マンサクを訪れている昆虫の写真を撮っていたら, 別の花にふしぎなかたちをした虫がいるのが目にとまりました。 花弁が邪魔になって,からだ全体がよく見えません。腹のかたちがとにかく変わっているのです。脚も,腿が膨らんで特異なかたちをしています。なんとか全体像を把握しておきたいと思って,撮ったのが下写真です。
胸から腹にかけて,細く狭まっていてスマートな体形をしています。脚を含め,黒と黄のコントラストが印象に残ります。目はアブかハチを連想させます。。
しっかり時間をかけて,花粉を舐めていました。ようやく出てきて,一枚の花弁の先に移動しました。見ると,複眼辺りには花粉がかたまって付いていました。その場所でからだを反転させ,プイッとばかりに飛び上がりました。「マンサクから離れないで!」と祈って見ていると,近くの花に降りました。やれやれ,です。
そして傍の花に身を埋めると,すぐに花粉を舐め始めたのです。花弁が密生している中での動きなので,自ずと花弁が視野を遮ります。このままではいい画像が得られません。それで,止む無く指で花弁をグッと曲げました。その結果撮れたのが下の写真というわけです。
幸いアブは気づきませんでした。
頭・胸・翅を見ると,ヒラタアブそっくりです。体長は7,8mmでしょうか。こんな昆虫が身近にいるのに,わたしたちはまったく気づいていない,そんなおもしろさをついつい思ってしまいます。ふしぎなものです。
それで,この昆虫の同定もまた先送りです。
【追記】その後検索した結果,マダラコシボソハナアブ(ヒラタアブ科)とわかりました。