自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ヒラタアブの成長(2)

2014-03-28 | ヒラタアブ

ヒラタアブの成虫が産卵の最適場所を探し当て,そこにポツリと産み付ける技は,考えると大したものに思えます。 

ぎゅうぎゅうアブラムシがひしめいている箇所があります。アブラムシは移動性が小さく,そこに卵が産み付けさえすれば,孵化後の餌は完全に保証されています。こんなところをよくもマア,きっちり選ぶことヨと,感心させられるのが,下写真。卵は矢印の先にあります。


アブラムシの囲まれて,卵は孵化時を待ちます。ちっともその存在を気にしていないようなアブラムシが気の毒になります。 

 

 
やがて孵化して,出てきた幼虫は苦もなくアブラムシを口にできます。次々に口にしていきます。

もちろん,この幼虫の前にも天敵が現れます。そこが自然界のバランスでもあります。 

ところが,これはあくまで本筋であって,実際場面はファジーな場面だってたくさん。下写真は,葉の表面にポツンと取り残されたようにして産み付けられた卵の例です。周りには一匹のアブラムシもいません。


育つうえでの最適な環境からは相当にかけ離れています。結果としては,あちこちに産み付けて,そのうちのほんの数%が生き残ればいいわけです。


下写真の卵は,中の水分が失われつつあります。いのちの発生の途中,なんらかのトラブルが生じて,成長が停止したのです。種の保存はそう簡単なものでなく,苦難続きです。


 


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