自宅庭に置いていたプランターにカタバミが生えていたので,引き抜くときちょっと葉の裏側を見ました。すると,たくさんの卵が産み付けられていました。もちろん,ヤマトシジミです。
それをコップに挿して置いていると,孵化が始まりました。孵化の瞬間をなんとか撮りたいと思っているのですが,その願いは叶っていません。それほど,孵化のタイミングを推し量るのがむずかしい卵です。
さて,おもしろい場面を二つご紹介しておきましょう。
その1。一箇所に二個の卵があること。わたしは,これまで卵は一個ずつ独立して産み付けられるとばかり思い込んでいました。ただ,これらの卵は同一個体によって産卵がなされたのか不明です。もしかすると,別々の個体が偶然同じ場所に産んだのかもしれません。その確率は少ないでしょうが。
下写真は卵のかたちと白さを強調しようと思い,光量をうんと絞って撮ったものです。直径0.55mmの世界に,実に細かな模様が隠されています。
その2。幼虫は葉の裏を食べながら突き進むこともあるということ。これまでの観察だと,一箇所を食べ始めたら周辺を食べるという傾向にありました。前に進みながら食べると,ちょうど道が残されます。それはまるでハモグリムシ(葉潜虫)を思わせます。写真の個体は体長が1.5mmの1齢幼虫なので,ルーペで観察しないと目に入らないでしょう。肛門付近にたくさんの糞が付いているのは微笑ましい光景です。
表皮を残す場合とそうでない場合があります。結果を見ていえることなのですが,残すと,からだの姿勢がうまく保てます。表皮まで食べると,上のような移動はできないでしょう。
この日に見かけた姿をいくつか。茎を伝って移動します。意外と速いので驚きます。
葉の表にもいました。体長は2.5mm。近くに糞が転がっています。さて,この個体が出したものでしょうか。
関心を向けていくと,いろんなことが見え始めます。