実際,このかたちに適応したスズメガが夜間に頻繁に訪れているのです。この事実からは,「考えられています」という表現はあまりに現実離れし過ぎているということになります。

話は飛びますが,カラスウリがあれば,スズメウリもあります。このスズメウリはたぶん,カラスウリという名称と対比するように付けられたのではないかと想像できます。調べてみると,カラスウリの果実よりぐっと小さな果実を付ける,あるいはその果実がスズメの卵を連想させるという話題が出ています。けっして,スズメが好んで食べるわけではなさそう。

要するに,語源は大事にしなくてはいけませんが,俗説を鵜呑みにしてはならない,事実・根拠にもとづいて考えなくてはならない,ということでしょうか。観察事実を踏まえて思い,考えるようにしてきたわたしの経験則です。

 


常滑の旅 ~散策コース編(後)~

2023-07-04 | 旅行

歴史のある土地には古風な風物がよく見られます。それは当たり前なのですが,そうしたものを目にするたのしさが常滑の旅にもありました。

一つは古ーい軽四輪。ナンバープレートが付いたままで,錆び付いて,まったく乗れないようなのです。乗った形跡はまるでなし。ふしぎだらけの自動車です。

 

二つ目は,昔むかしの手押しのポンプ。錆び付いていてまったく用を足さない状態です。古さが輝いています。

 

わたしの足元まで写り込んでしまいました。脇の散歩道に人気が。それで撮ったら,わたしの足まで写り込んでしまいました。

 

古さが残り続けるまちの風景にふれると,たのしくなります。うれしくなります。

 


"魚露目"で見たウマノスズクサ(花)

2023-07-03 | 

アゲハの庭園で,ウマノスズクサがすくすく育ち,今花がどっさり咲いています。キンカンの木の脇に剪定梯子を置いていたら,ウマノスズクサの茎が巻き付いて成長。それがびっくりするほどなのです。この草はジャコウアゲハの幼虫の食草です。

 

見上げて撮影。あっちこっちに花が。右上の葉の裏にはジャコウアゲハの卵が一つ。

 

ラッパ状の花の形状はウツボカズラに似ています。花には微毛が逆さ向きに生えています。昆虫が入りやすく,出にくい構造です。受粉に昆虫を招くしくみです。

 

こんなふうに花がたくさん。上の葉にはジャコウアゲハの幼虫が。

 

ウマノスズクサの茎が伸びるとたのしい!

 


'23 昆虫の頭・顔 ~続・ハグロトンボ(オス)~

2023-07-02 | 昆虫

ハグロトンボ(オス)の顔写真を撮ったものの,ハグロトンボの微細な風貌とか迫力のある形相とかといったものには近寄れていないのが気になり,撮り直すことにしました。

これはたいそうむずかしい撮影です。というのは,トンボをじっと見ていると微妙に動いているからです。動いていると,どうしてもうまくいきません。それで,何枚も何枚も撮り直します。下写真は30枚ぐらい撮った内の一枚です。たったの一枚! それでも,微妙に動いた跡が残っています。まあ,これで我慢です。

 

肉食性昆虫らしい口許です。食べることで運動エネルギーを補給する生活ぶりが伝わって来ます。短い毛が無数に生えています。複眼は獲物を見つける視覚器官。外敵を察知するのもこの視覚器官。

撮り直してよかったなあと思います。 

このトンボに感謝して,放ってやりました。

 


'23 昆虫の頭・顔 ~ハグロトンボ(オス)~

2023-07-01 | 昆虫

昨日,畑でハグロトンボを見かけました。今季初めての目撃です。いよいよ本格的な夏到来といったところです。

それを捕獲して顔写真を撮りました。これまで何度も撮っているものの,やはり今年は今年として撮りたいと思いました。オスです。鮮やかな金属光沢で、輝いています。

 

やや下側から見上げるようにして撮りました。

 

近づきます。

 

前に移動して撮りました。

 

このまま近づいて。口元は迫力たっぷり。

 

おしまいは真正面からです。証明写真のようなものです。

 

トンボの顔写真はこころ惹かれるものがあります。まだまだ続きます。続けたいですね。