自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

"魚露目"で見たハッチョウトンボ

2022-06-14 | 昆虫

ハッチョウトンボを初めて見たのが50年前。それは遠く青森県で行われた科学教育関係の研究会で,生息地に案内していただいたときです。つい先日,50年振りにハッチョウトンボと再会。今回訪れた生息地は京都府。出かけた甲斐があり,その姿にすっかり魅了されました。

わが国でいちばん小さなトンボです。一円玉を持っていくと,タイミングがよかったのか,乗ってくれました。なんとも感動的。体色が赤はオス。

 

すてきな出会いがありました。お相手は,リタイヤ後の今,この湿地の環境をずっと見守りながら,ハッチョウトンボの生態を調べ尽くそうとしていらっしゃるSさんです。たまたま,撮影に訪れた時間帯に調査に来られていました。お話をお聞きしていると,並大抵な取組ではなさそうなのです。それだけに,ハッチョウトンボの生態については途方もなく豊かな知見を蓄積なさっているように思えました。いただいた名刺には肩書が「セミ・ハッチョウトンボ生態研究者」とありました。

わたしはいつも思うのですが,昆虫の生態に関心を持ち続けて,その事実を探り,真理に迫ろうとする人はなんとも純粋で,ひたむきだという点です。Sさんの話からもお人柄が直感できました。わたしがお尋ねすることに次々と応えてくださるのです。ほんのひとときのふれ合いがわたしの好奇心を心底くすぐってくれました。

 

生息地の湿地は,草丈が低く,水深がごくごく浅く,あちこちに水面が現れていることが欠かせないとか。そういう環境を維持するためには,除草を含めた地味な作業が必要になって来ます。

 

写真に写っている背の高い草は,この点で邪魔になります。

 

トンボの行動範囲はごく限られおり,加えてレンズを近づけても割合平気です。小さなトンボを大きく,さらに遠景を入れて環境を写し込みます。トンボの体長は20mm内外。たぶん,生息環境が見えて来るのでは?

 

この湿地でハッチョウトンボが生き続けるには環境保全の取組が欠かせません。わたしはこの湿地の近くに住んでいるわけではありません。しかし,ずっとここに関心を持ち続けたいと思っています。またSさんとも再会したいですね。

なお,ハッチョウトンボにちなんだ記事を引き続きアップする予定です。