自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

寄生バチ“アオムシコマユバチ”

2014-05-29 | 昆虫

アゲハの庭園に,ハボタンがそのまま残っていて,そこでモンシロチョウの幼虫“アオムシ”が数匹育っています。庭園はあくまで生きものが育つことを旨として管理しているものですから,わたしはアオムシだってあるがままに,なるがままに放置しています。

そのアオムシに寄生バチであるアオムシコマユバチの繭がどっさり。1~3齢期に体内に産み付けられ,そこで成長した幼虫が終齢幼虫から出てきて黄色の繭を作ったものです。


それを見かけてから数日後の話。アオムシはすでになくなっていました。そして偶然,その繭に羽化したばかりの成虫が一匹いたのです。アオムシコマユバチです。体長3mm。誕生して時間が経っていないとみえて,そこを飛び去ろうとする気配はありませんでした。それで,撮ったのが下写真です。たぶん,これが誕生第一号でしょう。ただ,どの繭から出てきたものか定かではありませんでした。


コマユバチを見た同じ日のこと。アオムシがウマノスズクサの葉にいて,じっとしているのを見かけました。そんなところにいるわけがないのに,ふしぎでしかたありませんでした。

このことがあった翌朝の話です。アオムシを見ると,同じ葉にいましたが,すっかり様子が変わり果てていました。というのは,前日はアオムシだけだったのに,たった一日で繭だらけのからだに変わっていたのです。そして,アオムシのからだはすっかり弱々しくなっていました。


この風景もまた,ふしぎなものに思えました。それで,くっきりと目に焼き付けられました。

アオムシは天敵に食される例が目立ちます。小さいものではコマユバチやクモ,カメムシ,大きいものになるとハチやスズメなど。それに加えて,転落死など非生物的要因による死もあります。香川県で調べられた少し古い例ですが,4月世代では卵~羽化の間に91.6%の個体が死んだという記録があります。

それにつけても,このほど見かけた一連の風景は派手で,容赦のない世界に見えてきます。

 


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