三月も残すところ僅かとなりました、今日は冬に戻ったような寒い一日ですが、春はもうすぐです。
過日お訪ねた永平寺は一年の1/3を雪の中で過ごすという「日本曹洞第一道場」です。
修行僧はこれくらいの寒さは意にも解さないことでしょう。
この寺で修行する僧は山門より入るのですが、正面両柱に看板(正式には聯れん)が掲げられています。
家庭厳峻不容陸老従真門人(かていげんしゅん りくろうのしんもんよりいるをゆるさず)
鎖鑰放閑遮莫善財進一歩来(さやくほうかん さもあらばあれぜんざいのいっぽをすすめきたるに)
この聯の意味は、「ここは出家修行の道場であり家風はすこぶる厳格である。求道心の在る者のみ、この門をくぐるがよい」(永平寺解説)
禅僧は先ず入寺する前にここで心準備を試されます、一時間半雪降る山門で許しを得るまでそこに立ち待つのだそうです。
今回お世話していただいた若い禅僧は寺に入って2年目だそうですが、その時の厳しさを今でも忘れることはないと語ってくれました。
この寺に入って修行をして、この寺を出る時にもう一度この山門を出ていくのだそうです。
話には聞いておりましたが、山門を前にして厳しい寒さを肌で感じながら、今から「770年前には多くの修行僧がここに立たれたのか」と感じると身の引き締まる想いがしたものです。
そこから七堂伽藍で感じたことを語れと言われればきりがありません、私にはそれぐらい印象に残る寺院でありました。
帰りには永平寺川の山から流れる水音を聞きながら、寂光院に参拝してきました。
平成十二年(2000)に道元禅師750回大遠忌の記念事業で作られた新しい苑には永平寺歴代のご住職の墓が立ち並んでいます。
本堂にある鐘楼堂は除夜の鐘として有名です、朝・昼・夕方・夜の四回を修行僧が撞かれます。
寂光院にある鐘楼堂は参拝者が撞いてよいの許しがあり、心を込めて撞かせていただきました。
永平寺の参拝はここで全てを終えました、念願のお寺に来れたことを心より感謝して春を迎えようと思います。
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