古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

「軍部中枢の内幕」が暴露されています。

2022年06月26日 03時34分56秒 | 古希からの田舎暮らし
 いま読んでいる『満州国演義』第九巻では、陸軍中枢部の内幕が暴露されています。フィリピンから台湾に逃亡した富永恭次第四航空司令官をさんざんこきおろしています。引用します。


「(特攻はひどいから)何とか第四航空軍の特攻作戦を中止するように大本営陸軍部に働きかけてもらいたいと頼むつもりでした」
「第四航空軍はもう特攻作戦はできませんよ」
「どういう意味ですか、それは?」 / 「逃亡しました」 / 「だれがです?」 / 「富永恭次第四空軍司令官」 / 「何ですって?」 / 「もうじき米軍の陸上部隊がリンガエン湾に上陸し、マニラに向かって来ます。それで、昨日マニラのエチャゲ南飛行場を飛び立って台湾に向かった」 / 「て、敵前逃亡ですか」 / 「そういうことになるらしいですね、藤岡主任の話では」 / 「特攻隊員たちに『最後の一戦で本官も特攻する』と操縦桿を握ったこともないくせに叱咤激励してたあの司令官が、敵前逃亡ですって?」  ……   「第四航空軍の残存部隊はルソン北東部に後退した第14方面軍に吸収されたそうだ。富永司令官は台北に着き、台北到着の申告を行おうとしたが、それすら拒否された。それだけじゃない。台湾軍管区の一兵卒にも敬礼されなかったと聞いている」
「軍法会議はいつ開かれるだろう?」
「おそらく開かれない。インパール作戦で抗命罪を犯した列兵団の佐藤幸徳中将が軍法会議を要求して、牟田口廉也中将のあまりにもでたらめな作戦立案を告発すると息巻いたのに手を焼き、大本営は結局精神異常というかたちで予備役に追いやった。佐藤中将と富永中将とはまったく事情がちがう。正反対だと言ってもいい。佐藤中将は部下たちをむざむざ餓死や病死させることを避けるために抗命した。しかし、富永中将は無数の部下を特攻隊として死なせておいて、いざ米軍がマニラに迫るとじぶんだけはさっさと台湾に逃亡したんだ。どんな言いわけもできない。それでも軍法会議を開けば、陸軍内部の矛盾が明らかになる。 ……  結局は軍法会議は開かれず、陸軍刑法違反はうやむやにされて富永中将は予備役にまわされることになるだろう」
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大豆の苗を〈本植え〉しました。 | トップ | 道子さんは今年も「金胡麻」... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

古希からの田舎暮らし」カテゴリの最新記事